待望のグラフィックス内蔵Core i3登場も静かな空気

先週、複数のショップにIntelの新CPU「Core i3-9100」と「Celeron G4950」が入荷した。価格は1万6000円前後と8000円弱となる(税込み、以下同)。

Core i3-9100が1.6万円、Celeron G4950が8000円弱で店頭に並ぶ

Core i3-9100は4コア4スレッドのCPUで、クロック数は3.6GHz(最大4.2GHz)で動作する。TDPは65Wで、第9世代のCore i3としては初の内蔵グラフィックスモデルだ。Celeron G4950はグラフィックス内蔵の2コア2スレッドモデルで、9月に登場した「Celeron G4930」の上位モデルとなる。TDPは54Wで変わらないが、クロック数は3.3GHzと100MHz上ほど高い。

中でも注目されているのはCore i3-9100だ。前世代の「Core i3-8100」がエントリークラスで根強い人気を誇ったことから、後継を待ち望む声はしばしば耳にしていた。しかし、ショップのコメントにはどこか曇りがかったものが多かった。

あるショップは「今はRyzenが強いですから、この価格だとシェアを取り戻すほどのパワーがあるか微妙かなと。グラフィックスカードなしでIntelマシンを組むのにちょうどいいのは確かなんですけどね」と話していた。別のショップも「1年前の枯渇で大変だった時期とは違うんですよね……」と物憂げな表情を浮かべる。

実際、Core i3-8100は品薄傾向が続く中で、通常版よりも高価な並行輸入品が出回るほどの需要があり、入荷したらTwitterで告知されたり、レジ前にPOPが貼り出されたりしていた。当時とはいろいろと状況が異なるようだ。とはいえ、価格を抑えて自作する選択肢が広がったことを歓迎する声も聞く。今後の売れ行きに注目していきたい。

アキバでは、今後登場するであろうCPUの影が色濃い。

ASUS30周年記念マザー「Prime X299 Edition 30」の予約が開始

エントリーCPUの登場と時を同じくして、ウルトラハイエンドクラスの影も見られるようになっている。

先週話題になっていたのは、ASUSTeKの創立30周年を記念した限定マザーボード「Prime X299 Edition 30」だ。26日から予約を受けつけており、11月1日から販売する。価格は7万9000円前後となる。3基のM.2(PCIex4 3.0)スロットを備え、11月に登場が予定されている次世代Core-Xシリーズ(Core i9-10000シリーズ)にも標準で対応するのがポイントだ。

パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「48レーンが使えるCore-Xを載せれば、M.2 NVMe SSDが3個同時に使える作りで、なかなか強力です」と評価していた。

一方で、新型Core-Xについては、まだ様子見感の強いコメントが多い印象だ。あるショップは「Core i9-9000シリーズに比べるとかなり割安で登場するみたいですが、このラインもRyzen Threadripperの注目度の方が優位になっていますからね。元々、分かる人が黙々と買っていく領域なので、今のところはとても静かです」と話していた。

Ryzen Threadripperも、次世代モデルの11月登場がうわさされている。現行の第2世代は値下がりが顕著で、買い控えの傾向もあまり起きていないようだ。TSUKUMO eX.は「週末なら24コア48スレッドの2970WXが9万4000円を切りますからね。いろいろ計算しても相当お買い得だと思います」とプッシュしていた。

DDR4メモリのバリエーションも増えている。

1枚1.7万円の32GB DDR4-2666モジュールが登場

Teamからは、ELITEシリーズのDDR4-2666とDDR4-3200が5種類登場している。

DDR4-2666は32GB×1枚の「TED432G2666C1901」と2枚キット「TED464G2666C19DC01」で、価格は1万7000円前後と3万4000円強。DDR4-3200は4GB×2枚「TED48G3200C22DC01」、8GB×2枚「TED416G3200C22DC01」、16GB×2枚「TED432G3200C22DC01」で、価格は順に5000円強と9000円弱、1万7000円強となる。

入荷したパソコンSHOPアークによると、大容量モジュールはIntel系、DDR4-3200はAMD系で需要がはっきりと分かれるという。

「大容量の需要は全体的にありますが、速度的なところで分かれるのかもしれませんね。ネイティブでDDR4-3200だと第3世代Ryzenと相性がいいですが、Intelだとうまく立ち上がらないことがありますから」と話していた。

ZALMANの挟み込むミドルタワーケースと円形CPUクーラーが登場

先週は、ZALMANの新製品が複数のジャンルで目立っていた。

PCケースでは、前面の半分近くまで覆うL字の側面パネルを採用した、ミドルタワーモデル「X3」がデビューした。ボディーカラーはホワイトとブラックの2種類があり、いずれも1万8000円弱で売られている。フロントには12cmのアドレサブルRGBファンを3連で配置しており、RGBコントローラーも標準で備えている。ATX電源は底部のパーティション下に置く構成だ。

TSUKUMO eX.は「側面パネルをマグネットで固定するユニークな作りですね。価格とのバランスでどれくらい売れるのか注目したいです」と話していた。

CPUクーラーは、8cmファンをアルミ製ヒートシンクで囲んだトップフロー型の「CNPS80F」と、4本の銅製ヒートパイプとアルミ製ヒートシンクを組み合わせたサイドフロー型の「CNPS10X OPTIMAII」が発売された。価格は900円弱と5000円弱だ。

特にCNPS80Fは、ZALMANの伝統的な円形クーラーということで、懐かしく思うユーザーが多い模様だ。「おわん型とか、花びら型とかいろいろ呼ばれていましたが、10年以上前から自作している人にはピンとくるデザインですよね。安さも手伝って売れそうです」(TSUKUMO eX.)