「iOS 13.2」ではバックグラウンドのアプリが強制終了されてしまうとの声が続出

iPhoneやiPadのOSであるiOS 13やiPadOS 13の最新バージョン「13.2」のユーザーから、OSがメモリのデータを過剰に管理しすぎるせいで、アプリを切り替えると使用状況が失われてしまうという声が相次いでいます。

例えば「スマートフォンのYouTubeアプリで再生中のムービーを一時停止して、Safariでサイトを見てから、もう一度YouTubeに切り替えて続きからムービーを再生する」という使い方が可能なのは、OSがアプリの使用状況やムービーのデータをメモリに保存しておいてくれるからです。しかし、Appleが2019年10月28日(日本時間では10月29日)にリリースしたiOS 13.2のユーザーからは、「アプリを切り替えるとバックグラウンドのアプリの使用状況が即座に失われてしまう」という声が挙がってします。

Apple情報専門ニュースサイトMacRumorsのフォーラムには、「iPadOSのRAM管理がひどい」というタイトルのトピックスが作成され、「Excelアプリでスプレッドシートを作成中に、10分ほどYouTubeでムービーを再生してからExcelアプリに切り替えたら、もうアプリがメモリ上から消えていました。Excelだけでなく、Safariで開いていたタブも駄目でした。4GBのメモリじゃ不足なので6GBの端末を買えばよかったということでしょうか?」とユーザーが訴えています。

また別のユーザーが作成した「iOSのメモリ管理はサイアク」というトピックスでは、「iPhone 11 ProでYouTubeのムービーを再生中に、一時停止してからiMessageを使いました。その後YouTubeに切り替えてみたら、再生中のムービーが消えていました。iPad Proでも同様で、アプリやSafariのタブはiOS 12のころよりはるかに高い頻度で再読込が発生します。同じ経験をしている人はいますか?」と投稿されていました。

Twitterでも「iPhone 7でiOS 13.2を使ってみたら、アプリがバックグラウンドになるたびに強制終了したりSafariのタブが閉じられたりして、イライラさせられます」というツイートや……

「iOS 13はこれまでより積極的にメモリを管理しているということでしょうか? YouTubeアプリを使用した直後でさえ、一時停止したままにできません」というツイートが散見されます。

デザイナーでフロントエンド開発者でもあるニック・ヘーア氏は自身のブログで「私はiPhoneのカメラをよく使うので、iPhone Xでカメラを使っていると開いていたアプリが全て消えてしまうというのには慣れっこですが、iOS 13.2ではバックグラウンドタスクを強制終了するだけでなく、バックグラウンドのアプリを切り替えるたびに完全に再起動されてしまうようです。これはアプリを問わず常に発生していて、例えばSafariではタブひとつを保存することもできません。壊滅的なバグとまではいえませんが、かなりお粗末ですので、最優先で修正してほしいものです」と述べて、早急な対応を求めました。

記事作成現在のところAppleからは公式な発表はなく、この不具合の原因は不明ですが、iOSのエンジニアであるマルコ・ アーメント氏は「iPhone 11のカメラが大量にメモリを使用することに起因しているのではないか」と指摘しています。

また、iOSのブラウザエンジン「WKWebView」が関係しているのではないかと指摘するツイートもあります。

アーメント氏はこの問題に絡めて、「Appleの内部からはいつも同じ話が聞こえます。曰く『バグなんて修正している時間がない』『CEOがクック氏になってから管理者層が増えたせいで、問題が上に伝わりにくく、チームが細かく分けられすぎている』」と述べて、Appleの開発体制の問題が表面化しているのではないかとの見方を示しました。