ドコモが5Gスマホを3モデル披露。5G Xperiaに2画面スマホも

NTTドコモは、5Gプレサービス発表会「5G OPEN DAY」にあわせて、5Gプレサービス用スマートフォンの情報を公開しました。

ドコモでは5Gの商用サービスを2020年春より開始する予定。それに先駆け9月20日から5Gプレサービスとして、イベントなどの場で5Gの新しい要素をアピールする場が設けられます。今回、そこで用いられる5Gスマートフォン3機種と屋内用5G Wi-Fiルーター1機種が披露されました。

■Xperia 1の5G版プロトタイプ

ソニーモバイル製の5Gスマートフォンは、Xperia 1をさらに縦長にしたようなデザインで、正面の左下には「5GmmWAVE」とミリ波対応をアピールする表示もあります。

このプロトタイプは今年2月の展示会「MWC19 Barcelona」が初出。MWCでは「Xperia 1をベースとしたプロトタイプ」と紹介されています。MWC時点ではミリ波帯のみをサポートしていましたが、今回はサブ6(6GHz以下の周波数帯、sub6)にも対応します。

■「LG V50 ThinQ」とおぼしき2画面スマホ

5Gプロトタイプの中でも目を惹く2画面スマートフォンは、LGエレクトロニクスの製品。LGでは5G対応の2画面スマートフォンをこれまで2機種発表していますが、ドコモが明らかにしている画面解像度(2160✕1080ドットと3120✕1440ドット)から見ても、ベースモデルはLG V50 ThinQとみて間違いないでしょう。この試験端末はサブ6に対応しますが、ミリ波のサポートはありません。

ドコモによれば、5Gならではの見せ方としてマルチアングル配信などを推していきたい考えとのこと。ライブ映像を生配信する「新体感ライブ」やJR九州と取り組む観光列車での情報配信などでこの2画面スマートフォンが活用されることになります。

■「Galaxy S10 5G」らしきスマホ

サムスン製のスマートフォンは、2眼のフロントカメラ、4眼のアウトカメラを搭載。サイズからみてもGalaxy S10 5Gをベースとしたものと思われます。こちらはサブ6、ミリ波ともにサポートします。 NTTドコモは韓国キャリアのKTやSKテレコムと5G技術の開発で協力関係にあります。その両社の5Gサービスで販売端末にラインナップされているのがGalaxy S10 5GとLG V50 ThinQ。すでに商用サービスでの採用実績がある2機種を日本での試験端末として選定したものと思われます。

ちなみにソフトバンクのプレサービスではAQUOS R3ベースの5Gプロトタイプも採用されていますが、ドコモでの採用は今回見送られたようです。

■試作機だけどドコモロゴはしっかり印刷

披露された5Gスマートフォンはいずれも試作機で、市販の予定はありません。すでに海外で発表された5Gスマートフォンと類似しているモデルもありますが、ドコモは「ベースモデルがある機種も含まれるが、ドコモにおいては試作機という扱いで、市販の予定はない」としています。

ただし、商用機でもないのに背面にはきっちりと「docomo」のロゴが印刷されており、ドコモが5Gにかける意気込み(とロゴ印刷に対するこだわり)が伝わってきます。

なお、チップセットとモデムは3機種ともSnapdragon 855+Snapdragon X50 5Gモデムという構成。現状、5Gモデムはファーウェイ製スマートフォン以外はSnapdragon X50モデムの独壇場といっても過言ではない状況ですので、似通った構成になるのは仕方のないところでしょう。

■屋内用5G・Wi-Fiルーターも

ドコモではスマートフォン以外の5G対応端末として、シャープ製の屋内用の5G・Wi-Fiルーターも用意します。5G / 4G LTEの電波をつかみ、Wi-Fiやイーサネットへと出力。据え置き用途を想定したものなので、かなりの厚みがあります。チップセットとモデムは上記スマートフォンと同じくSnapdragon 855+Snapdragon X50 5Gモデムを採用しています。