メモリーカードスロットがないPSクラシックに思いを馳せて:レトロゲーム浪漫街道

2018年12月3日に発売される、手のひらサイズの復刻版PSこと「プレイステーション クラシック」。その収録ソフト全20本が先日発表され話題になっています。

このPSクラシックでは情報初出しの際に収録タイトルを5本のみ発表し、残り15本を1か月後に発表するという手法がとられたため、「残り15本に何が選ばれるか」の予想でも盛り上がるという経緯がありました。

結果的に選ばれた国内版タイトルは以下の20本。(カッコ内はメーカー/ゲームジャンル)

  • アークザラッド(ソニー・コンピュータエンタテインメント/RPG)
  • アークザラッドⅡ(ソニー・コンピュータエンタテインメント/RPG)
  • ARMORED CORE(フロム・ソフトウェア/アクション)
  • R4 RIDGE RACER TYPE 4(バンダイナムコエンターテインメント/レース)
  • I.Q Intelligent Qube(ソニー・コンピュータエンタテインメント/パズル)
  • GRADIUS外伝(KONAMI/シューティング)
  • XI [sái] (ソニー・コンピュータエンタテインメント/パズル)
  • サガ フロンティア(スクウェア/RPG)
  • Gダライアス(タイトー/シューティング)
  • JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻(ソニー・コンピュータエンタテインメント/アクション)
  • スーパーパズルファイターIIX(カプコン/パズル)
  • 鉄拳3(バンダイナムコエンターテインメント/対戦格闘)
  • 闘神伝(タカラトミー/対戦格闘)
  • バイオハザード ディレクターズカット(カプコン/アクション)
  • パラサイト・イヴ(スクウェア/RPG)
  • ファイナルファンタジーⅦ インターナショナル(スクウェア/RPG)
  • ミスタードリラー(バンダイナムコエンターテインメント/アクション)
  • 女神異聞録ペルソナ(アトラス/RPG)
  • METAL GEAR SOLID(KONAMI/アクション)
  • ワイルドアームズ(ソニー・コンピュータエンタテインメント/RPG)

ラインナップ予想に関するあれこれ

以前、「残り15本」予想合戦にも参加した筆者でしたが、予想結果はどちらかというと外れが多かった......。「パラッパラッパー」、「みんなのGOLF」が入らなかったのがかなり意外だったのと、「スーパーパズルファイターIIX」はなぜカプコンの名作2D格闘ゲーム群をさしおいて収録されたのか!? という動揺もありました。同時期に発売される「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」でひと通り収録されるからでしょうか。

逆に、うれしい誤算は「GRADIUS外伝」、「Gダライアス」とシューティングが2作選ばれていたこと。今となってはライトゲーマーが触れる機会がまずなさそうな90年代シューティングの良作を、PSクラシックの20本のうち2本も入れた(触れられる機会を作った)のは偉業といってもいいでしょう。

また全体のバランスを見ると、RPGが7作も選ばれているのが印象的でした。「遊べるプレステのミニチュア」的アイテムと考えた場合、じっくり系のゲームってそこまで遊ばなくない? と思ってしまうのですが、逆にPSクラシックには「せっかくだからじっくり遊んでほしい」という意図が込められているとも考えられます。

15ブロックをやりくりした初代PSのメモリーカード

PSクラシックに収録された7作のRPGのうち、(五十音順に並べても)筆頭となるのが「アークザラッド」「アークザラッドⅡ」。この2作は作品のストーリーが連続しているのに加え、「アークザラッド」のセーブデータを「アークザラッドⅡ」に引き継げるという業界初のシステムを採用していたのが特徴です。

この2作が収録されたということは、PSクラシックでもセーブデータの引き継ぎができるのはまず間違いなさそうですが、それをきっかけに「PSクラシックのセーブってどういう仕組みになるのか」が気になってきました。ちまたではPSクラシックの先行レビューも上がり始めているようですが、ここでは懐かしいほうのプレステ実機で復習してみたいと思います。

かつての初代プレイステーション(PS)は、データのセーブにメモリーカードを使う仕組みでした。PSの見た目を再現するPSクラシックでも外観上はメモリーカードスロットを模しているものの、サイズも小さくなっているのでここを使うことはありません。メモリーカードを使わない以上、データは本体内蔵メモリにセーブする仕組みになります。

128KBの容量を持つPSのメモリーカードは、記憶領域の単位をキロバイトではなく「15ブロック」と分かりやすく表現。セーブに何ブロックを消費するかはゲームごとに異なり、この15ブロック以内でデータをやりくりする仕組みでした。一方で、PSクラシックの内蔵メモリ容量がどれぐらい用意されているのかは気になるところ。128KBしかなかったメモリーカードと比べたら何百倍~何千倍という容量にはなるでしょうけれども......。

また、PSにはメモリーカードのセーブデータ管理画面があり、ここでコピーや消去の操作ができます。この画面では各タイトルを表すセーブデータのアイコンがかわいらしかったり(しかも少しアニメーションしている)、タイトルによってはセーブを2つ、3つと増やしていったときにアイコンが変わっていく仕掛けもあったりして。

また、PSのメモリーカードには「差込口1・2」の概念もあります。PSクラシックの仕様としては(PSタイトルをプレイできるPS3のように)データ上で仮想メモリーカードを作成して出し入れするのか、あるいはそれを意識しなくてもいい仕組みになるのか。PSクラシックの内蔵メモリ容量がどれぐらい確保されるのかも気になります。128KBしかなかったメモリーカードと比べたら何百倍~何千倍という容量にはなるでしょうけれども。

例えばPSクラシックにも収録される「サガ フロンティア」の場合、システムデータとして1ブロック、これとセーブデータ1つごとに2ブロックを消費。この作品では主人公を7人から選んでプレイできるのが大きな楽しみですが、セーブデータが主人公ごとに違うアイコンで保存されるのがポイントです。主人公7名ぶんのデータをセーブすると15ブロックのメモリーカードはいっぱいになってしまいますが......。

そんな「サガフロ」をはじめ、内蔵ソフトには長く遊べそうな20本が揃ったPSクラシック。空き容量のことは気にせず、アイコンも揃えながらセーブしたいものですね。あとは発売日に備えて、最初にプレイする一本をそろそろ考えておきましょう。