Chrome 69の「自動ログイン機能」と「ゾンビクッキー」は批判だらけでGoogleはChrome 70での変更を約束

2018年9月5日、ウェブブラウザのGoogle Chromeが最新版の「Google Chrome 69」をリリースしました。Google Chromeは誕生から10周年を迎えたということで、アップデートにより複数の新機能が搭載されたり仕様変更が行われたりしたのですが、いくつかの仕様変更に対してユーザーから批判の声が挙がっており、ついにGoogle側が撤回を約束するまでに至っています。

Google Chrome 69で実装されてユーザーからの批判を集めているのは以下の2つの仕様変更です。

ひとつはGoogle Chrome 69でGoogleサービスにログインすると、自動でChromeにもログインしてしまうという仕様。ユーザーからは「ダークパターン」だと指摘の声が挙がっていました。

もうひとつは、Cookieを「すべて削除」してもGoogleのCookieは残ってしまうというもの。ユーザーの間では消しても消しても復活するため、「ゾンビクッキー」と呼ばれています。

Googleはさまざまなフィードバックを受け、公式ブログで「フィードバックに基づいたプロダクトのアップデート」という投稿を行っています。

◆ログインの仕様変更について
GoogleがChrome 69で行ったログインの仕様変更は、Googleのウェブサービスにログインすると、同じアカウントでChromeにもログインするというもの。Googleアカウントのプロフィール画像がChromeのUI上に表示されるので、ログインステータスが一目でわかるようになるという変更でした。

これはChromeの同期が有効になったわけではないため、自身のGoogleアカウントに記録されている閲覧履歴やパスワード、ブックマークなどのデータを普段使用している端末以外で利用できるようにするには、Chromeの同期設定を有効にするなどの追加操作が必要です。しかし、新しいUIはユーザーにGoogleアカウントにログインしていることを気づかせるためのものであったため、ユーザーから混乱の声が挙がったというわけです。

Googleはログインステータスの表示がまぎらわしいという声を受け、2018年10月中旬にリリース予定となっているGoogle Chrome 70では表示方法を変更することを約束しています。

具体的に、「Googleアカウントへのログイン情報を示すことは多くのユーザーにとって役立つものであると考えている」としつつ、ユーザーにブラウザ上でGoogleサービスにログインした際に、Chromeでも同様にログイン状態にする機能をオフにするというオープションを与える予定であるとしています。つまり、GoogleアカウントにログインしてもChromeにもログインするという仕様の変更を、ブラウザの設定からオフにすることができるようになるというわけです。

さらに、ユーザーの同期状態をより詳細に示すための新しいUIも準備中とのこと。端末のログイン状態や、Googleアカウントとデータを同期しているかどうかなどを、より明確に示すことを目的とした変更です。

◆ゾンビクッキーについて
Cookieを削除してもGoogleやYouTube関連のCookieは残ってしまうという「ゾンビクッキー」も問題視されていますが、Googleは認証Cookieの処理方法を変更することも約束しています。Chrome 69ではCookieを削除してもGoogleの認証用Cookieが保存されたままになっているため、すぐにログインできるようになっていましたが、Chrome 70ではCookieが削除されればGoogleアカウントから自動でサインアウトするよう仕様が変更される予定です。