Windows 10搭載PCを買ったら最初にやっておきたいこと

●Windowsパソコンを買ったら最初にやっておきたいこと

新しいPCを買った時、最初にやっておきたいこと

入社や入学のタイミング、今まで使っていたPCが壊れてしまったタイミング、これまでのPCでは性能的に厳しくなってきたタイミングなど、理由はさまざまだが、多くのビジネスマンに一度は「新しいPC」を購入するタイミングがやってくるだろう。

購入したPCはできるだけその性能を発揮させ、そして長く使っていきたいものだ。長く使っていくポイントは、自分のPCの中身をよく把握しておくことである。

新しくPCを購入すると、これまでに使っていたアプリケーションをインストールしたり、設定を変更したり、いろいろ手間がかかるはずだ。しかし、そうした作業を行う前にやっておきたい作業がある。新しく手に入れたPCを末永く利用するために、こうした作業を行うことも検討してもらえればと思う。

前提条件として、ソフトウェアはできるだけ最新の状態にキープするようにしたい。ソフトウェアのアップデートでは、不具合の解消、新機能の追加、脆弱性への対処と、PCを使っていく上では欠かすことのできない作業が行われる。

ただし、ソフトウェアのアップデートは逆に不具合をもたらしたり、動作を重くしたりすることもある。そうした場合はアップデートを差し戻して、問題が解決されるまで様子を見ることも必要だ。大切なことは自分のPCの中身をよく把握し、常に健全な状態に保つことだ。

Microsoftアカウント、ローカルアカウントのどちらを使うか

新しく購入したPCを始めて起動する時、ユーザー登録を行うことになる。Microsoftは基本的に「Microsoftアカウント」と呼ばれるアカウントでWindows 10にログインしPCを使うことを推奨している。Microsoftアカウントを持っているなら、最初の起動時にインターネットに接続した状態でこのアカウントを入力すればよい。Microsoftアカウントを持っていない場合は、その場でアカウントの新規作成を促される。必要なのはメールアドレスだ。特にこだわりがなければ、Microsoftアカウントを使ってWindows 10を使っておこう。

Microsoftアカウントと連動すると困るなどの理由がある場合は、そのPCだけで使えるローカルアカウントを使うことになる。インターネットに接続しない状態でPCの最初のセットアップを行ったり、セットアップ後にアカウントの設定を切り替えたりすることで、ローカルアカウントに変更することもできる。

したがって、作業前にどちらのアカウントでPCを使うのかを決めておこう。Microsoftアカウントを使う場合とローカルアカウントを使う場合とでWindows 10の挙動が違ってくるので、どちらで使うかを最初に決めて覚えておこう。

Windows Updateとベンダーアップデート

最初のセットアップが終わり、Windows 10にサインインしたら、まずは「Windows Update」を実行する。PCメーカや販売店によって異なるが、新規で購入してもWindows 10やアプリケーションのバージョンが古くなっていることがある。まずはアップデートをしよう。

Windowsアップデートは、設定アプリケーションを起動して「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」を押して実行する。アップデート対象が存在している場合は、そのままアップデートを行う。場合によってはシステムの再起動も必要だ。

Windows Updateを実行したら、もう一度「更新プログラムのチェック」を行って最新版になっていることを確認しよう。

PCによっては、そのPCメーカーが同梱したアップデートプログラムが含まれていることがある。この手のアップデートプログラムはBIOS、ファームウェア、ドライバといったWindows Updateでは更新されないソフトウェアのアップデートを行ってくれる。こうしたプログラムが提供されている場合は、使い出す前に一度アップデートを実行しておこう。

こうしたアップデートプログラムはリスクも伴う。説明書やマニュアル、またはアップデートプログラムから実行条件などの説明が行われていると思うので、そうした内容をよく読んだ上で作業を行う必要がある。

プレインストールアプリの調査とアンインストール

自分でWindows 10をインストールした場合を除き、ほとんどのケースでPCメーカーによってプレインストールされたアプリケーションが存在しているはずだ。それらはユーティリティアプリケーションであったり、サードパーティ製アプリケーションの体験版だったり、広告を目的とするアプリケーションだったりする。

新しいPCを手に入れた段階は、こうしたプレインストールされているアプリケーションを調査するよいタイミングだ。プレインストールされているアプリケーションが自分に必要なものなのかどうかを調べ、不要なアプリケーションはアンインストールしよう。

インストールされているアプリケーションは、設定アプリケーションから「アプリ」→「アプリと機能」を選択することで確認することができる。

上から順に各アプリケーションがどのようなものであるかをインターネットで調べ、不要な場合はアンインストールする。要不要がわからないアプリケーションはそのままにしておいたほうがよいだろう。ドライバやユーティリティアプリケーションの中には、PCが動作する上で必要なものがあるので、そうしたソフトウェアまでアンインストールしてしまってはいけない。

アンインストールするアプリケーションは、次のようなポイントで判断するとよいかと思う。

Microsoft Storeから再インストールが可能で、誤ってアンインストールしたとしても後から簡単に再インストールできるもの

体験版的なアプリケーションで、自分が使う予定がない

広告目的のアプリケーションで、自分が興味のないもの

心配な場合は、プレインストールされているアプリケーションの一覧を覚えておくとよい。スマートフォンなどで一覧を写真として取っておくのもよいだろう。

この作業には時間がかかると思うが、新しいPCを購入したら最初にやっておきたい作業だ。アンインストール自体は行わなくてもよいのだが、プレインストールされているソフトウェアがどのようなものであるかは、最初にまとめて調べておこう。

数年間使っていくと、いずれかのタイミングでプロセッサが100%消費の状態が続くとか、ストレージが足りなくなるとか、バッテリーの減りが急激に早くなるとか、何らかの問題に遭遇することもあるだろう。その原因を突き止めるには、PCの中身をよく把握しておく必要がある。調査を行う段階で目的の不明なアプリケーションがあると、それだけで複雑さが増してしまうのだ。PCを購入した段階で、プレインストールアプリの調査を行い、その動作を把握しておこう。

こうした調査は、購入したPCのポテンシャルを発揮する上でも重要だ。プレインストールされているユーティリティを活用することで本来の性能を発揮できるものもあるからだ。最初にプレインストールされているアプリケーションを調査し、どのユーティリティが必須なのかも把握しておこう。

周辺機器の接続とセットアップ

周辺機器を利用するなら、この段階でセットアップを行おう。そのデバイスに必要となるドライバやユーティリティアプリケーションをインストールして設定を行う。

周辺機器のファームウェアアップデートが行える場合には、このタイミングでアップデートを行っておこう。

オプション:ダークテーマと夜間モード

ここから先はオプション的な作業だ。PCを新しくしたタイミングで検討してみるのもよいかな、といったくらいのものだ。試したことがないのであれば、このタイミングで一度試してみるとよいかもしれない。

最近は、白基調のカラーテーマではなく、黒基調のカラーテーマが使われるケースも増えている。白基調の画面を明るすぎると感じたり、できるだけノートPCのバッテリーの持ちをよくしたりしたい場合などに選択されるテーマだ。Windows 10では、設定アプリケーションから「個人用設定」→「色」→「色を選択する」を「ライト」から「ダーク」に変更することでダークテーマに変更することができる。

ダークテーマは本当に黒基調になるので、逆に見にくいという人もいるはずなので、好みに合わせて選択してもらえればと思う。

もうひとつは「夜間モード」だ。もし、自宅など夜を過ごす場所の電灯が暖色系の色になっているのであれば、「夜間モード」を有効にしておくのはありだ。夜間モードを有効にしておくと、夜になると表示が暖色系へ切り替わるようになる。

夜間モードは、設定アプリケーションから「システム」→「ディスプレイ」→「夜間モード」を「オフ」から「オン」に変更することで有効化できる。

夜間モードを有効にしておくと、夜間の画面表示は昼間と異なる。夜にPCを使う状況によっては、逆に不自然な色になるはずだ。この機能を試してみて、不自然さや気持ち悪さを感じたら元に戻そう。

オプション:「Ctrl」キーを考える

新しく購入したPCで「Ctrl」キーが押しにくい場所にあると感じたら、押しやすい他のキーを「Ctrl」キーに置き換えるのもひとつの手だ。Windows 10では「Ctrl」キーはショートカットキーを使う際に欠かすことができない。「Ctrl」キーが押しやすい場所にあると、ショートカットキーを活用しやすいのだ。

「Ctrl」キーの押し方はたぶんに好みや慣れの問題もあるので難しいが、「A」の左に配置するというのはひとつの手だ。詳細は「Windows 10で「CapsLock」と「Ctrl」を入れ替える方法【PowerToys編】」で説明しているので、興味がある場合は参考にしてもらえればと思う(参考記事ではMicrosoftが開発しているPowerToysを使う方法を取り上げているが、このツールではキーの割当がうまく行かない環境もあるようなので、その場合はPowerToysの新しいバージョンを待つか、別の方法を使う必要がある)。

でも、無理は禁物

ここで取り上げた方法は、ある程度Windows 10を使ってきたユーザー向けのものだ。「書いてある内容がよくわからない」「アンインストールしたアプリケーションを元に戻す方法がわからない」といった場合は、ここでまとめた方法は取らないほうがよいと思う。問題が出る可能性もある。

大切なのは、自分のPCの中身をよく把握することだ。どのようなアプリケーションがインストールされており、それがどう機能するのかを把握しておきたい。最初にこうした作業を行うことは面倒であり、時間もかかる。しかし、中身が把握できるとPCの活用の仕方もまた違ってくると思う。