Apple Watch Series 4 レビュー:大きな飛躍を遂げたスマートウォッチ

まだスマウォバージンなんです。

見たり聞いたり、いいなと思いながらもスマホもウォッチも同時には買えないし、いつかは買おうかな、という存在のスマートウォッチ。なければないで困らないけど、あったら便利かも。そんなスマートウォッチに興味津々の私たちに米ギズモードのAlex Cranz記者がレビューをまとめてくれました。心電図機能はまだアメリカでも使えないんですね。

本体もアイディアも大きくなった

スマートウォッチってどうなの?

って懐疑的になってるあなたを置き去りにして、Apple Watchはどんどん着けている人が増えてきてますね。 ガジェット好きやマニアだけじゃなく、いまや、普通にいろんな人が使ってます。要するに流行ってるんです。去年のSeries 3くらいから、大きな不具合もなく満足できる機能性に仕上がってます。 で、Apple Watch Series 4はどうなのかということなんですが、今回はApple Watch始まって以来のメジャーアップデートです。はっきり言って使い勝手はけっこうイイです。買って後悔はさせませんが、気になるのは大きさですね。

これは何?

Appleの最新スマートウォッチ。画面が大きくなりました

価格

GPSつきで400ドルから(日本販売価格4万5800円から)、GPSとセルラー機能つきで500ドルから(日本販売価格5万6800円から)

好きなところ

ディスプレイがキレイで、時計の操作がしやすくなったところ

好きじゃないところ

バッテリー寿命が減って、最新の機能がまだ使えないところ

Series 3と4との違いとして、まずボディは大きくなりました。またSeries 4にはAppleの新しいプロセッサが搭載されています。 またアンテナ性能も向上しているほか、センサーも追加されました。0.7 mm薄くなりましたが、直径は2mmワイドになっていて、その結果見た目はそう変わらないようにも見えます。

38mmから40mmになって、ディスプレイが大きく見やすくなり、入力も圧倒的にカンタンになっています。(このレビューでは40mmのSeries 4を使用しています。それよりも大きな44mmもあります)新しいディスプレイの解像度は324 X 394ピクセル。Series 3では272 X 340 ピクセルでしたから、やはり大きくなっています。ディスプレイを平方ミリで計算すれば34パーセントも大きくなった計算となります。

ディスプレイが大きくなったということは、新しい「Infograph」の文字盤にも多くの情報をのせることができるようになったということ。大きな腕時計というよりは、小さなスマホを腕につけてるくらいの感覚です。でも、悪い意味ではありません。ディスプレイと新しい竜頭(回すとコリコリ震動する)で、アプリやメニューなどのインターフェースの操作性が大きく向上しています。

文字盤がきれい

これまでは、Apple Watchもスマホの画面とそれほど変わらないようなオリジナリティのないインターフェースだったことにがっかりしてきましたが、この新しいInfographの文字盤は、よりウェアラブルなデザインになってきた感があります。小さな文字盤にできる限りたくさんの情報を詰め込もうという工夫が見られます。

ディスプレイが大きいのはよいことばかりでもなく、マイナスなこともあります。Series 3の携帯通信機能とGPSつきバージョンでは、1日半くらい充電しなくても大丈夫でした(Appleの公称18時間を超えています)。でも、残念ながらSeries 4ではそうはいきません。バッテリーの持ち時間が減ってしまいました。3~4時間減といったところですが、この違いははっきりとわかります。

実際の生活上では、睡眠のトラッキング時にその支障が出ています。Series 4で睡眠をトラッキングしようと思ったら、寝る前に一度充電する必要が出てきます。それに対してSeries 3は、2晩は持っていたので、2日目の朝に充電するようにしていました。たしかに寝る前の数分間にちょっとだけ充電するだけかもしれません。でも充電の持ちが悪くなったために、生活のサイクルが狂ってしまいました。

救いはこの美しいディスプレイです。この綺麗なディスプレイに目をやれば、生活サイクルが狂わされたイラつきなど、吹き飛んでいきます。それに加えて心電図機能が使えるようになったら...今はどうなるか想像するしかありません。まだ今の時点では使えないんです。でも使えるようになったとしても、その必要性はどうかな。どうもAppleは時代の先読みをしすぎている感があるかもしれません。スマホよりも人の行動と生活を認識できるような端末にしたいという意図が読み取れます。テキストメッセージや通話が受けられるだけじゃない。フィットネスアプリだけじゃない。ウェブドクターや救急救命士の代わりにもなってくれるような端末を目指しているのです。

転倒検出機能

Apple WatchのSeries 4は、シンプルなフィットネストラッキングと心電図センサーと、医療モニタシステムを組み合わせたものを目指しているようです。Apple からは転倒検出機能についてはテストしないようにと口を酸っぱくして言われましたが、こっそりやってみました。重力にまかせてマットレスに思いきり倒れこんだり、床に寝転がり手を力いっぱい床に打ちつけてみたり。高校のときにクラブでやったスタントを思い出してそのまねごとをしてみたり。でもなにも起こりませんでした

Appleによれば、腕に特殊な衝撃がかかったときのみにこの機能がトリガされるということでしたが...。これは体が自然落下するときの衝撃であるということで、 転倒のときに自分自身を受け止める力を計算してあるとのこと。転倒する際、通常は衝撃により腕を負傷することが多いのだとか。テストではうまく再現することができませんでしたが、もしトリガされれば、1分ほどカウントダウンが表示されるらしいです。そのカウントダウンをオフにすることができなかったら、自動的に緊急連絡先へと連絡されるという仕組み。

一人暮らしのお年寄りなんかには安心な機能ですね。この転倒防止と心拍数トラッキング機能がついたSeries 4は、ベビーブーマー世代と離れて暮らすその子どもたちが親の安否を気遣うのに使えます。「介護なぞいらん」などというお年寄りのプライドを傷つけずにモニタリングできるガジェットです。

一人暮らしのお年寄りにも

Series 4を発表したときに話題になった機能に、心電図計(ECG)機能があります。 心拍が不規則になったりして命にもかかわるという心房細動を検出するというアレです。うちの親もこの症状に悩まされているため、この機能の貴重さは理解できます。ただ、ECG機能はここ数カ月は使えません。転倒検出にしろ、ECG機能にしろ、細かい「科学」の部分については、お決まりのようにAppleの秘密のベールに覆われています。Series 4では電子心拍数センサーが搭載され、Appleが独自に行なった研究によって開発されたアルゴリズムを使用しています。

医学診断ができるほど正確ではないが、潜在的な健康問題を知るのには役立つでしょう。うちの親にもおススメかもしれません。しつこいようですが、この機能はまだ試すことができないため、どれだけ正確かはまだわかりません。でもFDAとアメリカ心臓協会が承認したほどなので、安心できそう。 製品の立ち上げ時に使えないという事実はたしかに気になるところではありますが。

健康の未来を先取りしながら、操作速度が上がり、ディスプレイも大きくなったApple Watch Series 4。その価値はいかに。すでにSeries 3を持っているなら、買わなくてよいかも。遅いといってもそこまで体感できるものではないし、転倒検出機能はついてませんが、価格は安くバッテリー寿命もSeries 4より長くなっています。でも初めて Apple Watchを購入するなら、話は別です。ほとんどの機能は向上しており、依然として史上最高のスマートウォッチの王座にあるのですから。

まとめ

・大きくなったぶん、バッテリー寿命が微妙に短くなっている。

・優れたスマートウォッチ。ディスプレイが大きくなってApple Watch全体の操作性は向上した。

・Series 3を持っているなら無理して買い替える必要なし。Series 3より古いApple Watcheからの買い替え、または初めて購入するなら、Series 4は買い。

・もっとも注目の心電図(ECG)機能はまだ使えない。

・転倒検出機能はケガをするくらいリアルな転倒じゃないとテストできない。