Intelが古いマザーボードのBIOSやドライバーの提供を2019年11月22日で終了

Intelが、1990年代から2000年代にかけてリリースされたマザーボード向けのBIOSやドライバーの提供およびサポートを、2019年11月22日に終了することを告知しました。BIOSの提供終了は、古いマシンを使い続けている中小企業や一部のユーザーに大きな影響を与えると報じられています。

海外のPCユーザーが集まる掲示板のVOGONSで、IntelのデスクトップPC向けマザーボードD865PERLのBIOSをダウンロードしようとしたユーザーから、IntelのBIOS配布ページに「サポート終了-このダウンロード、BIOSアップデート[RL86510A .86 A]P21は、2019年11月22日以降は提供されなくなり、機能、セキュリティ、その他のアップデートはサポートされなくなります。すべてのバージョンがそのまま提供されます。インテルでは、BIOSアップデート[RL86510A .86 A]P21をご利用の場合、できるだけ早くアンインストール、または使用を中止することをお勧めします」と表示されていたことが2019年9月20日に報告されました。

また、2011年に発売されたDH67BLは、2018年にBIOSのアップデートがリリースされたばかりですが、公式配布ページにもD865PERLと同じようにサポート終了を告げる文面が掲載されていました。さらに、別のユーザーからは2017年の時点で既に一部の古いBIOSやドライバーが削除されていたと指摘されています。

Intelは2013年からデスクトップPC向けマザーボード事業を縮小していたことが報じられていて、Haswell世代のマザーボードを最後にIntel製のマザーボードは発売されていません。

終了が告げられているドライバーは、Windows 98、Windows Me、Windows XPなど、すでにサポートが終了したWindows OS向けのもの。古いPCやワークステーションを再インストールして使うユーザーは、Intelの配布ページからBIOSやドライバをダウンロードする必要がありました。しかし、公式による配布が終了してしまうと、BIOSやドライバーが二度と入手できなくなってしまいます。

技術系メディアのThe Registerは「製造業などの一部の業界では、PCがインフラストラクチャの一部となってしまっているため、古いハードウェアに依存し続けている」と述べ、「Intel製のマザーボードを使った古いPCを使っていたり、Pentium IIでQuakeをプレイしていたりするユーザーはBIOSやドライバーを今のうちにダウンロードすべきだ」と注意を促しています。

Intelが古いマザーボードのBIOSやドライバーの提供を急きょ終了することに対して、VOGONSでは「古いBIOSやドライバは容量がそれほどないのだから、すべて削除するのはやりすぎ」という意見もあれば、「ほとんどの製品が最初のリリースから15年以上も経っていることを考えると削除されるのは順当」という指摘もあり、賛否両論があります。

IntelのBIOS・ドライバーの提供が終了すると報告された直後、VOGONSの有志がインターネットアーカイブにIntelのBIOSやドライバーをアーカイブしました。ほかにも多くの人が独自にファイルダウンロードが可能なミラーリンクを作成していますが、業界関係者は「ファイルが必ずしも正しいものであるとは限らず、ミラーサイトからダウンロードするのは危険だ」と述べました。