京セラが一転、5Gスマホ投入へ「需要が予想以上」

5Gスマートフォンに慎重姿勢を示していた京セラが一転、5Gスマートフォンを来期に投入すると表明しました。本日(11月1日)の決算説明会で谷本秀夫社長が明かしました。

谷本社長によると、特に米国で5Gスマートフォンの強い引き合いがあったため、来期(1〜3月)に5Gスマートフォンを米国市場に投入するとのこと。日本向けは「未定」としつつも『技術的には(米国に投入する端末と)同じなので、声がかかれば作れる』と述べました。

京セラといえば前回の決算会見で『5Gのコンテンツが何になるのか現段階では不透明』『5Gスマホはゆっくりした普及になるのではないか』などと述べ、5Gスマートフォンの開発に慎重姿勢を示していました。ここにきての一転は、海外における5Gの急速な立ち上がりを象徴するものと言えます。

5Gの予想以上の立ち上がりを受け、京セラは通期の業績予想のうち、コミュニケーション事業の売上高を従来比84億円、事業利益を17億円それぞれ上方修正しています。

5Gは4G黎明期を超えるペースで普及

5Gの商用サービスは米国や韓国・シンガポール・欧州・中国など世界各国で開始済み。日本は海外の先進グループから遅れ、20年春の開始を予定します。

なお、現時点で5Gは高価格帯のスマートフォン向けに限られていますが、クアルコムは2020年に中価格スマートフォン向けの5Gチップセットを供給予定。5Gの普及は4G黎明期を上回るペースで進む見通しです。

このほか京セラは、5G基地局向けのセラミックフィルタや、5GをWi-Fiのように使える「ローカル5G」向けのデバイスやソリューションを提供。5Gの大波を収益化に繋げます。