大画面化してescがついただけではない 16インチMacBook Proの実力をチェック

Appleが発売した「MacBook Pro (16-inch, 2019) 」をチェックした。

True Toneを採用した16インチRetinaディスプレイ(3072×1920ピクセル)を採用し、GPUには、AMDの7nm RDNAアーキテクチャを搭載したRadeon Pro 5300M、Radeon Pro 5500Mが採用されている。

Apple Storeが店頭在庫として販売する、MacBook Pro (16-inch, 2019)のスペックアップモデル「MacBook Pro (16-inch, 2019) Ultimate」をチェックしてみた。

「究極」モデルは8 Core Intel Core i9/2.4GHz、32GB、2TBSSD、Radeon Pro 5500M (8GB) の構成だ。

高さ1.62×幅35.79×奥行き24.59センチ、重さ2.0キロだ。

100Whリチウムポリマーバッテリーが内蔵されている。

シルバーとスペースグレイの2色がラインアップされているが、MacBook Pro (16-inch, 2019) Ultimateはスペースグレイのみ。

2019年版15インチモデルと比べてみた

MacBook Pro (15-inch, 2019) とMacBook Pro (16-inch, 2019) を比較してみた。

高さ0.7ミリ、幅8.6ミリ、奥行き5.2ミリ、重さ170グラム増となっている。

リチウムポリマーバッテリー容量は83.6Wh(7160mAh)から100Wh(8846mAh)となり、16.4Wh増。

付属するUSB-C電源アダプタは、Apple 87W USB-C電源アダプタ(A1719)から、Apple 96W USB-C電源アダプタ(A2166)に変更されている。

USB PD構成は、15.6W(5.2V/3A)、27W(9V/3A)、45W(15V/3A)、96W(20.5V/4.7A)。

Apple 96W USB-C電源アダプタとApple 87W USB-C電源アダプタのUSB-Cポートを比較してみると、改良されたApple 61W USB-C電源アダプタ(A1947)と同様に、USB-Cメスコネクタの保護リングパーツの色が、シルバーからホワイトに変更されている。

これは、Appleが取り組む「環境」に関連する変更だと考えられる。

同様にUSB PD仕様として「45W(15V/3A)」が追加されている。

キーボードはどう「改良」されたか

キーボードは、これまでのバタフライ構造を採用した0.55ミリストロークのキーボードから変わり、シザー構造を採用した1ミリストロークの「Magic Keyboard」が搭載されている。

キートップを支える支持点をクロスさせ安定度を増したMagic Keyboard(テンキー付き)- 日本語MacBook Pro (16-inch, 2019):Magic Keyboard (JIS) - スペースグレイと同様の構造が採用されている。

最初にRetinaディスプレイを採用したMacBook Pro (15-inch Mid 2012) は1.26ミリストロークだった。

Touch Barからesc(エスケープ)キーが離され、独立したキーとなった。

Xcodeなどコード書きするデベロッパーから不満が多かった部分が解消された。

Touch IDセンサーもTouch Barから独立し、Touch Bar操作中にTouch IDセンサーまで指が流れることは少なくなると思われる。

このTouch IDセンサーは、MacBook Air (Retina, 13-inch, 2019) のTouch IDセンサーと同じサイズではないかと思われる。

旧MacBook Proで、MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2015) までの仕様だった逆T字型配列の矢印キーが復活している。

コードの行から行へとすばやく移動する、スプレッドシートでの作業、ゲームをプレイする時などの操作性は、Magic Keyboard(テンキー付き)に近くなると思われる。

16インチになっただけではない、ディスプレイの高機能化

Retinaディスプレイは、IPSテクノロジー搭載16インチ(対角)LEDバックライトディスプレイ、3072×1920ピクセル標準解像度、226ppi、数百万色以上対応、500ニトの輝度、広色域(P3)、True Toneテクノロジー仕様となる。

MacBook Pro (15-inch, 2019) は、2880×1800ピクセル標準解像度、220ppiだった。

Retinaディスプレイ端のベゼル幅が、MacBook Pro (15-inch, 2019) の7.17ミリから4.78ミリに狭額縁化されている。

両方合わせて4.78ミリの幅縮小となり、その分本体サイズを小さくすることに貢献していると考えられる。

MacBook Pro (16-inch, 2019) の側面にあるThunderbolt 3ポートは、MacBook Pro (15-inch, 2016)からのThunderbolt 3ポートなどのピッチ幅と同じだ。

TUNEWEARのALMIGHTY DOCK TB3 for MacBook Pro / Airなど、Thunderbolt 3ポートを2つ使用するドックなどは継続使用できる。

6スピーカーサウンドシステムと組み込まれたデュアルフォースキャンセリングウーファーにより、サウンド品質が向上している。

仕様としてDolby Atmos再生に対応してるだけでなく、それに相応しいサウンドシステムを搭載していると考えられる。

また、高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つ、スタジオ品質の3マイクアレイも搭載されている。

MacBook Pro (16-inch, 2019) のデスクトップピクチャーには「ライト・ストリーム・ブルー」と「ライト・ストリーム・レッド」が追加されている。

実ファイルは「Light Stream Blue.heic」「Light Stream Red.heic」の正方形ファイルとなっている。

MacBook Pro (16-inch, 2019) のスケーリング解像度は、1152×720、1344×840、1536×960、1792×1120(デフォルト)、2048×1280が選択できる。

最大の2048×1280スケーリング表示を選択した場合、DCI-4K(4096x2160)をカバーする「4096×2560 解像度」表示になる。

MacBook Pro (15-inch, 2019) の場合、最大スケーリング表示は、1920×1200スケーリング表示を選択した場合、4K UHDTV(3840×2160)をカバーする「3840×2400 解像度」表示だった。

MacBook Pro (16-inch, 2019) は「リフレッシュレート」を変更することができる。

ビデオ編集などのプロフェッショナルなワークフローの場合、編集または表示しているビデオのフレームレートに合わせてディスプレイのリフレッシュレートを設定できる。

通常の設定には表示されないが、設定>ディスプレイ>ディスプレイタブにある解像度で「変更」を選択することで可能だ。

スケーリング解像度を変更すると、同時に「リフレッシュレート」が表示される。

47.95Hz、48.00Hz、50.00Hz、59.94Hz、60.00Hzが選択できる。

GPU、ストレージからステッカーまで

Radeon Pro 5500M (8GB) は、PCIe x16レーンで接続されている。

Intel UHD Graphics 630はダイナミック可変するVRAMを使用するが、使用サイズは最大1536MBだ。

2TB SSDとして搭載されているフラッシュストレージは「APPLE SSD AP2048N」(2TBSSD)で、NVM Express接続(リンク幅×4 リンク速度8.0 GT/s)されていた。

AJA System Testによるベンチマーク結果から、MacBook Pro (15-inch, 2019) のフラッシュストレージと比べて、それほど性能差は確認できなかった。

Wi-Fi仕様は、Wi-Fi 5(IEEE 802.11a/n/ac)の3×3 MIMO。

最大通信速度(理論値)は、80MHz帯域で1300 (877.5) Mbps、160MHz帯域で2600 (1755) Mbpsだ。

MacBook Pro (16-inch, 2019) に同梱されてるAppleロゴステッカーは、一般的なホワイトではなく、グレイとなっていった。