一般消費者向けSSD「SSD 665p」を近日投入。Intelが「Optane Memory」や「3D NAND」に関する最新情報を明らかに

2019年9月26日,Intelは,韓国・ソウルでメモリおよびストレージ製品に関する独自イベントを開催し,その中で,同社が推進するメモリ技術「Optane Memory」や3D NANDフラッシュメモリ(以下,3D NAND)技術に関する最新の情報を発表した。
公開となった内容は,Optane Memoryに関するものと,3D NANDに関するものに分けられる。前者はおもにデータセンター向けで,後者はデータセンターと一般消費者向けを含む。まずは,4Gamer読者にとっても関係がある3D NANDに関する話題から紹介しよう。

Intelは現在,一般消費者向けのSSDとして,同社としては第2世代となる64層3D NANDを用いた製品を提供している。そして2019年中には,第3世代となる96層3D NANDを用いたSSD製品を発売する予定とのことだ。
近日に正式発表を予定しているのが,現行製品である「Intel SSD 660p」(以下,SSD 660p)の後継となる「Intel SSD 665p」(以降,SSD 665p)である。SSD 665pは,現行のSSD 660pと同様にQLC(Quad Level Cell)技術を用いたPCI Express接続対応のSSDになるもようだ。

同時にIntelは,2020年に第4世代となる144層の3D NANDをリリースする計画だという。144層3D NANDにQLC技術を用いたSSDは,データセンター向け製品を皮切りに市場に投入するそうだ。

ちなみにIntelは,QLC技術の次となる技術として,1セルあたり32値=5bitの記録を可能にする「Penta Level-Cell」(PLC)技術の実用に目処が付きつつあることを明らかにしている。市場投入時期などは公開されていないが,いずれはPLC対応NANDを採用したSSDが登場しそうだ。

一方,Optane Memoryに関しては,まず米国ニューメキシコ州のリオランチョに新設したOptane Memory用技術開発ラインの運用を開始するという。
それに合わせて,Intelは,初めてOptane Memoryのシリコンダイ断面写真を公開した。この詳細については,イベントで明らかになるはずだ。

Intelは,このOptane Memoryを用いてデータセンター向けにメインメモリモジュールを置き換える「Optane DC Persistent Memory」と,「Optane DC SSD」を提供している。中でも>Optane DC Persistent Memoryは,メインメモリに不揮発性メモリを持ち込むことで,コンピューティングに変革をもたらす技術だ。
現在のところ限られた形でしか提供されていないが,開発コードネーム「Ice Lake」および「Cooper Lake」を採用する2020年登場の次世代Xeon向けに,「Barlow Pass」(開発コードネーム)と称する新しい>Optane DC Persistent Memoryを投入することも今回発表となった。
そのほかに,データセンター向けのOptane Memory採用SSDとして,次世代Xeon向けの開発コードネーム「Alder Stream」と呼ばれる製品を投入する予定であるそうだ。

Optane Memoryを使ったメインメモリモジュールが,一般消費者向け製品として登場するかどうかは分からない。ただ,Intelは,不揮発性のメインメモリ技術に対応するOSの開発を,Microsoftなどと緊密に連携して進めているとのことだ。もし,この技術が一般消費者向けPCにも導入されることになれば,PCの使い勝手が大きく変わることになりそうである。