Surface Duo/Neoの顔認証は精度アップ?MSが新型カメラの特許申請

10月にマイクロソフトは次世代Surface製品「Surface Neo」および「Surface Duo」を予告しました。前者は2つ折りデュアル画面のWindows 10 PC、後者はAndroid搭載の2画面折りたたみスマートフォンですが、搭載されるカメラの詳細には言及されませんでした。

これら2つの折りたたみデバイス向けに、MSが「深度およびマルチスペクトル」カメラの開発に取り組んでいる可能性を窺わせる特許が公開されました。この技術により、アップル製品のFace IDに使われるTrueDepthカメラよりも精度の高い顔認証が実現するかもしれません。

MS製品情報サイトWindows Latestは、昨年5月にWIPO(世界知的所有権機構)に申請され、先週公開された「深度およびマルチスペクトルカメラを使用したオブジェクト認識」なる特許を報告しています。

マルチスペクトル技術とは人の目で見える可視光線ばかりでなく、紫外線や赤外線、遠赤外線といった不可視な電磁波もデジタル画像化するものです。軍がターゲットの追跡や地雷の探索、ミサイルの迎撃に用いているほか、歴史的な文書や芸術作品の検証、天気予報の支援にも活用されています。

さて特許文書では、マルチスペクトル画像に(立体的な)深度を加えた画像を出力するカメラが説明されています。そうした画像を、次にオブジェクト認識マシンが処理することに。画像の認識には畳み込みニューラルネットワーク(画像や動画認識に広く用いられているモデル。一部が見えにくくなっている画像でも解析できる)が使われ、顔やオブジェクトが判別される流れです。

たとえば顔であれば、目や鼻に唇など顔の特徴を含んだ2Dの視覚的な特徴が認識できるほか、額やアゴなどの立体的な特徴も認識されるとのことです。さらには目の色やそばかすのような顕著な目印も捉えることができ、顔認証システムで優れた性能が発揮できるというわけです。

特許を申請したからといっても、それが必ずしも製品化されるわけではありません。MSやアップルなどのIT大手各社は毎週のように特許を申請ないし取得しており、そのうち実用化に至るものはごく一部に限られています。

とはいえ、SurfaceシリーズにはWindows Helloの顔認証搭載が恒例となっていることに加えて、MSはWindows 10でのパスワードレス化を推進しています。完全なパスワードレス化のためには顔認証の精度を上げる必要があると思われ、Surface NeoおよびSurface Duoで採用される可能性も低くはなさそうです。