AppleがAirTagのプライバシー改善を発表、Android向けにも専用アプリをリリース

Appleは純正の落とし物トラッカーである「AirTag」のプライバシーを改善するためのアップデートを計画していることが明らかになりました。AppleはAirTagを紛失した際にアラートを鳴らすのにかかる時間を調整しており、2021年後半にはAirTagを検出するAndroidアプリのリリースも計画しています。

CNETの報道によると、Appleは現地時間の2021年6月3日にAirTagのファームウェアアップデートをリリースしました。ファームウェアはAirTagが接続されたiPhoneの範囲内に存在する際に、自動的に更新されます。

今回のファームウェアアップデートにより、AirTagがユーザーから離れた場合、8時間あるいは24時間が経過する度にランダムにアラームが再生されるようになります。なお、これまではAirTagが所有者の手元を離れてから3日以上が経過しなければ、アラームは再生されませんでした。

AirTagはiPhoneだけでなくAndroid端末でも検出可能で、専用アプリなどがなくても、AndroidのNFC領域にAirTagを近づけることでウェブページ上から持ち主の情報にアクセスできるようになります。しかし、AppleはAndroid端末からもAirTagおよび「Find My」ネットワーク対応端末を検出できるようにするために、Android専用アプリを開発していることも明かしました。なお、Androidアプリは2021年後半にリリースされる予定。

紛失した「AirTag」はNFC対応のiPhoneだけでなくAndroidでも読み取ることが可能 - GIGAZINE

なお、AppleはAirTagのファームウェアアップデートについて「不要な追跡を阻止する業界初の積極的な機能が含まれています」と声明を出しています。さらに、AirTagにおけるプライバシーとセキュリティを改善するための継続的な取り組みを行っていく、とAppleは説明しました。

Android向けアプリはあくまでもFind My対応端末を検出するためのものであるため、Apple関連メディアの9to5Macは「AndroidユーザーがAirTagを使えるようになるというわけではないように思えます」と述べています。

今回のAirTagにおけるファームウェアアップデートは、ワシントン・ポストなどが「AirTagを使えば簡単にストーキングできる」と報じた後にリリースされています。なお、ワシントン・ポストは「AirTagは所有者から離れて3日が経過したのちにアラームが鳴り始めるため、日常的に会う機会のある虐待的なパートナーが恋人の荷物にAirTagを忍ばせた場合、アラームがならずストーキングを継続できてしまう」と指摘していました。そのため、所有者の手元から離れたAirTagがアラームを鳴らすまでの時間が大幅に短くなったものと思われます。