新型コロナワクチンは「iPhone」のように進化 モデルナCEO

米モデルナが新型コロナ、インフルエンザ、RSウイルスの3種混合ワクチンを5年以内に市場投入したいとの方針を示した/ Artur Widak/NurPhoto/Getty Images/FILE

(CNN Business) 米バイオ製薬モデルナは10日、年1回の接種で済む新型コロナウイルスとインフルエンザ、RSウイルスの3種混合ワクチンを今後5年以内に市場投入したいとの方針を示した。

同社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)がCNN Businessとのインタビューで述べた。新型コロナウイルスの変異が続く中、モデルナは引き続き新型コロナワクチンの改良を行う必要があるとしつつ、消費者にとってより便利なワクチンの開発に努めるとも表明した。

また、新しい混合ワクチンの完成には「3~5年」かかるとの見積もりを示し、ワクチン開発をスマートフォンの開発になぞらえた。

「我々の多くは毎年9月に新しいiPhoneを購入し、新アプリや刷新されたアプリを手に入れる。それと全く同じで、1回の接種でコロナとインフルエンザ、RSウイルスに対応できるようになる」としている。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)中に破竹の成長を記録したモデルナは現在、次の大きな未開拓分野を見つける必要に迫られている。

バンセル氏は今回、同社に多大な収益をもたらし、世界70以上の市場に進出する契機となった新型コロナのパンデミックは早ければ今年中に終わりを迎える可能性があるとの見方を示した。

ただ、新型コロナウイルスが消えてなくなるわけではないとし、「我々は少しずつ、全てのツールが利用可能になり、誰もが自分のリスク許容度に応じて自ら決定を下すことができる世界に移行しつつある」と説明。インフルエンザの場合と同様に、「ウイルスと共生すること」を選ぶ人が増えるとも指摘した。