Google Pixelのイベントで発表された重要ポイント5つ

Googleのイベントは、Appleのイベントほど華やかではありませんが、今回の発表は、Googleファンにとっても、新しモノ好きのユーザーにとっても、エキサイティングなものとなりました。

Googleは、ニューヨークで開かれたこのイベントで、新しいPixelスマートフォン、帰ってきたPixelタブレット(今度はChrome OS搭載)、スマートディスプレイ、およびそのほかたくさんのデバイス(今回は紹介しませんが、いずれ解説します)を発表しました。

イベントの様子はYouTubeでもご覧いただけますが、以下に、ポイントを概説しておきます。

新しいPixelスマートフォンが2つ

ここ数カ月、さまざまな噂による混乱と、ハードウェア情報に関する不確かなリークが続いた後、3世代目となるPixel 3、およびPixel 3 XLが発表されました。

どちらのデバイスも、前世代より本体に対する画面の比率が大きくなり、前面、背面ともにガラスが使用されたほか、ディスプレイがベゼルレスデザインとなっています。

Pixel 3には5.5インチの有機ELディスプレイ(昨年よりも大きい)が、Pixel 3 XLには6.3インチの有機ELディスプレイ(少し大きめのノッチがある)が搭載されています。

Pixel 3とPixel 3 XLのハードウェアはほとんど同じです。どちらもQualcomm Snapdragon 845プロセッサーと4GBのメモリを搭載しています。また、どちらのデバイスも64GBか128GBのストレージから選択可能。

microSDカードスロットはなく、ヘッドホンジャックもありませんが、ワイヤレスQi充電機能を備えており、耐水性能はIP68です。バッテリー容量はPixel 3が2915mAh(昨年とほとんど変わらない)、Pixel 3 XLが3430mAh(昨年よりも小さい)となっています。

Pixel 3とPixel 3 XLは同じカメラを搭載しています。前面カメラは8メガピクセルのデュアルカメラで、アパーチャを変化させて雰囲気のあるポートレイトを撮影することができます。

背面カメラは光学式手ブレ補正(OIS)を備えた12.2メガピクセルのカメラで、後ほどGoogleの機械学習のところで説明しますが、いくつかの魅力的な機能を備えています(早く知りたいという人は、記事の末尾までスクロールしてください)。

新しいChromebook? それともタブレット?

Pixel SlateがChromebookなのかタブレットなのかと聴かれると困ってしまいますが、ポイントは、このプロダクトがどちらの特徴も備えているということです。

Pixel SlateはChrome OSの頭脳が搭載されたタブレットデバイスであり、トラックパッドが組み込まれた別売のPixel Slateキーボード(199ドル)を装着することができます。

また、Pixel Slate単体でも、12.3インチのMolecular Displayで動画を見たり、広角レンズの前面カメラでグループビデオチャットを楽しんだり、別売のPixelbook Pen(99ドル)を使って絵を描くことができます。

Pixel Slateにはさらに、2つの前面スピーカー、指紋認証センサー、2つのUSB-Cポートが搭載されています。ヘッドフォンジャックがないため、かわりにUSB-Cポートを使う必要があります。

Pixel Slateは近日中に発売され、Intel Core m3、i5、またはCeleronプロセッサーと、4GB、8GB、または16GBのメモリが搭載されるとのこと。最大256GBのストレージが利用可能で、価格は599ドルからとなっています。

新登場のGoogle Home Hub

Googleアシスタント対応のスマートディスプレイを作っているのは、LenovoとJBLだけではありません。Google自身も「最高のフォトスタンド」と呼ばざるをえないGoogle Home Hubを発表しました。ディスプレイは7インチで、サードパーティの製品より若干小さく、『Duo』でビデオ通話をするためのカメラもありません。Google Home Hubは、既存のGoogle Homeデバイスとマッチするようにつくられています。

Google Home Hubは、家の共有スペースや個人のベッドルームで使われることを想定しています。

「Ambient EQ」機能は、時刻によってスクリーンセーバーの明るさを調整し、画面がまぶしすぎないようにしてくれます。

また、「Home View」と呼ばれるホーム画面で、家にあるスマートデバイスを一括管理することができます。価格は150ドル、カラーはSand、Aqua、Chalk、Charcoalの4色から選べます。

新しいアクセサリーも

Pixel 3、Pixel Slate、Google Home Hubの発表が終わった後、Googleのオンラインストアが更新されましたが、そこには新しいアクセサリーもいくつか含まれていました。

新しいPixel USB-Cイヤホンは、昨年登場したPixel Budsのアップグレードではありませんでしたが、価格はわずか30ドルで、Googleアシスタントにアクセスできるプッシュボタンを備えています。

Pixel 3のために作られたGoogle Pixel Standはワイヤレス充電対応です。また、Googleのスマートデバイスに同期するマルチルームオーディオ対応のChromecastドングルが、こっそりとリリースされていました。

あらゆるものに機械学習が組み込まれている

Googleは間違いなく、その一大帝国を機械学習の上に構築しようとしています。Googleはアシスタントにもいくつかの機能強化を加えました。Googleアシスタントが関わるプロダクト領域は多岐にわたりますが、以下に新機能のさわりだけ紹介しておきます。

Pixel 3のカメラには、新しい機械学習のトリックが隠されています。たとえば、「Top Shot」は、バースト撮影した連続写真の中から、ベストな写真を選び出してくれる機能です。

Super Res Zoom」は、同じく写真をバースト撮影し、光学ズームだけに頼った場合よりも正確なズームを提供します。

Night Sight」は暗い写真をフラッシュなしで明るくしてくれます。

そのほかにも、アルゴリズムで最適な露出を計算したり、「Photo Booth」モードにすれば、あなたが笑った瞬間に自動でシャッターを切ってくれたりします。

Google Home Hubも機械学習をうまく使っており、かつてないほどの最高のデジタル写真アルバムになっています。

Googleフォトの新機能「Live Albums」は、スライドショーに表示させたい人物を選ぶと、残りの作業をGoogleが自動でやってくれるというもの。

Googleが顔認識技術を使って選んだ人物の写真を集めて共有アルバムを作成してくれるので、あとはGoogle Home Hubでストリーミングするだけでスライドショーが完成します。

カメラロールから写真がアップロードされると、アルバムも更新されます。「Recent Highlights」と呼ばれる機能はGoogleフォトアカウントにある最近の写真から、ベストな写真を選び出して表示してくれます。

なお、背後にある機械は、レシートがどんなものであるかを十分に理解しているので、昨日スーパーマーケットでもらったレシートが、うっかりストリーミングされてしまう心配はありません。

Pixel 3の電話機能にも機械学習が組み込まれています。Duplexの公式デビューを待たなくても、Pixel 3は迷惑電話を聞き分け、あなたの手や心を煩わせることなく、スパマーを退散させてくれます。

Googleのハードウェアイベントを見てきて、確かに言えることが1つあります。

Googleハードウェアイベントの主人公は、ハードウェアそのものではないということです。そうしたハードウェアを使って機械学習に何ができるか、が本当の主役です。

そして、世の多くの消費者にとって、日々のタスクをわずか数回のタップや音声コマンドで片付けられるとしたら、大変に価値があることだと言えるでしょう。