iPhone 14 miniが出ない理由は「売れてないから」ではない?

2022年の新型iPhone(iPhone 14)は、ラインアップが分かりやすくなる。6.1インチと6.7インチが2機種ずつ、それぞれに通常モデルとProモデルが用意されるとの噂だ。5.4インチ型の「iPhone 14 mini」は登場しない見通しだ。

「iPhone 14 mini」が登場しない理由は、iPhone 12 miniとiPhone 13 miniの売れ行き不信が指摘されている。iPhone 12 miniは想定を下回る需要で減産、iPhone 13 miniは2022年第4半期における売上比率が3%だったと報じられている。

しかしMacお宝鑑定団BlogのDANBO氏は、「売れている、売れていないでモノをなくす、という考えはAppleにはない」と指摘する。

カメラ性能の改良を優先した結果、miniサイズは物理的に作れない?

YouTubeチャンネル「Gadgetouch」出演時に、「iPhone 14」シリーズのカメラセンサーが大型化すると説明。センサーが物理的に場所を取るようになり、MagSafeのコイル位置やバッテリー容量の関係でminiサイズの筐体を実現できないことから、「iPhone 14 mini」は用意されないと解説している。

iPhone 13 miniは、iPhone 12 miniと比べてセンサーサイズが1.7μmに大型化し、センサーシフト式光学手ブレ補正に対応した。内部構造を見比べると、カメラの占めるスペースが増えている。

理想のカメラ性能を「iPhone 14 mini」の筐体に詰め込むとすれば、新製品でありながら電池持ちはiPhone 13 miniと同じ、もしくは下回る恐れがある。DANBO氏によると、Appleは「良しとしていないから、作らない」という。

iPhone 13シリーズまでは、通常モデルとProモデルはそれぞれ同じカメラ仕様だった。DANBO氏の分析が正しければ、Appleはカメラの性能向上を重要視しており、物理的に搭載できない「iPhone 14 mini」は見送り、6.7インチの「iPhone 14 Max」で置き換えたことになる。

個人的には、売上不振が全く影響しなかったとは考えづらい。iPhone 12 miniやiPhone 13 miniが爆発的に売れていれば、残す方法を模索した可能性がある。しかし刻一刻と変わる世界情勢の影響もあり、開発を見送る判断を早々に決めたのだろう。

「iPhone 14」シリーズは、例年どおりであれば今年9月頃に発表および発売される。Proモデル(iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Max)はカプセル型+丸型のデュアルパンチホール設計になり、カメラはiPhone 13 Proシリーズからさらに大型化すると見られる。通常モデル(iPhone 14とiPhone 14 Max)は、従来どおりのノッチを採用し、カメラは斜めに配置されたデュアルレンズ構成を引き継ぐと見られる。