JDI、265ppiで超高輝度表示を実現するマイクロLEDディスプレイ

株式会社ジャパンディスプレイは、マイクロLEDディスプレイの開発試作の成功を発表した。

マイクロLEDは、液晶ディスプレイに不可欠なバックライト、偏光板およびカラーフィルタが不要で、高輝度/広視野角が特徴の次世代ディスプレイの有力候補とされている。

すでにソニーが「Crystal LED」としてサイネージ用途など向けに大型高精細LEDディスプレイを商品化しているが、一般家庭用TVや卓上設置のディスプレイなどに活用可能なppiのものはこれまで登場していなかった。

試作品は1.6型300×300ドット(265dpi)のディスプレイで、輝度は3,000cd/平方m、視野角は178度以上。JDIのLTPSバックプレーン技術を適用することで、高輝度/広視野角のマイクロLEDディスプレイを実現したとする。

なお42型8Kの場合で210ppi、17.3型4Kで255ppi、13.3型WQHDで221ppi程度になるため、次世代TVだけでなく、モバイルノートなどでの活用も見込まれる。

試作品では、GaNベースのRGBマイクロLED(世界唯一の赤色GaNマイクロLEDを含む)、高速かつウェハからのダイレクトトランスファー技術などの特許を保有する、米シリコンバレーの新興企業gloのマイクロLEDチップが採用されている。

12月4日~6日に幕張メッセで開催される「ファインテック ジャパン2019」に参考出展される。

加えてJDIは、12.3型1,440×540ドット(125dpi)の透明液晶ディスプレイも開発。同技術を用いた製品を2020年度より量産開始する。

同社は2017年にカラーフィルターと偏光板を取り除いた4型透明液晶ディスプレイを発表しており、大型化と表示性能の改善を行なってきた。今回開発された製品は、直視型カラーディスプレイとしては世界トップクラスの透過率87%(非表示時)を実現し、ディスプレイ非表示時には設置環境に溶け込み、表示時は表示情報とともにディスプレイ越しに実体物を観ることが可能。

最大表示色は4,096色で、こちらも「ファインテック ジャパン2019」に出展される。