気付いたら虫も鳥も動物も、みんなロボットになっているかもしれない:『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』ガジェット解説

生物は究極のガジェット。

作中のガジェット考案やテクノロジー監修など、ギズモードがガジェットコーディネートしているTVアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』。ゆるかった第4話とは対照的に、第5話は緊張の展開が続くサスペンス回でした。

大使館で死体が見つかり、そこにゲストとして居合わせていた主人公=大助は緊急時に立て篭もるための部屋=パニックルームに誘導されて監禁状態に。一方、相棒の加藤は大使館外で犯人らしき人物を見つけ追いかけますが、チェイスのすえに自害されてしまいます。そしてパニックルーム内で毒ガス装置が見つかるも、近隣一帯のあらゆる通信が妨害されていて連絡が取れず、AI執事のヒュスクも肝心な問いに応えてくれません。ピンチです。

しかし、そんな状況でも冷静な行動を取れるのが大助。

パニックルームに入室する前に念のため放っていた小型のロボット=サーブバグを使い、大使館で起きている事件の把握に努めます。監視システムの中枢に忍び込んだサーブバグを介して犯人の行動履歴を調べる大助。今回のガジェット解説では、このサーブバグをご紹介します。

どういう経緯で誕生し、どんなロボットなのか。進化するロボットの先にある究極の問いも考えてみますよ!

『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』は毎週木曜24時55分からフジテレビ“ノイタミナ”ほか各局にて放送中。各放送・配信情報などはこちら。

ブーンと飛ぶ「ダンゴムシのようなもの」

2019年の5月〜6月頃でしょうか。シナリオと脚本の内容を決める「本読み」に参加していたギズは、第5話の脚本をみている時に気づきました。なんかものすごくガジェット愛を刺激することが書いてあるぞ、と。

大助の靴からコロコロとダンゴムシのようなものが転がり出て ……ブーンとどこかに飛んでいく

なんて書かれているぞ! と!

もちろん、これにはダンゴムシのような=丸い小型のロボットがプロット的に必要だったという背景があります。通信妨害が発生しているなか、パニックルームに監禁されてしまった大助……。そんな状況下でも彼が情報を集められるよう、大助の手先となる小型ロボットが必要だったわけです。

そして生まれたのが大助の靴底から転がり出る丸いロボットというコンセプトで、あとはどういう姿形にするか、どういう仕組みにするか……。それはもうガジェットコーディネートとして意気込んで取り掛かりました。差し当たってクリアしなければならない条件は以下です:

1. 小さくて丸くなる2. 静かに自由に飛べる3. 通信の傍受などができる=ツールを装備

ここからは連想ゲームで要素を決めました。

1. 丸くなる→アルマジロの防御体勢2. 静かに飛ぶ→トンボの4枚羽3. 傍受できるツールがある→サソリの尻尾

そしてこれらを混ぜて案として描いてみたのがこれで: