ASUSも14型ノートで1kg切りのビジネスPCを投入 日本での発売は?

ASUSは1月6日(米国太平洋時間)、14型ノートPC「ASUS ExpertBook B9450」や「ASUS Chromebook Flip C436」を始めとする複数の新製品を発表した。

ASUSは「CES 2020」が開かれる米ラスベガス市内に、報道関係者やパートナー企業向けのプライベートブースを設置している。この記事では、同社がブースに展示した両機種の実機を写真と共にレポートする。

ExpertBook B9450:14型ノートPCで「世界最軽量」

1kgを大きく下回る軽量ノートPCといえば、日本のPCメーカーがしのぎを削っているジャンルであり、複数の製品を思い浮かべる人も多いだろう。

しかし台湾メーカーであるASUSも、着々とノートPCの軽量化を進めている。2019年9月にドイツのベルリンで開催された「IFA 2019」では、ビジネス向けの「ASUSPRO」ブランドから、最軽量構成で約880gとなる14型ノートPC「ASUSPRO B9」を発表している。

ExpertBook B9450は、これをベースとして開発されたようだ。

ExpertBook B9450の最大の特徴は、“軽さ”にある。標準バッテリー(33Wh)モデルでは約865g、大容量バッテリー(66Wh)モデルでは約995gと、いずれも1kgを切る。同社は「14型のビジネスノートPCとして世界最軽量」としている。

軽量化にあたっては、ボディーの素材を従来の「マグネシウム合金とアルミニウム合金の組み合わせから」から「マグネシウムリチウム合金」に変更。手に持ってみるとモックアップのように軽く感じるが、MIL規格(MIL-STD-810G)の定めた試験をパスするなど、丈夫さも確保ているという。

ビデオ会議など、ビジネスノートPCで必須の装備となりつつあるWebカメラには、スライド式のカバーを備えている。カメラを使わないときにテープやシールを貼って「目隠し」する人は意外と多いとされるが、テープ類を使わずとも物理的にふさげるので安心だ。

タッチパッドは、同社の一部ノートPCで採用例が増えているテンキー機能「NumberPad」も備えている。

ポート類も充実しており、左側面にはThunderbolt 3端子×2、HDMI出力端子、有線LAN端子(付属の変換アダプターが必要)を、右側面にはUSB 3.1 Type-A端子とオーディオコンボジャックを備えている。

ASUSによると、ExpertBook B9450の発売時期は2020年第1~第2四半期(1~6月)を想定しているという。価格は未定だ。

ここまで軽量化が進めば、日本メーカーの軽量ノートPCを検討している人にとっても有力な選択肢となり得る。日本での発売を期待したい。

Chromebook Flip C436:ハイスペックなプレミアムモデル

ASUSが展示した新製品の中で、ExpertBook B9450と並んで目を引いたのが、プレミアムクラスの14型Chromebook「ASUS Chromebook Flip C436」だ。

Chromebookは廉価なハードウェアでしっかり動作することもあり、これまでは低価格帯の製品が多かった。Chromebookが学校などで広く使われている米国の場合、家電量販店での売れ筋モデルはおおむね200~300ドル台で、中には100ドル台の製品もあるほどだ。

これに対して、同社が発表した新製品は、14nmプロセスの第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)、最大512GBのSSDや14型のフルHD(1920×1080ドット)狭額縁ディスプレイなどを搭載するハイスペックモデルだ。価格は未定だが、構成によっては1000ドル(約10万8000円)を超えても不思議ではないスペックといえる。

実際に操作してみると、Webブラウザ(Google Chrome)の動きが同等のスペックを持つWindowsノートPC以上に滑らかだ。高性能モデルを投入した背景として、同社は「HD画質のビデオ会議」や「YouTubeの4K動画再生」をする機会が増えてきたことを挙げている。

基本スペックだけでなく、ノートPCとしてのクオリティも高い。ボディーにマグネシウム合金を用いることで、厚さ約13.7mm、重さ約1.1kgを実現している。電源キーには指紋センサーを備え、サウンド回りはHarman/Kardonが手がけている。

ポート類は左側面にUSB 3.1 Type-C端子とオーディオコンボジャック、右側面にUSB 3.1 Type-C端子とmicroSDメモリーカードスロットを備えている。

ちなみに、このモデルはIntelが提唱する「Project Athena」に準拠する、初めてのChromebookの1つでもある。Project Athenaには当初からGoogleがパートナーに入っており、同プログラムに準拠したChromebookが登場する可能性は予想されていたが、いよいよそれが現実のものになった。

セキュアで管理しやすいChromebookのメリットは、教育現場だけでなく、Googleの企業・団体向けサービス「G Suite」を活用するビジネスの現場からも理解されつつある。日本で普及するかどうかは未知数だが、製品のバリエーションが増えたことは歓迎したい。