Apple、車載空調のサンデンに電気自動車用部品供給を打診していた

Appleが2020年1月に、自動車用空調装置大手のサンデンに対して、製造を計画している電気自動車の設計図を示し、部品供給の交渉を進めていたと日本経済新聞が報じています。

Appleの部品担当「我々は電気自動車を作る」

Appleの部品担当を名乗る人物が2020年1月に、サンデンの米テキサス州にある現地法人を訪れ、Appleが電気自動車の製造を計画していることを明かし、部品の供給を打診していたと日本経済新聞が報じています。

両社は具体的な仕様を詰めていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けサンデンの資金繰りが悪化し、2020年6月にサンデンが事業再生ADR制度を申請したため、Appleとの交渉は終了したとのことです。

サンデンは自動車用空調部品の大手で、2019年頃からは電気自動車向け空調部品の供給を拡大しており、本社のある群馬県に大規模な森林「サンデンフォレスト」を保有するなど、地球環境保護にも熱心に取り組んでいます。

2021年には、中国の家電大手Hisenseグループに買収されています。

2025年の発売を目指すApple Car

2021年11月には、Appleが2025年の発売を目指して電気自動車の開発を進めている、とBloombergが報じています。

Apple Carと噂される電気自動車は、完全自動運転に対応し、自動車向けに設計されたAppleシリコンが搭載され、車内にはタッチスクリーンが設置されると伝えられています。

何度かの方針転換を経た自動車開発

Appleの電気自動車製造プロジェクト「Project Titan」については、数年前からさまざまな噂が飛び交っていますが、リーダーの交代やエンジニアの人材流出、数度にわたる方針転換など、必ずしも順調とは言えないようです。

同プロジェクトで中心的役割を担っていたダグ・フィールド氏が2021年にFordに引き抜かれており、現在は人工知能戦略担当の上級副社長であるジョン・ジャナンドレア氏がトップで、ダグ・フィールド氏の後任としてApple Watch開発で中心的役割を担ったテクノロジー担当副社長のケビン・リンチが同プロジェクトのリーダーをつとめていると報じられています。