富士通 「親指シフトキーボード」販売終了

富士通は「親指シフトキーボード」およびその関連商品の個人向け販売を2020年9月に終了します。法人向け販売も2021年5月に終了します。

同社は、1980年5月の日本語ワードプロセッサ「OASYS100」発表以来40年間、親指シフトキーボードおよび日本語ワープロ・入力ソフト製品を提供していました。

販売終了の理由について富士通は『JIS配列キーボードがデファクトスタンダードとなり、親指シフトの機能優位性を十分に訴求できない状況が続いていました。これまで事業継続のため、業務効率化や商品の価格アップなどの施策を講じてきましたが、この度やむなく、親指シフト関連商品の販売・サポートの終了を決定いたしました』とコメントしています。

販売を終了する製品は下記の通りです。

打鍵数が抑えられる「親指シフト」

そもそも「親指シフトキーボード」は、一般的なローマ字入力より文字数あたりの打鍵数が少なく、指の負担を抑えての高速入力が行える「親指シフト入力」に最適化したキーボードです。独自の「親指キー」を搭載し、これと他のキーを同時に押すことで日本語を入力できます。

同じく打鍵数の少ない「かな入力」と比較しても、「ひらがな」を上下3段にまとめたことで、ホームポジションから手を移動させずに「ひらがな」を入力できるほか、濁音や半濁音も一回の打鍵で入力できるなどのメリットもあります。

富士通が挙げる「親指シフト」の利点

思いついた言葉の音(読み)を頭の中でローマ字に変換する必要がない。

同時打鍵方式の採用により、打鍵数が少なくて済む。

「ひらがな」を上下3段にまとめたことにより、ホームポジションから手を移動させずに「ひらがな」が入力できる。

濁音、半濁音も一回の打鍵(同時打鍵)で入力できる。

「英字モード」にすることなく、最上段の数字が入力できる(テンキーがない場合に大変便利です)。

なお、富士通以外のメーカーは現在も親指シフトキーボードの製造や販売を続けています。また、「親指シフト入力」に専用キーボードが必要だったのは過去の話。現在はソフトウェアでキーボード配列を変更できるため、JIS配列やUS配列のキーボードでも「親指シフト入力」を利用することは可能です。