HDDケースを活用して耐久性の高い外付けHDDをつくろう!

ストレージに求められる容量は、右肩上がりだ。Windows 7の時代だと1TBでも大容量と言われたが、いまでは4TBは当たり前。8TBも手軽に導入できるレベルにある。ただストレージ、とくに大容量を擁するHDDを購入する場合、以前は内蔵タイプを選ぶ人も多かったが、いまはノートPCの普及もあり、外付けHDDを選ぶ人がほとんどだろう。

外付けHDDは、USBに接続すればPCだけでなく、テレビ録画系にも使えて便利ではある。ただ、外付けHDDの場合はどんなHDDが使われているのか中身が見えないため、耐久性が不安なケースもある。

そこで、NAS向けのストレージとして必要な条件である、24時間365日稼働を前提に設計されたSeagateの「IronWolf」を使った外付けHDDのつくり方を紹介。安心安全な外付けHDDを活用しよう。

24時間365日駆動でも大丈夫な高耐久仕様の「IronWolf」

外付けHDDとして市販されている中身は、デスクトップPCにも利用されている一般的な3.5インチHDDである。Seagateの製品でいうところの「BarraCuda」シリーズだ。もちろん、単にデータの保管場所としてだけであれば充分ではあるが、それらデータを繰り返し活用し、また、写真や動画、音声データなど、無二の情報、家族の大切な記録を残すためには、より信頼性の高いストレージを求めるべきである。

せっかくの大事なデータを損失するようなことはしたくはない。長期に安心安全に保管したいなら、ワンランク上のHDDを活用するのがベストだ。そこで、オススメしたいのが「IronWolf」シリーズである。

家庭やSOHO、小規模企業向けのNAS用として開発された製品で、24時間365日稼働することを前提として設計されている。そのぶん価格的には少々割高になるが、過酷なアクセス環境にも耐久性があり、AgileArray(アジャイルアレイ)技術によりデータの障害に備えた仕組みになっている。

また、外付けHDDケースに組み込むことで、書き込み時や持ち運び時に心配な振動衝撃を軽減。「IronWolf」シリーズの4TB以上では、振動を検知する「RVセンサー」の搭載により、さらに読み書きの安定性が向上する。

さらに、別料金にはなるがRescueデータ・リカバリー・プランに加入も可能。万が一データ損失した場合、2年間はデータの復旧をサポートしてくれるため、大事なデータを保管する際は加入しておくとより安心だ。

実際信頼性はどのぐらい違うの? と疑問に思われるかもしれないが、「BarraCuda」シリーズと比較して、1年間にどのくらい書き込めるかという独自の指数である作業負荷率制限(=ワークロード)は、「BarraCuda」の55TBに対し、「IronWolf」は180TBと3倍以上も多く書き込める。保証期間も1年長い3年間と長く、信頼性の高さがわかるだろう。

こうした「IronWolf」シリーズを使うことで、市販されている外付けHDDとは違い、耐久性が高く信頼性のある外付けHDDが簡単に自作できる。

「IronWolf」と外付けHDDケースを組み合わせ

外付けHDDをつくるには、3.5インチ用外付けHDDケースを別途購入する必要がある。ケースはそんなに高いものではなく、今回使用したロジテックの外付けHDDケース「LGB-EKU3」はAmazonなら1800円程度で手に入る。

4TBのHDDを利用した場合、「IronWolf」のHDDと合わせて買っても、市販の外付けHDDを購入するのと4000円程度の価格差だ。それでいて、24時間365日間稼働させても耐久性が高いため、保存するデータの安心・安全のためなら、この価格差は安いと感じることだろう。

外付けHDDのつくり方はカンタンで、ドライバーでネジを外してケースを外し、HDDをセットするだけ。あとはもとに戻して完成だ。10分程度あれば作業は完了するはずである。

あとは、PCに接続してドライブを認識させてフォーマットすれば利用できる。今回は8TBの「IronWolf」を利用したが、テレビ録画用としてレコーダーやテレビと接続して使う場合は、容量制限があったりフォーマットの種類が違う場合があるので、それぞれの機器のマニュアルを見て確認しよう。

さまざまな活用方法がある外付けHDD

外付けHDDは、USBケーブルで接続し電源とつなげれば利用できるので、ノートPCなど内蔵ストレージの容量が足りない場合、データを保存するために接続したり、テレビ録画用としてレコーダーやテレビへ接続して、容量を増やしたりといった用途が多いだろう。

特にこれから本格的に4K時代に突入し、カメラの写真も6000万画素を超える時代。1回の撮影で数TB消費するのは当たり前となり、すぐに容量が逼迫するだろう。余裕を持って8TBぐらいのHDDを購入することで、買い増す頻度も少なくて済む。

それ以外の活用方法としては、たとえば、これまでデスクトップPCで使ってきたHDDに分散していた、バックアップデータを大容量HDDひとつにまとめてしまうこと。まとめてしまうことで管理もしやすく、保存するスペースも少なくてすむようになり、信頼性の高いHDDへ移動することでデータ損失を防ぐことにもつながる。一石三鳥ぐらいの得だ。

さらに、Windows 7のEOS(サポート終了)が話題になっているが、Windows 10マシンへ乗り換えるにあたり、バックアップ用として外付けHDDへデータを逃がすというのもいいだろう。長年使い込んできたHDDにそのままデータを保存しておくより、信頼性・耐久性の高い「IronWolf」を外付けHDD化して使ったほうが、安心して保管できる。

外付けHDDケースと「IronWolf」という組み合わせは、保存したデータの安全性を高め、データの損失する心配を軽減してくれる。PCの拡張用としてはもちろん、24時間365日稼働することを前提とした耐久性の高さは、起動しっぱなしで利用するテレビ録画用として最適と言える。これから年末年始を迎えるにあたり、録画頻度も高くなるはず。その前に、「IronWolf」と外付けHDDケースを購入して準備万端にしておこう。

バックアップやデータの保存領域の拡張は、より安全で耐久性の高い「IronWolf」を活用して、データ損失の心配を軽減することが重要なこと。外付けHDDを導入したいときは、そのことを考慮して、「IronWolf」と外付けHDDケースを組み合わせることを頭に入れておいてほしい。