価格とスペックが魅力の「OPPO Reno A」を衝動買い

比較的スマホを買い替えることが多い筆者だが、年中新製品が登場するスマホのCPU性能や細かなスペックに詳しいわけではない。過去においても、よほど特徴のある変なスマホ以外の購入記などはまったく書いたことがない。いや、書ける実力をもっていないというのが正しい表現だ。

なので、ハイエンドやミッドレンジ、ローエンド・エントリーという区分けも筆者の頭の中にはなく、基本的に「スペックが良ければ値段は高いに決まっている」。そして「安いモノには訳がある」というのが筆者のスマホに対する基本感覚だ。この感覚は今まで自分で買ったモノだけを見ている限り、それほど外れてはいない。

さて、今回ご紹介するスマホは筆者が発売日に衝動買いした「OPPO Reno A」という、ちょっと風変わりなメーカー名と商品名のスマートフォンだ。スマホのトレンドにはうとい筆者だが、OPPOというメーカー名は過去にも何度か見かけたことがある。ウェブ上ではなかなか魅力的な端末に遭遇したことがあったが、今までは購入には至らなかった。

そんな筆者は過去、何度かiPhoneやGalaxyシリーズを何世代かに渡り使っていたが、ここ3年ほどは、メインのスマホは海外ニュースでもよく見かけるファーウェイ製だ。一昨年の「HIAWEI P10 Plus」から始まり、現在の「HUAWEI P30」まで、Mateシリーズも発売以来全モデルを使用しており、現在は「HUAWEI Mate 20 Pro」を愛用している。

そしてつい最近、画面比率21対9というPCディスプレーのトレンドのようなソニーモバイルのスマホに惹かれ、「Xperia 10」という海外版の低価格スマホも衝動買いしてしまった。ディスプレーサイズが6型前後の同じようなイメージのスマホが3台(HUAWEI P30、HUAWEI Mate 20 Pro、Xperia 10)になった時点で、「OPPO Reno A」のSIMフリーモデルが国内でも発売されると聞き、懲りずに早速ヨドバシ.comで予約して発売日の10月18日に到着した。

最近の中国メーカーのスマホは、何かにつけて評判が良いファーウェイ製端末だけではなく、他の多くのメーカーも抜群のデザインセンスに育ってきている。届いたOPPO Reno Aもなかなかファンシーなボックスに収納されており、買ってよかったと思わせるに十分なセンスだ。

いつものことなので、同梱のACアダプターやケーブルは使用せず、ふだん使いの市販の充電器を使って充電を開始した。昔は半日かかってた設定も、今や言語の選択と宅内のWi-Fiの選択設定、Googleアカウントの入力だけであとはほぼ自動的でやってくれる。筆者をはじめ、あれこれ設定する楽しさはきっと昔の方が良かったと感じている読者諸兄姉も多いことだろう。

さて、衝動買いしたOPPO Reno A(ブラックモデル)の基本スペックだが、CPUはSnapdragon 710、メモリーとストレージは6GB/64GB。ディスプレーは6.4型の有機ELで、解像度は1080×2340ドット。インカメラは2500万画素、アウトカメラは1600万画素+200万画素というなかなか豪華な組み合わせだ。

そしてデュアルSIMスロット(1枚はmicroSDと排他使用)、防水・防塵(IP67)にも対応。顔認証と指紋認証、おサイフケータイ対応と、もうスペックを見てるだけでお腹いっぱい状態だ。スペックとベンチマークにはあまり心を奪われない筆者の場合、地味にType-Cポートと見慣れたイヤホンジャックがありがたい感じだ。あと、これも地味だがかなりうれしいのが、専用TPUカバーケースが付属すること。

今回筆者は、IIJmioのファミリープランで契約している数枚のnanoSIMのうち1枚を利用した。指紋認証は右手2本、左手1本の指を登録。設定で“指紋アイコン”をオンにすれば、パワーオフ時に画面下部に指先を押し当てる箇所が明示的にアイコン表示されるのでなかなか便利だ。

導入設定作業が終わって「HUAWEI P30」「Xperia 10」「HUAWEI Mate 20 Pro」「OPPO Reno A」の4台を並べて記念撮影してみたが、よほどスマホが好きでもない限り、Xperia 10を除いて、パッと見で残り3台の区別がつく人はそれほど多くはいないだろう。

今や全世界、全世代の人がスマホを平等に使う時代だ。なので、テキストサイズのサイズ変更機能は極めて重要だ。OPPO Reno Aは5段階のサイズから見たまま直感的に任意のお気に入りサイズを選択できるので、老眼傾向のあるユーザーにもありがたい。

また、多くのスマホに備わっている画面最下段にある3つのナビゲーションキーは、ユーザーの慣れや好み、要不要によって表示したり非表示にしたり、3つのキーのレイアウトも自由に変更できる仕組みとなっている。

変わったところでは、Type-CのUSBポートはOTG接続をオン・オフできるようだ。オンにしても10分間操作されない場合は自動的にオフになるようだ。従来機に慣れていると一瞬戸惑うが、機密管理面でも良いアイデアだろう。

複数アプリや2画面表示に加えて
おサイフケータイ対応が非常に便利

さて、OPPO Reno Aの画面上の便利なツールとして“スマートサイドバー”というモノがある。いつでも画面上で横からフリックすることで呼び出せる、アプリランチャーフレームだ。「クイックアプリ」と呼ばれるアプリやクイックツールを使うことで、指定したツールやアプリを現在の画面の上にフローティング(オーバーレイ)ウィンドウとして重ねて表示できる機能だ。

メッセンジャーやLINEはこの機能で呼び出した後、他のアプリを操作中でも、いつでもメッセージを返信することができる。もちろん、もっとスタンダードな複数アプリを同じ画面に開く“アプリ画面分割モード”にも対応している。

また、一般的には電源オン・オフ・ボタンと音量マイナスボタンの同時押しで、多少ぎこちなくバタバタと行なうスクリーンショット撮影は、OPPO Reno Aの場合は、3本指で画面を上から下になぞるだけで静かにキャプチャー可能だ。

機能面では最後になるが、OPPO Reno AはSIMフリーの安価なスマホではあるが、なんとおサイフケータイに対応している。筆者も長らくSIMフリーのAndroidスマホを愛用していたために、しばらくご縁がなかった「モバイルSuica」を久しぶりに登録して便利に活用している。

低価格スマホながらカメラが強力
インスタ映え狙いなら必要条件は十分クリア

さて、2017年6月に「HUAWEI P10 Plus」が登場して以降、スマホのカメラ機能は圧倒的な進歩と同時にユーザーの期待を背負っている、スマホで一番メジャーな機能かもしれない。そして、写真や動画の撮影や再生、表示は、ゲームと並んでスマホの実力をわかりやすく示す一つのバロメーターでもある。

実は筆者自身「HUAWEI Mate 20 Pro」「HUAWEI P30」といずれもカメラ機能に長けた2台を併用しているので、正直、OPPO Reno Aのカメラ機能に対する期待値はそれほど高くはなかった。ところが、実際に持ち歩いて日々使ってみると、これがなかなか凄いことに気がつきだした。

最終目的が高級な高解像度カラープリンターでの印刷とかでなく、SNSなどでの利用やインスタ映え狙いなら、もう必要十分条件は完全にクリアしている。今回は気合を入れて撮影する時間もヒマもなく、愛犬の朝晩の散歩と、自宅のダイニングテーブル上、スーパーマーケットに買い物に行ったついで、そして近所のお気に入りの中華料理店に行った時に撮影したOPPO Reno Aのスナップを12枚ほど掲載した。

背景ボケ(ポートレート)も夜間モードも税込3万9380円のミッドレンジスマホとはとても思えない雰囲気だ。最後に個人的にはそれほど興味のないことだが、OPPO Reno AとHUAWEI Mate 20 Proのベンチマークの結果の大雑把な概要だけを掲載しておく。

評判に惹かれて衝動買いしてしまったOPPO Reno A。この価格帯で、6.4型の有機ELディスプレーとデュアルSIM、IP67防水、おサイフケータイ対応、顔と指紋認証、高機能なカメラ搭載、Type-Cポート、イヤホン端子搭載など、もはや買わない理由を見つけるのが難しい秀作だ。