PS4での使用にオススメな1万円台のヘッドセット「HyperX Cloud」

ゲームとヘッドセットとの関係は、ボイスチャットや実況配信の広まりもあり、より密になっている。BGMやSEを聴くだけでなく、音声チャットをしながらのプレイもあるため、ヘッドフォンとしての性能だけでなく、マイク性能も重要視する必要があり、選ぶ際には迷ってしまいがちだ。

 今回紹介するキングストンテクノロジーの「HyperX Cloud」は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の公式ライセンスを受け、PlayStation 4に最適化されたヘッドセットだ。マイクは着脱式で、ヘッドフォンだけを使いたいという人にも安心の仕様となっている。なおPS4向けとあるが、4極プラグに対応するスマホ/PCでも使用可能だ。

ブルー・ブラックのPS4向けヘッドセット

HyperX Cloudは、SIEの公式ライセンスを受けたヘッドセットであり、PS4ゲーマー向けとして開発されている。それもあってか、カラーリングは黒ベースに青と、PS4製品を意識した雰囲気の外観だ。また、普段なら赤の印象があるHyperXのロゴまでも青くなっている。

 形状及び仕様は、耳全体を包み込むサーカムオーラルデザイン採用の密閉型で、ドライバーはダイナミック53mm径+ネオジム磁石。15Hz~25000Hz、インピーダンス41Ω、音圧レベル95dBSPL/mW(1kHz時)、THD2%未満というスペック。重量は本体のみで約325gとなっており、長期的な使用を想定してアルミフレームを採用しているが、それほど重くない印象だ。またノイズキャンセリングマイクは着脱式で、セットした場合の重量は約337gとなる。

ケーブルはY型で、ケーブル長1.3m。ケーブル途中にボリューム調整とマイクミュートのできるコントロールボックスがある。このあたりはよくあるフォーマットであり、たとえば、別のヘッドセットから乗り換えた場合でも、操作に戸惑うことは少ないだろう。

装着する際に圧迫感を気にするユーザーも多いと思うが、本製品はアルミフレーム採用でほどよくフィットする。フレームが一体型ではなく途中で分離しており、パッド付き低反発イヤークッションを採用した効果だろう。店頭で実際に触ってみると、なるべく装着時のフィーリングを心地よいものにしたいという開発イメージがよくわかるハズだ。

音については、ゲーム向けのチューンが目立っている。BGMだけの場合だと意外と広がりあって、可もなく不可もなくのバランスで聴き疲れは少なめ。また重低音を強化したとあるのだが、露骨なブーストではなく、違和感のない範囲である。

 人によっては物足りなく感じるかもしれないが、そこにSEが混じってくると印象が変化するだろう。爆発音がしていても、足音や銃撃の位置をつかみやすく、SEがいくつか同時に再生されていてもゴチャらないと、ゲーム向けという謳い文句に納得いくハズだ。もちろん、真後ろからの音も違和感なく聞こえてくる。ボイスチャットが絡んできた場合も同様に、相手の声が聞こえにくいシーンは少なかった。ちょっと聞こえづらいと感じたのは、大規模な銃撃戦中くらいだが、臨場感としてはアリ。量販店でチェックする際には、あらかじめFPSやTPSの動画を用意しておくと判断をしやすいだろう。

マイクは、エレクトレットコンデンサー方式で、同価格帯のヘッドセットで多く採用されるものだが、ノイズキャンセリングにも対応している。実際に何かとノイズの多い編集部でテストしてみたが、空調や離れた位置のキーパンチ音は、ほとんど録音されていなかった。量販店で試聴できる展示を見つけたら、スマホに接続してチェックしてみよう。

 コントローラーの操作音についても、激しくガチャると録音されていたのだが、普通にプレイする分にはBGMやSEで分からなくなるほどの小ささと音声伝達に耐える性能である。ただアーケードコントローラーの場合は、どうしても音が大きめであるため、操作音を拾いがち。それでも露骨に配信に乗るほどではないので、配信用としても十分なものといえるだろう。

 実売価格は13000円前後。価格からすると堅牢な作りであり、頭部へのフィット感もいい。また音の出方もゲームをよく意識しており、日常的にボイスチャットをしながらゲームをプレイするのであれば、まずもって候補に入れたいヘッドセットだ。大手量販店ではヘッドフォン売場ではなく、ゲーム売場に陳列されているケースもあるが、見つけやすいビジュアルとカラーリングなので、実機をチェックしてみてほしい。