あの「キーボード奥にも画面」なノートがモバイルに。ASUSがZenBook DuoをCESで出展

台湾の大手PCメーカーASUS(エイスース)が、CES 2020で変則2画面ノートPC『ZenBook Duo』(UX481)を出展しました。既発売の高級ノートPC『ZenBook Pro Duo』の小型版的な位置づけの同機は、もともと2019年5月に発売時期、価格未定の形で予告されていたモデル。

今回公開された発売時期は「2020年第1四半期中」、価格はまだ未定です。

特徴は、変則的2画面のデザインをPro Duoから引き継ぎつつ、大幅に小型・軽量化を図った点。メイン14インチ+サブ12.6インチの2画面を搭載しつつ約1.5kgと、モバイルできそうな重さに収めています。Pro Duoが15.6インチ+14インチ画面で約2.5kgだったのと比較すると、規模感の違いがわかるはずです。

気になる本体サイズは約323×223×20mm、重量は約1.5kg。14インチのノートPCとしては若干厚めですが、底面積などはナローベゼル化が進む昨今にあっても十分に小さいと呼べるサイズ感。

また注目すべきはバッテリー容量で、かなり大きめの70Whを装備します。ただし公称バッテリー駆動時間などは未公開です。

2つの画面の詳細は、メイン側が14インチでフルHD(1920×1080)解像度の液晶。2画面目は12.6インチの液晶で、解像度1920×515という超横長デザインです。

なおPro Duoでは、メイン側が15.6インチの4K(3840×2160)有機EL。2画面目が14インチ液晶で、解像度は3840×1100という構成です。

両モデルとも、2画面目は「横画素数がメインと同一で、縦画素数はメインの半分程度」という仕様です。

またPro Duoでは、2画面目を手軽に活用するためのASUS独自アプリが導入されていますが、これは本機でも継承されています。

これにより、起動するアプリのセットと、画面レイアウトをプリセットしておける「タスクグループ」や、ワンタッチでの画面間ウィンドウ移動、2画面目の3分割ウィンドウ表示など、物理的な画面レイアウトに合わせたウィンドウのレイアウトが素早く設定できます。

本体の基本的なデザインも、Pro Duoを継承。昨今のノートPCでは珍しい、右側に寄ったタッチパッドや手前側に置かれたキーボードなどは、Pro Duoをそのまま小型化したかのような佇まいです。ただしタッチパッドのクリックボタンは独立した設計になっています(Pro Duoではテンキーとしても使えることもあり、一体型でした)。

さて、PCとしての基本的仕様は、CPUには第10世代のCore i7を搭載し(TDP値、およびComet LakeかIce Lakeかは不明)、単体GPUとしてNVIDIAの『GeForce MX 250』(ビデオメモリ2GB)が加わります。

RAMは最大16GB、ストレージは最大1TBのPCIe 3.0 x4接続SSDという、現在の高性能モバイルノートでの王道的な構成です。

拡張端子としては、10GbpsのUSB Type-C×1基、USB Type-A×2、フルサイズHDMIにマイクロSDカードスロットなどを備えます。

なお、Pro Duoは伊達に大きく重いわけではなく、CPUにはTDP45W版の『Core i9-9980HK』、GPUにはNVIDIAの『GeForce RTX 2060』、RAMは32GBと、高級ゲーミングPC並みの重装備となっています。このあたりはサイズ感に合わせた性能差といったところでしょう。

このように本モデルは、Pro Duoの特徴である「ノートPCとしてのサイズ感を保ったまま導入できる変則2画面」という点を崩さずに、14インチノート級へと本体を小型・軽量化したという魅力的な構成の製品。

キーボード側に2画面目を配置するという点からキーボードなどの操作感は独特なものとなりますが、これは当然ながらトレードオフ的なところでしょう。

Pro Duoではその豪華装備もあり、価格も直販で46万6500円(税別)と、おいそれと手が出せるものではありませんでした。しかし本機ではこのあたりも当然控えめになっているはず。

実際の価格によっては「重量的にも、価格的にも普通に使える2画面ノートPC」という美味しい製品となり得る、期待のモデルです。