第3の勢力になり得るかーー。Googleが内蔵されていないファーウェイの「Mate 30 Pro 5G」

ファーウェイは3月16日に、5G対応のSIMフリースマートフォン「Mate 30 Pro 5G」を発表した。

同モデルは、クアッドカメラを搭載したモデル。超広角が1/1.54インチ、広角が1/1.7インチとともにセンサーサイズが大きく、7680fpsでのウルトラスローモーション撮影や、ISO感度5万1200のウルトラ—ローライト感度に対応する。

価格は12万8800円だが、3月28日から100名限定で行う先行販売では、1万円が割り引かれる。

Googleアプリ非対応の「Mate 30 Pro 5G」

Mate 30 Pro 5Gは、OSにAndroidを採用したスマートフォンだが、大きな違いもある。ホーム画面を見るとわかるように、Googleのサービスが内蔵されていない。

Androidスマートフォンではどの端末にも設置されているGoogleの検索ウィジェットがないだけでなく、Gmail、Googleカレンダー、Googleフォト、Googleドライブなどのアプリも見当たらない。Android用のアプリストアであるGoogle Playにも非対応だ。

代わりに搭載されているのが、ファーウェイ自身が運営する「AppGallery」と呼ばれるアプリストアになる。

メールやカレンダーなどのアプリも、Googleアカウントでの同期はできないが、ファーウェイ自身が開発したものが内蔵される。Androidでありながら、Googleのサービスが利用できないというわけだ。

その理由は、Mate 30 Pro 5Gが、Googleのサービスを利用するために必要な「Google Mobile Service」(GMS)の認証を取得できないところにある。

独自開発のHMS(Huawei Mobile Service)

一般的なAndroidスマートフォンの場合、各メーカーが端末を開発し、OSにはオープンソースのAndroidを使用する。その上でGMSの認証を取得し、Googleの各種サービスやアプリを端末に内蔵する。

例えば折りたたみケータイのOSにAndroidを使っている場合、あえてGMSを取得しないで独自のアプリやサービスで固めることもある。POSレジなどにAndroidを使う場合も、同様だ。一方で、スマートフォンとして販売される端末が、GMSを取得していないことは非常に珍しい。

単に、Googleのサービスやアプリが利用できないだけではない。GMSには、サードパーティの開発するアプリが利用するためのAPI(Application Program Interface)が含まれる。一例を挙げると、あるアプリで位置情報を取得するとき、GMSの「Google Location Service」を呼び出す形で利用する。GMSが非対応になると、これらのAPIを利用したアプリも動作しなくなる。

そのため、ファーウェイは各種アプリやAPIを自社で開発したHMS(Huawei Mobile Service)を用意。Mate 30 Pro 5Gにも、このHMSが採用されている。HMSはGMSの代替となるもの。アプリの開発者がこれを組み込むことで、HMSを採用したファーウェイの端末で動作するようになる。そのアプリを配信するのが、先に挙げたAppGalleryになる。