ついに登場 1億画素カメラスマホ! スマホカメラはどこまで進化するのか

スマホのカメラ画質は年々高まっており、今では4800万画素クラスのカメラも当たり前になってきている。数年前に1000万画素を超えたときは大きく騒がれたが、いまやカメラの画素数だけで大きな話題になることも少なくなった。

ところが中国のシャオミが発表した「Mi Note10」は、いままでのスマホカメラの常識を打ち破る「1億画素」のカメラを搭載し、業界でも注目を集めている。

驚くことに、この1億画素カメラはスマホカメラで圧倒的なシェアと高性能を誇るソニー製ではなく、サムスン製のセンサーを採用しているという。

サムスンは主に、メインカメラではなく、望遠などのサブカメラ向けのセンサーを供給しており、実は多くのスマートフォンメーカーも、メインカメラ用のソニー製と同時に採用しているのだ。

では1億画素のカメラはどれほどの実力があるのだろうか?

Mi Note 10で写真を撮影すると、縦横の画素(ピクセル数)は12032x9024となる。

つまり写真を拡大するとそれだけ多いドットで写真が表現されているというわけだ。これに対して4200万画素のカメラなら、だいたい7950x5300なので情報量は1.5倍 - 2倍となる。つまりそれだけ美しい写真が撮影できるというわけだ。

なお画質は画素数だけではなく、光を受けるセンサーのサイズも影響する。

同じ画素数でも、センサーが大きいほど多くの光を捉えることができる。

Mi Note 10のセンサーサイズは1/1.33インチ。iPhone 11 Pro Maxの1.25インチと比較しても大きい。

ということでMi Note 10のカメラは、名前だけの「1億画素」ではなく、十分高画質な絵が撮れると期待されている。

実際に1億画素で撮影した写真を見てみると、細かいところまで映り込んでいる。

ほかのスマートフォンのカメラと比較しても十分に美しい絵が撮れていることがわかる。

また写真を拡大した際は、より細かいところまで描写できている。

スマートフォンの写真は美しければ、美しいほど、楽しさも増す。

では1億画素カメラは今後主流になるのだろうか?

それはおそらくYes、だろう。

たとえばファーウェイが開発した最新のCPU「Kriin 990」はカメラで顔を写すだけで皮膚の表面の血流を読み取り心拍数を測定できる。つまりスマートフォンのカメラはもはや写真を撮影するだけではなく、センサーとしても使われようとしている。

ただMi Note 10で1億画素の写真を撮影してみると、実は普通のスマホのカメラのようには使えないこともわかる。

1億画素カメラ撮影には2つの欠点があるからだ。

・撮影後、保存までに数秒時間がかかる

・撮影した写真のファイルサイズが大きい

1番目の問題は、やはり1億画素の写真の処理に時間がかかることである。

これはMi Note 10がハイエンドのCPUではなく、1つ下のCPUを搭載していることも影響していると思われる。

それだけに、この問題は、高速CPUの搭載やCPUの進化でクリアできそうだ。

2つ目の問題は1億画素の写真が1枚あたり15MB前後もの大きさになることだ。

たとえば内蔵メモリが64GBのスマートフォンであれば、1日10枚程度の写真を撮り続けていると、1年以内にメモリが一杯になり、空き容量が足りなくなってしまうかもしれない。

つまり、現在より大容量のメモリ(ストレージ)が必要になる。

またメモリ自体もUFS3.0のような高速書き込みが可能なタイプのものが必要になるだろう。

このように1億画素カメラのスマホが当たり前になるためには、

・高速CPU

・大容量メモリ

・高速アクセスメモリ

こうしたハードウエアも必須となる。

現在、こうしたハイスペックを搭載すれば、スマートフォン価格は高騰するのは間違いない。

しかし数年もすれば、当たり前になるのは過去の歴史を見れば明らかだ。

現状ではまだ実用性の点で難点もあるスマートフォンの1億画素カメラだが、画質の良さは伊達ではない。スマートフォンのカメラ画質が「千万画素」の単位から「億画素」の時代になるのはそう遠い先の話ではないだろう。