ビジネスメールがさらに安全&快適になる5つのGmail上級テクニック

仕事やプライベートでGmailを使っている人は多いだろう。Gmailの機能は豊富すぎて、なかなか全部を使いこなすことは難しい。とは言え、単にメールを受信して返信するだけではもったいない。ちょっと面倒だなとか、少し気になるという所でも、これまでは手動でなんとか対応していたかもしれない。しかし、Gmailの設定を操作するだけで解消することも多いのだ。そこで今回は、ビジネスシーンで役立つGmailの上級テクニックを紹介する。ぜひ、Gmailをさらに安全&快適に使いこなしてほしい。

【Gmailの上級テクニック その1】
マナーにうるさい人のために日時指定をしてメールを送る

筆者は、休日だろうが深夜だろうが、要件があるならメールを送ってしまう。先方の都合がよいときに見て返事してくれればいいからだ。しかし、メールは昼間に送るべし、と考えている人たちが一定数存在する。デジタルリテラシーがないためだと思っていたら、最近仕事ができる人の中にもそのように考えている人が存在することが判明。筆者は自営業なので、仰せのままにするしかない。

しかし、送りたいタイミングで送れないのはストレスだし、後で送信し忘れるということもありえる。そこで活用したいのが予約送信機能だ。指定日時でGmailが勝手に送信してくれるので、忘れずに済む。

【Gmailの上級テクニック その2】
受信トレイに特定の条件で絞り込んだメールも常時表示する

Gmailではメールにさまざまなラベルを付けて細かく分類できる。左側のメニューをクリックすることで、メールを絞り込み表示できるが、そのワンアクションも塵も積もれば面倒な手間となる。スターを付けたメールをToDoリスト代わりに使っていたり、特定のキーワードを見逃さずにチェックしたり、気になる相手からのメールはすぐ返信したいといったニーズがあるなら「マルチ受信トレイ」を利用しよう。

これは受信トレイの上や右側に特定の抽出条件を設定した別の受信トレイを設置できる機能だ。スター付や特定の相手から来たメールを絞り込んで表示できるので、クリック操作なしに必要なメールを把握できるのが便利。

歯車アイコンをクリックして、設定画面の「詳細設定」タブを開き、「マルチ受信トレイ」の「有効にする」をクリック。「変更を保存」をクリックすると、設定画面に「マルチ受信トレイ」タブが表示される。

「マルチ受信トレイの設定」の「検索キーワード」に条件となる検索演算子を入力すればいい。たとえば、スター付のメールは「is:starred」、特定の送信者から来たメールは「from:送信者のメアド」といった演算子を使って抽出する。

マルチ受信トレイを設定したのに表示されない場合は、メールカテゴリのタブが表示されている可能性がある。「設定」ボタンから「受信トレイを設定」をクリックし、「メイン」タブ以外を非表示にすればいい。

利用できる検索演算子の例

送信者を指定する from:

受信者を指定する to:

Ccの受信者を指定する cc:

Bccの受信者を指定する bcc:

件名に含まれる単語を指定する subject:

指定したラベルのメールを検索する label:

添付ファイルのあるメールを検索する has:attachment

重要マークが付いたメールを検索する is:important

スター付きのメールを検索する is:starred

スヌーズ中のメールを検索する is:snoozed

未読、既読のメールを検索する is:unread/is:read

指定した期間に送信されたメールを検索する after:/before:/older:/newer:

指定したサイズより大きいまたは小さいメールを検索する larger:/smaller:

ラベルが付いているメールを検索する has:userlabels

ラベルが付いていないメールを検索する has:nouserlabels

【Gmailの上級テクニック その3】
漏洩を防ぐために機密情報は「情報保護モード」で送信する

重要な情報を送信するときは、「情報保護モード」を利用すると安心だ。受信者はGmail上でのメールの転送やコピー、印刷、ダウンロードなどができなくなる。

Gmailのメール送信画面から「情報保護モード」アイコンをクリックすると、設定画面が開く。メールの有効期限とパスコードの送信方法を選び、「保存」をクリックすればいい。メールを作成したら送信しよう。

受信側がGmailのウェブページもしくはGmailアプリを利用しているなら、そのまま表示される。他のメールクライアントアプリを利用している場合は、「メールを表示」のリンクをクリックして、Gmailアカウントでログインする必要がある。

送信時に「SMSパスコード」を指定した場合、URLを開くと「パスコードを送信」画面が開く。送信ユーザーが入力した電話番号にパスコードを送り、入力することでメールを表示できるようになる。

通常の操作でメールの内容を漏洩することはできなくなるが、スクリーンショットを撮ることは可能なので、相手に悪意がある場合は漏洩を防ぎ切れないということは覚えておこう。

【Gmailの上級テクニック その4】
他のメールアドレスも同時に管理できる「Gmailify」機能を使う

Gmail以外のメールアドレスでもGmailの機能を利用することができる。Yahoo、AOL、Outlook、Hotmailなどのアカウントが対象で、たとえばサーバーを自分でレンタルして使っている独自ドメインなどでは利用できない。

対応アカウントをGmailに追加したうえ、「Gmailify」にリンクさせると、メールを送受信できるだけでなく、迷惑メール対策機能やメールの自動並べ替え、柔軟な検索機能、モバイル端末でのメール通知機能などを利用できるようになる。

まずは設定画面の「アカウントとインポート」タブから「メールアカウントを追加する」をクリック。メールアドレスを入力すると、追加方法を選ぶ画面が開く。ここで「Gmailifyでアカウントをリンクする」にチェックして、「次へ」をクリックすればいい。入力したメールアドレスが対応していない場合は、グレーアウトして選択できない。その場合は、POP3メールとして普通に受信することになる。

メールを送信する際は、プルダウンメニューで送信元を選択できるので、Gmailだけで複数のメールを管理できるようになる。受信トレイに混在してしまうのが嫌なら、フィルタ機能で宛先を条件にして、ラベルを作成すればいい。

【Gmailの上級テクニック その5】
かゆいところに手が届く! ニーズにはまれば最高なイチオシ設定

ビジネスでメールをやりとりする場合、同報やCCに他の人が追加されたメールが届くことも多い。そんな時は、通常「全員に返信」を選択して返信する。話題が変わって、特定の相手との会話になってしまったら、通常返信で1人だけに返事すればいい。筆者の場合は、基本的に全員に返信を利用している。

PCで利用しているメールアプリでは、同報やCCに設定されているのか確認するのが面倒なので、常に「全員返信」ボタンを押して返信している。Gmailの場合は、「・・・」メニューを開いて切り替えなければいけないので面倒だ。

もし、全員に返信することが多いなら、標準設定を変更してしまうのも手だ。設定の「全般」タブを開き、「返信時のデフォルトの動作」で「全員に返信」を選べばいい。すべての返信が全員に返信されるので手間がかからない。

通常の返信をする場合は、これまでと同様「・・・」メニューを開いて「返信」に切り替えればいい。

仕事でメールを使う場合、作業の効率化やミス防止のために、処理したメールはどんどんアーカイブしていくのが基本。アーカイブしたメールは受信トレイからは消えるので、対処すべきメールだけが残るようになる。帰宅するときにはゼロになっているのが理想だ。もちろん、メールは削除されているわけではなく、「すべてのメール」や各ラベルには残っているし、検索もできる。

メールに返信した後、「アーカイブ」アイコンをクリックすればアーカイブに移動し、受信トレイから消える。毎回この作業をするのが面倒なら、操作を自動化できる。

設定の「全般」タブで、「返信に[送信&アーカイブ]ボタンを表示するにチェックし、「変更を保存」をクリックする。すると、返信メールの作成画面に「送信と」というボタンが現れる。これは「送信&アーカイブ」のこと。クリックすると、メールが送信され、元のメッセージが自動的にアーカイブされるようになる。

もちろん、普通の「送信」ボタンも残っているので、タスクが残っている場合はこちらを利用すればいい。

以上が仕事に役立つ、Gmailの上級テクニックとなる。Gmailには、標準で無効になっていたり、ボタンやメニューが隠れていたりしてわかりにくいが、便利な機能がたくさんある。使いこなせば、業務効率もその分アップするので、気になる機能があったらぜひチャレンジしてほしい。