iOSとiPadOSで外付けストレージを使うときのポイントまとめ

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Appleは 「iOS 13」 と 「iPadOS 13」 で多数の新機能をリリースしましたが、最も重要なのは外付けストレージのネイティブサポートでしょう。それはUSBメモリー、外付けHDD、デジカメなどを接続して、それらのデバイスのコンテンツをiOSおよびiPadOS上のファイルアプリで表示できることを意味します。

どういうこと?

USB-CまたはLightningポートに接続されている、ほとんどのUSBメモリーとメモリーカードリーダーは、アダプタードングルの有無にかかわらず正常に作動します(たとえば、AppleのLightning-to-USBやLightning-to-USB3カメラアダプタは動作することが知られています)。

同様に、専用の電源から本体に繋いだ外付けHDDも、必要に応じてアダプタードングルで接続すれば、おそらく作動するでしょう。iPad Proは、iPhoneよりも大きなドライブを扱えるようになるかもしれません。現状、何が動作し、何が動作しないのかを正確にまとめることはできません。

また、接続しているデータポートから電源を供給される外付けHDDが置かれている状況もあまりはっきりしていません。ドライブとAppleデバイスの間に、電源の入ったUSBハブを置かない限り、これらは作動しないようです。中にはハブを使用して、複数のドライブとカードを一度に接続している、と報告するユーザーもいますが。

扱えるファイルシステム

Appleから公式の発表はありませんが、一般的にはドライブをmacOSで見ることができれば、iOSやiPadOSでも見ることが可能です。

Appleによりますと、外付けストレージに関しては、Ex-FAT、FAT-32、HSF+、そしてAPFSの各ファイルシステムがサポートされていますが、NTFSは除外されているとのこと。つまり、Windows機から直接HDDを取り出してiPadに接続する方法は失敗するかもしれませんが、すでにmacOSとWindowsの両方に対応しているストレージ・デバイスを使えば上手くいきます。

オススメの外付けドライブ

もしiPhoneまたはiPad専用のストレージを購入したいのであれば、接続先のデバイスに応じてLightningかUSB-Cコネクター付きのUSBメモリーを買うのが最善策かと思われます。もしすでにiOSやiPadOSでそれらのドライブを使っている人たちのレビューがあるとモアベター。

我々が試したところ、FAT32フォーマットのUSBメモリーをUSB-C Digital AV Multiportアダプタ(税別6,800円)を使ってiPadOS13が動作するiPad Proに接続してみたところ、問題なく動作しました。またカメラからSDカードを何枚か取り出し、18ドル(約1,950円・非純正)のUSB-Cカードリーダーを使って挿入してみました。どのような方法で接続してもFilesアプリで表示される内容は同じです。

Filesの使い方

iOSとiPadOSのFilesアプリから、必要に応じてBrowseタブをタップすると、接続されているドライブと、iPhoneやiPadのストレージへのリンク、クラウド・ストレージ・サービス(iCloud Driveを含む)へのリンクが表示されるはずです。そしてフォルダーやファイルをタップすると、ローカルファイルと同じようにプレビューが表示されます。

Filesアプリはメディアビューアとしても使えます。映画が詰まったUSBメモリーを接続すれば、 ファイル転送なしでFilesアプリから映画を見ることができます。

ファイルのマークアップと、共有のオプションは通常どおり表示されます。右側に3つの点があるメニューボタンをタップすると、タグ付け、共有、コピー、複製、削除、ファイル名の変更などを行うことが出来ます。ついでに「Save to Files (ファイルに保存)」オプションを使えば、ファイルをiPhoneやiPadにコピーすることも可能です。

コピー先のフォルダが画面上にある限り、必要に応じてファイルをタップおよびドラッグでコピーが出来ます。その間 「選択」 をタップすると、複数のファイルを一度に選択でき、コピー、移動、削除などの操作も行なえます。

実際、iPhoneやiPadのファイルで 「ファイル」 タブで出来ることは何でも、外付けストレージ機器に表示されるファイルでも可能です。おそらく最もよく使われているのは、iPhoneやiPadとの間でファイルを転送するオプションかと思われます。それにファイルを素早くプレビューできる機能を利用している人もたくさんいるようです。

更には、外付けドライブに新しいフォルダを作成することもできます。ファイル参照領域の空白領域を押しっぱなしにし、 「新規フォルダ」 を選択します。もちろん、ファイル検索は必要に応じて接続された外付けドライブに制限することも出来ます。

ファイルの一部をプレビューしたり開いたりすることに関して、すべてのファイル形式がサポートされているわけではありません。ですが、ファイルの種類が認識されなくても、iOSおよびiPadOSではそのフォルダ内のファイルが一覧表示してくれます(これらのファイルも通常通り、移動およびコピーが出来ます)。

iPadOSは、同じアプリの複数のインスタンスを同時に開くことも可能になったことを思い出してみてください。Filesは、この機能と連動するアプリのひとつです。Split ViewかSlide Over機能を使うことも、ふたつの場所の間でファイルをドラッグするためのオプションです。(通常は外付けストレージ機器にひとつ、iPhoneまたはiPadにひとつです)

Filesのほかには

サードパーティー製アプリの中には、外付けストレージ機器への直接アクセスをサポートしているものもあります。それだと毎回Filesを立ち上げる必要はなくなります。たとえば、Adobe Lightroomは写真を直接取り込むことができ、Apple Mailは添付ファイルとなるファイルを、内蔵ストレージだけでなく外付けストレージ機器からも取り込むことができます。

それは、ファイルの共有とエクスポートについても同様です。たとえば、画像エディターから画像をエクスポートするときは、 「ファイルに保存」 オプションを探し、オプションとして外付けドライブと内蔵iPhoneまたはiPadストレージを選択できます。

アダプタードングルと別々の電源が必要という問題はありますが、外付けストレージをサポートする最初のステップとして、これはAppleによる非常に堅実なアップグレードだと思います。特にもし、将来のiPhoneとiPadがUSB-CをサポートするiPad Proに仲間入りすれば、そこには多くの可能性があるでしょう。