Appleが「iPhoneの耐水性能を誇張している」として訴えられる

2016年に登場したiPhone 7以降のiPhoneは、IP67等級(深さ1メートルまで、最長30分間)からIP68等級(深さ6メートルまで、最長30分間)の耐水性能を有しており、水の中に落としてしまったiPhoneが数カ月後に発見され、無事動作するというケースもたびたび報告されています。しかし、Appleがアメリカのニューヨークで「iPhoneは耐水性能を誇張している」として、集団訴訟に直面したことが明らかになりました。

多くのスマートフォンメーカーと同様に、AppleはiPhoneの防沫・耐水・防塵性能をアピールしており、新しい端末ほど高い耐水性能を有するように進化しています。しかし、2021年4月24日(土)にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所で提起された集団訴訟では、「Appleがハードウェアの耐水性能を誇張している」と批判されています。

原告であるアントワネット・スミス氏は、「同様の立場にあるほかのすべての人に代わって」集団訴訟を提起したと主張。

2016年に登場したiPhone 7はIEC規格60529に基づくIP67等級(深さ1メートルまで、最長30分間)、2019年に登場したiPhone 11 Pro/11 Pro MaxはIEC規格60529に基づくIP68等級(深さ4メートルまで、最長30分間)、iPhone 12シリーズはIEC規格60529に基づくIP68等級(深さ6メートルまで、最長30分間)の耐水性能を有しているとされています。

こういった表記が「不十分なものである」とスミス氏は主張しました。具体的には、iPhoneの耐水性能は純水を用いた研究室内でのテストに基づいたものであるため、海水やプールの水でiPhoneが濡れてしまった場合、故障につながりやすい点を指摘。さらに、耐水性能を有しているにもかかわらず、水に濡れた端末は、Appleから保証を拒否されるケースがある点も不満であるとスミス氏は述べています。

iPhoneおよびiPodの液体による損傷は補償対象外であることはAppleの公式サイト上にも明記されており、iPhoneやiPodにコーヒーや清涼飲料水をこぼして損傷してしまった場合、Apple製品1年限定保証の対象にはならないと記されています。

iPhone や iPod の液体による損傷は保証対象外 - Apple サポート

なお、2006年以降に製造されたiPhoneおよび大半のiPodには、水または水を含む液体と接触したかどうかを示す液体浸入インジケータ(LCI)が本体に内蔵されており、これをチェックすることで液体が浸透したか否かを判断できます。