ソニーモバイル、5G対応スマホ「Xperia 5 II」発表

ソニーモバイルコミュニケーションズは9月17日、5G対応スマートフォン新モデル「Xperia 5 II」を発表した。2019年秋に登場した「Xperia 5」の後継モデルであり、従来同様にフラッグシップレンジのスマートフォンとして位置付けられている。日本を含むワールドワイドで2020年秋以降の発売を予定しており、価格は米国が約950ドル、欧州が899ユーロ。

Xperia 5 IIは、現行Xperiaの最上位モデルである「Xperia 1 II」に搭載されている機能の多くをコンパクトな筐体に凝縮したモデルとなっている。サイズは68×158×8.0mm(幅×奥行き×高さ)と、Xperia 1 II(72×166×7.9mm)よりひとまわり小さくなっている。また、従来モデルのXperia 5(68×158×8.2mm)と比べても、フットプリントは同じで厚みが0.2mm薄くなっており、コンパクトさがさらに突き詰められている。重量は163g。

デザインはXperia 5やXperia 1 IIを踏襲しており、金属フレームとガラスを組み合わせたシンプルな筐体となっている。ディスプレイ面および背面のガラスには米国Corning製強化ガラスのGorilla Glassを採用。カラーはピンク、ブルー、グレー、ブラックの4色。

ディスプレイは、アスペクト比21:9、表示解像度1,080×2,520ドット、HDR表示をサポートする6.1型有機ELパネルを採用。ソニーのTV「BRAVIA」で培われた高画質化技術「X1 for mobile」による高画質表示に加え、BT.2020の色域、10bit信号に対応し、映像制作者の意図を忠実に再現する画作りを堪能できる「クリエイターモード」も従来モデル同様にサポートしており、映像コンテンツも本来の画質で楽しめる。

その上でXperia 5 IIのディスプレイでは最大120Hzの高リフレッシュレート表示に対応するとともに、フレーム間に黒画像を差し込むことで擬似的に240hz相当の残像低減表示が可能。高速に移動を繰り返すゲームの映像もくっきり表示される。実際のゲームでは、Call of Duty:MobileがXperia 5 IIではじめて120Hz表示に対応するという。

また、タッチパネルのタッチスキャンレートが240Hzに高められており、従来モデルと比べてタッチレスポンスが35%向上するとともに、リフレッシュレートやタッチレスポンスの調整、タッチエリアの最適化といったカスタマイズが行える「ゲームエンハンサー」の用意によって、自分に合わせたゲームプレイ環境を構築できる。

快適なゲームプレイに欠かせない本体の発熱対策も強化され、従来モデルにはなかった熱拡散用のグラファイトシートを本体内に配置することでプロセッサの熱を効率良く拡散。さらに、ACアダプタを接続し給電しながらのゲームプレイ時などに、バッテリの充電を行なわずシステムに直接電力を供給することで発熱を抑える「HSパワーコントロール」機能も搭載する。

オーディオ面は、Xperia 1 IIとほぼ同等の高音質フロントステレオスピーカーを搭載するとともに、3.5mmオーディオジャックを標準搭載。オーディオジャックはハイレゾ対応で、従来のUSB Type-Cオーディオアダプタと比べて左右のクロストークを10分の1に低減。ソニー・ミュージックエンターテインメントとの協業による独自チューニングによって、高音質サウンドが楽しめる。さらに、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントとの協業によるDolby Atmosの独自チューニングも施されており、音の定位感や立体感の再現性を強化している。

背面カメラは、Xperia 1 IIの背面カメラからToFセンサーを省いた3眼仕様のカメラを搭載。レンズや撮像素子の仕様はXperia 1 IIと同じで、16mm/F2.2レンズ、1/2.6型1,200万画素の超広角カメラ、24mm/F1.7光学手ブレ補正レンズ、1/1.7型1,200万画素の広角カメラ、70mm/F2.4光学手ブレ補正レンズ、1/3.4型1,200万画素の望遠カメラとなる。

レンズはいずれもZEISSレンズでZEISS T*コーティングが施され、すべてのカメラで人や動物に対応するリアルタイム瞳AFが利用可能な点、AF/AE追従での最高20コマ/秒の高速連写に対応する点などもXperia 1 II同等だ。

動画撮影機能もXperia 1 IIとほぼ同等だが、Xperia 5 IIでは世界初となる4K HDRでの120コマ/秒のスローモーション撮影を新たにサポート。24コマ/秒の動画撮影時に5倍スローモーション撮影が可能となっている。このほか、RAWまたはRAW+JPEG撮影に対応するとともに、Photography ProやCinema Proも搭載している。

前面カメラは800万画素カメラで、こちらもXperia 1 IIと同仕様となる。

Xperia 5 IIのおもな仕様は下にまとめたとおり。SoCはSnapdragon 865を採用し、RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBまたは256GB。5G通信はSub 6のみサポート。SIMソケットはnano SIMを2枚装着でき、いずれも5G通信対応となるが、5G通信は一方のSIMのみとなる。また、一方はmicroSDカードとの排他利用となる。無線LANはIEEE 802.11ax準拠。防水防塵仕様はIP65/68準拠となる。

バッテリ容量は4,000mAhと、従来モデルより本体を薄型化しつつ大容量化を実現し、バッテリ持ちを従来モデルから20%向上。これは、本体内のPCB基板を2階建て構造とすることで基板実装面積を削減するとともに、側面フレームの薄型化や薄型ボタンの採用などにより実現している。

また、独自の充電最適化技術やいたわり充電機能といったバッテリの長寿命化技術も引き続き搭載するが、充電を容量の80%または90%(いずれかを選択可能)で止める「常時モード」を新たに用意している。加えて、30分で容量の50%を充電できる急速充電にも対応している。

外部ポートは、下部側面にUSB Type-Cポート、左側面にSIMカードトレイに加えて、先に紹介した3.5mmオーディオジャックを上部側面に用意している。物理ボタンは右側面に集約しており、上からボリュームボタン、指紋認証センサー一体型の電源ボタン、Googleアシスタントボタン、カメラのシャッターボタンが並ぶ。このうちGoogleアシスタントボタンは初搭載となり、ボタンを長押しすることでGoogleアシスタントを起動できる。なおGoogleアシスタントボタンに他のアプリ呼び出しなどを割り当てることはできない。

このほか、AndroidスマートフォンやiOS端末から、有線またはワイヤレスで写真や動画、音楽、通話履歴、SMS/MMS、電話帳、カレンダーなどのデータ簡単に転送できるデータ移行機能も用意される。

純正アクセサリとしては、スタンド付きカバー「Style Cover with Stand」が用意される。

なお、Xperia 5 IIは日本での発売も予定しているが、発売時期や価格は未定だ。