BTOでゲーミング化した14万円台のキューブ型PCで快適に遊べるかチェック

自由にカスタマイズできるのがBTOパソコンの醍醐味。前回はサイコムのキューブ型PC「Radiant SIX2700H370」を、ゲームがプレーできる性能にカスタマイズしたが、今回はいよいよ、その実力をチェックしていこう。

なお、カスタマイズした構成は以下の通り。標準構成から変更したのはCPU、ビデオカード、メモリー、ストレージ、CPUクーラーで、合計金額は14万8580円となった。

ゲームの起動やマップロード速度に期待できるストレージ性能

Core i5-9400Fは、第9世代CoreとなるCPU。Core i5-9400との違いは内蔵グラフィック機能が使えないというだけで、6コア/6スレッドという構成や、ベース2.9GHz、ターボブースト時最大4.1GHzという動作クロックなどのスペックは同じものとなる。

まずはこのCPUの性能を、CGのレンダリング性能から独自のスコアを算出するベンチマークソフト「CINEBENCH R20」でチェックしてみた。

マルチスレッドが2155pts、シングルスレッドが422ptsというスコアを算出。過去データと比べると、マルチスレッドのスコアは若干低めとなっているが、その差は100ptsにも満たない。マザーボードとの組み合わせや気温などの要因で多少ブレることがあるため、誤差の範囲といえるだろう。6コア/6スレッドCPUの性能がしっかりと出せている。

続いてストレージ性能を見てみよう。BTOで選んだのはNVMe対応でPCIe接続のSSD「Western Digital WD Black WDS500G3X0C」(500GB)。速度計測には、定番のストレージベンチソフト「CrystalDiskMark」を使用した。

試用した評価機には比較用として、SATA接続の「Western Digital WD Green WDS240G1G0A」(240GB)も搭載されていたので、こちらの速度も計測してみた。

PCIe接続を選んだだけあって、アクセス速度は満足いくものとなっている。SATA接続と比べ、普段の利用で体感できるほどの差を感じられるシーンは少ないものの、巨大ファイルのコピーでは心強い。また、HDDと比べると、ゲームであれば起動やマップのロードなどストレージに依存する場面において、その速さを実感できるだろう。

標準品質であれば、高負荷のゲームも不満を感じず遊べる

いよいよ、気になるゲーミング性能をチェックしていこう。まずは軽量級ゲームベンチの定番である「ファイナルファンタジーXIV:漆黒の反逆者(ヴィランズ) ベンチマーク」から。解像度は1920×1080ドット、画質設定は最高品質、表示はフルスクリーンモードという、重たい設定にして試してみた。

スコアは9647、評価は「非常に快適」という結果だ。低負荷のゲームとはいえ、画質を最高品質にしてもこれだけのスコアが出るというのがうれしい。CPU内蔵のグラフィックスでは解像度や画質を落とさなければ満足に遊べないだけに、その差はかなり大きい。

もう1つ、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」もチェックしてみよう。おなじFFシリーズとはいえ、FFXIV ベンチマークよりもさらに高い負荷がかかり、より高い描画能力が求められる。こちらも解像度は1920×1080ドット、画質設定は高品質、表示はフルスクリーンモードとした。

評価は「普通」と健闘しているものの、シーンによってはカクツキが出るといった恐れがあるスコアだ。一応遊べなくはないが、ところどころで不満が出てしまうだろう。

画質を下げるとスコアはどう変化するのかが気になったので、同じフルHDの解像度のまま、画質設定を標準品質にした場合も試してみた。

画質設定を落としても快適なプレー環境とまではならないものの、評価は「やや快適」にまで改善され、それほど不満を感じずに遊べるレベルになったといえそうだ。

低負荷の実ゲームもフルHDで快適に遊べる

先ほどのFFベンチ2本はベンチマーク専用のソフトだが、実ゲームのベンチモードを使った性能テストも行なってみた。

まず試したのは、「FARCRY New Dawn」。ジャンルはアクションアドベンチャーとなっているが、FPS要素もあるゲームだ。解像度は1920×1080ドット、画質は最高に設定した。

結果は最小46FPS、平均57FPS、最大68FPSというもの。最小が46FPSとやや低めで、シーンによっては少しカクツキが気になってしまう可能性がある。とはいえ、快適なプレーの目安となる60FPSに近い値が平均で出ているだけに、十分遊べる範囲といえるだろう。

もうひとつ試したのは、カーレースゲームの「F1 2019」。比較的軽めなゲームのため、解像度は1920×1080ドット、画質はプリセットから「超高」を選択。また、天候を「豪雨」としてさらに重ための設定にした。

最低でも62FPSという結果で、不満なく遊べるレベルだ。フルHDで高画質設定のまま遊べるとゲームへの没入感が高まるだけに、フレームレート以上に満足できる。

フルHDで遊ぶなら「Radiant SIX2700H370」のカスタマイズは選択肢のひとつ

重たいゲームも快適に遊びたい、より高解像度となる2560×1440ドットで遊びたいというならさらに高性能なビデオカードが必要となるが、なるべく小さく、フルHDで多くのゲームが快適に動くパソコンがほしいというのであれば、Radiant SIX2700H370をカスタマイズするというのはよい選択肢だ。

今回はゲーミングパソコンを例にしたが、イラスト作成、写真・動画編集、仕事で使うワークステーションなど、用途にあわせてカスタマイズできるのがBTOパソコンの醍醐味。自分好みのスペックに変更し、満足いく1台を手に入れたい。