iPhone製造のFoxconnがパンデミックによる部品調達の遅れを懸念、「iPhone 13」に影響を与える可能性も

2021年8月12日、iPhoneの製造を手がけるFoxconnが2021年度第3四半期(7~9月)の業績予想を発表。前期比3〜15%の成長を見込むも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で部品が不足し、発注から納品までのリードタイムが1年に及ぶ可能性があると報告しました。

Foxconnは、2021年第2四半期(4~6月)の収益が前年同期比20%増の1兆3500億台湾ドル(約5兆3500億円)に及んだと報告。主にスマートフォンの製造が収益を高め、第3四半期には収益が前期比3〜15%増加するという見通しを立てました。また、Foxconnはアメリカとタイに電気自動車の製造工場を建設する計画を発表。新興電気自動車メーカーのFiskerを主なクライアントとし、2023年以降、年間15~20万台の電気自動車を製造する予定です。

好業績にもかかわらず、FoxconnのCEOであるLiu Young-way氏はチップ不足を懸念してアジア全体のハイテク製品のサプライチェーンに言及。「アジアではパンデミックの状況が悪化しているようだ。アジアは情報通信技術コンポーネントの主要なハブであるため、パンデミックがサプライチェーン全体に影響を与えるかどうかを注意深く監視する必要がある」と述べました。

パンデミックによる工場閉鎖などがハイテク製品のコンポーネント、特にチップの世界的な不足をあおっている状況ですが、Liu氏は「Foxconnは強力なクライアントのおかげで第2四半期におけるチップ不足の影響はわずかだった」と述べました。ただし、Liu氏はチップ不足の影響について「2022年の第2四半期にまで及ぶ可能性がある」と述べました。

分析企業のFubon Securitiesは、Foxconnは2021年にAppleに納品されるiPhoneのうち4分の3、およそ6000万台以上を製造すると予想しています。また、海外メディアのTHE ELECは、Foxconnが電子機器メーカーのHyvisionから新しいカメラモジュール検査装置を導入し、AppleがiPhone用のカメラモジュールを組み立てる方法を変更することに合意したと報告。Appleは2020年までLGやシャープなどから完成されたカメラモジュールを購入し、Foxconnに提供していたとのことですが、今後はFoxconnにおいてカメラモジュールの組み立てから実装までが行われる模様です。