ChatGPT以外にも試す価値のある生成型AIツール10選

最近テック分野の動向を追っている人なら、ChatGPTやBardについてよく耳にしているだろう。OpenAI(オープンエーアイ)やMicrosoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)が大規模な言語モデルを続々と一般公開している。

だが、より小規模なジェネレーティブ(生成型)AIプロジェクトもこの1年で多数展開されてきた。生成型AIツールは音楽、アート、文学などさまざまな分野に大きな影響を及ぼしている。画像を作成するツールもあれば、電子メールを下書きするものもある。あるツールは動画を制作する。しかし、いずれのツールもより多くの人がクリエイティブな分野に親しめるようにしながら時間を節約するために作られた。我々がいかに迅速に作業を行うか、法的・倫理面での予期せぬ問題、生成型AIが仕事に与える究極の影響についてはまだ結論は出ていないが、生成型AIが定着していることは明白になりつつある。

では、興味のあるユーザーがチェックすべき生成型AIツールとしては他にどんなものがあるだろうか。携帯電話などのデバイスからすぐに試すことができる、現在利用可能なものをいくつか紹介する。

Fireflies

会議の書記係を求めるといつも消極的な声が返ってくるという人にはFirefliesがおすすめだ。このAIアプリを使えば、ZoomやGoogle Meetなどで行われるビデオ会議でも、音声ファイルでも、RingcentralやAir Callといったアプリでの電話でも、会議の音声を録音して自動で文字起こしができる。会議を自動録音するようカレンダーに設定でき、終了後に会議のメモをCRM(顧客関係管理)に自動インポートすることが可能だ。さらに、文字起こし後は自分に最も関係のある情報を見つけるために会議を検索することもできる。FirefliesはすでにUber(ウーバー)やNike(ナイキ)、Delta(デルタ航空)、Netflix(ネットフリックス)といった企業で利用されている。

GhostWryter

生成型AIがあなたの文章作成をどう手助けできるか興味はないだろうか。あなたはGoogle Docsの愛用者だろうか。そうだとしたら、GhostWryterをダウンロードするといい。このアプリはAIを使ってSEO(検索エンジン最適化)向けのテキスト、マーケティングコンテンツ、事業のためのブログ記事の作成を手伝う。サイトでは見出しや段落、エッセイ全体を書くのにキーワード、アイデア生成、概要生成などをどう使えばいいのかを案内するスターターガイドを提供している。

Ellie AI

電子メール作成でChatGPT以外のサポートが必要なら、Ellieを試してみてほしい。Ellieはメール返信の下書き専用のサポートツールだ。Ellieはユーザーの文体から学習し、ユーザーは返信の「ムード」を選ぶことができる(例:文調はカジュアル、プロフェッショナル、イライラといったものがある)。Ellieはまた、多言語に対応しており、最初に使われた言語で自動的に返信する。Ellieの返信内容が完璧ではない場合はユーザーが微調整したり、文脈を追加したりしてEllieを正すことができる。Ellieは現在、ChromeとFirefoxの拡張機能として提供されており、完全サポートされているメールクライアントはGmailのみ。その他のメールクライアントにも間もなく対応する予定だ。

Murf AI

生成型AIの活用法では文章やアートの作成が今最も注目を集めているが、Murf AIはテキストのコマンドからリアルなナレーターの声を作り出せる。Murf AIは解説動画やポッドキャスト、広告など向けにスタジオ品質のナレーターの声を作成することができる。使用にあたっては20以上の言語とアクセントのオプションなど、利用できる120以上の音声スタイルから選ぶだけでいい。

Stockimg.AI

正直なところ、AIアート生成のためのアプリは大量にあるが、筆者がStockimg.AIを選んだのはさまざまな目的のためのコンテンツ制作をかなり簡単に行えるからだ。画像を生成する際、ブックカバー、ロゴ、アイコン、壁紙、ストック画像などのどれを作りたいかをAIに伝えると、ニーズに合ったビジュアルコンテンツを作成してくれる。

Heyday

HeydayはAIを搭載した記憶アシスタントと称しているが、実際は調査アシスタントに近い。このアプリはブラウザ、検索エンジン、GmailやGoogleドキュメントなどのアプリと連携し、一度確認した後に探す必要のあるコンテンツを「再浮上」させるのを手伝う。例えば、どこかで見たヒントや引用、参考文献のソースファイルを探す必要がある場合、Heydayはその作業を迅速化するのに役立つ。

Wordtune Read

Wordtuneは生成型の文章作成オプションを提供しているが、筆者にとってより興味深いのはリーディングオプションだ。Wordtune Readはボリュームのある文書を要約し、ユーザーがより深く、そして速く理解できるよう、重要なポイントを絞り込むのを手伝う。文章が業界全体やその分野の意思決定者にとってどのような意味を持つのかといった特定の視点に基づいて異なる要約を提供することも可能だ。

Regie AI

生成型AIは職種ごとに特化しつつある。例えば、営業チームが人をひきつけるメッセージの作成で手助けを求めているのなら、Regi AIを試してみてはどうだろうか。このアプリは対象となりうる連絡先を調べ、アプローチする会社が本物だと感じるような電子メールを営業担当者が作成するのを手伝う。Regiはアプローチする会社に特化した内容を作成するために大規模な言語モデルを使用している。さらに、過去のコンテンツを使用して新しいコンテンツを作成することも可能だ。営業シーケンスを作成し、会社の営業プラットフォームに公開することもできる。

Resume Worded

履歴書をチェックする人事ボットの審査を通過するのはかつてないほど難しい。幸い、Resume Wordedが役立つ。このアプリは実際の採用担当者が候補者を採用する際に使用する主要な基準に関するスコアなど、履歴書やLinkedIn(リンクトイン)のプロフィールに関するフィードバックをすぐさま提供するように設計されている。また、ユーザーは探している仕事内容に最も関連するキーワードを特定するのにこのアプリを使うこともできる。

Looka

会社を表すロゴを作りたいがグラフィックデザインのスキルがない場合、Lookaを使えばボタンをクリックするだけで美しいロゴを作成することができる。会社名、業種、カラーパレットを入力すると数えきれないほどのロゴの案が示される。

ChatGPTとBardは現時点で最も人気のある生成型AIツールだが、この他にも筆者がすでに試したもので、コンテンツの作成、生産性の支援、営業のサポート、人事の補強、ユーザーがオンライン上で最も有用な情報を見つけるための支援など試す価値があると思うツールがいくつかある。生成型AIはいつでも対応してくれる。