Android機の急速充電はUSB PDへ収束か。Googleが機器メーカーに対応を要請

米グーグルがAndroidを採用するスマートフォンメーカーに対して、USB-Cポートを搭載した新規モデルでのUSB PD規格準拠と、デジタル・ウェルビーイング機能搭載への対応を求めていることが判明しました。

USB PDのPDとは「Power Delivery」の略で、最大100Wの電力を送ることができる仕様。スマートフォンにおいては実質的に急速充電の技術としても使えますが、その視点で見た場合、汎用性が高い点が特徴です。

現在多くのAndroidスマートフォンがUSB-Cポートを搭載していますが、USB PDへの対応はじょじょに増加しつつはあるものの、いまだにメーカーによってバラバラ、というのが現状です。

また、一部のスマートフォンメーカーは独自の高速充電技術をアピールしていますが、これは同梱されている充電器を利用する必要があり、市販されている一般的なUSB-C充電器では(充電器側がUSB PD対応であっても)十分な性能を発揮できないケースがある......という問題もあります。

海外テックサイトのXDA-Developersが入手したグーグルのドキュメントによると、新たに販売されるAndroidスマートフォンはUSB PDの仕様に準拠する必要があります。これにより、将来的に充電器の種類を問わずに、Androidスマートフォンを高速充電できる環境が整うことが期待できます。

またその他にも、アプリの使用時間や通知、ディスプレイの色の調節、家族による子供のスマートフォン使用のモニタといった「デジタル・ウェルビーイング」機能への対応も要求されています。現状ではオプション的機能となっていますが、これが標準搭載されることで、スマートフォンの思わぬ使いすぎなどを、グラフ表示などで気付けるようになります。

気になるのは、これらの機能への対応がいつから求められるのか、という点ですが、意外と早そうです。上述のドキュメントによれば、Android 9とAndroid 10やそれ以降を搭載するスマートフォン、あるいは今年の9月3日以降にOSがアップデートされるデバイスにて必須とされています。