地味な新iPhone、デュアルSIM対応と標準機能改良には評価

18日 ロイター] - 米アップル(AAPL.O)が12日に発表した新型「iPhone(アイフォーン)」は目立った新機能がなく、主要な技術系ブログや新聞からさほど熱狂を誘ってはいないが、さまざまな標準機能が改良されたことを大半が称賛しているようだ。

複数のレビューによると、新型iPhoneは2017年に発売された「iPhoneX(テン)」のマイナーチェンジにとどまり、液晶サイズの大型化を除けばあまり変化がないとの見方が多い。ワイアード誌のローレン・グード氏は新機種について「進化であり、変革ではない」と指摘。「強い感情に火をつけるようなものではない――価格が高いことへの残念さ以外は」と述べた。

発表された新機種のうち、「XS」の液晶サイズは5.8インチ(14.7センチ)で、価格は999ドルから。最も大きい「XSマックス」は6.5インチ(16.5センチ)で、1099ドルからとなっている。

ただ、改良チップの搭載で顔認証はよりスムーズに。画像関連のセンサーとプロセッサーも改良され、「X」からの段階的な変更により写真撮影機能が改善した。

さらに、今回の地味なアップグレードにおける目玉と言えるのが、デュアルSIMへの対応だ。「X」では、期待されていたが実現されなかった。埋め込み型の「eSIM」にも対応した。この機能はすでに、 腕時計型端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」や、タブレット端末「iPad(アイパッド)」のうち携帯電話の通信網を利用してネット接続できるセルラーモデルでは採用されている。

ハイテク専門ウェブサイトCNETのスコット・スタイン氏は「XSとXSマックスは処理速度が速く、カメラのハードウエアが改善された。ただ、デュアルSIMへの対応を除けば、今回はタッチID(指紋認証センサー)や感圧タッチなどのようなまったく新しい機能が搭載されなかった」と述べた。

新機種ではデータ容量を拡大し、256GB(ギガバイト)と512GBのモデルが準備された。レビュアーらは、XSマックスの最大容量のモデルが1449ドルとなることにも注目。これは、ノートパソコン「マックブック」より高いことになる。