Eクーポンで半額に近い10万円台に!第2世代Ryzen PRO搭載した「ThinkPad X395」の実力とは?

CPUのシェアを着々と増やしているAMD。ビジネスシーンでの使いやすさに定評のあるレノボも、昨年AMD Ryzen PRO Mobile(以下 Ryzen PRO)を搭載した14型の「ThinkPad A485」や、12.5型の「ThinkPad A285」を投入しているが、春モデルでは最新の第2世代Ryzen PROを採用した13.3型モバイルノート「ThinkPad X395」を新たに用意している。

ビジネスシーンに最適なサイズ感やレノボが培ってきた良好な使い勝手を備える「ThinkPad X395」を触る機会を得られたので、いろいろと試してみた。

「ThinkPad X395」は、13.3型液晶ディスプレーを搭載したインテルCPU採用の「ThinkPad X390」と同じ筐体を採用しつつ、CPUをRyzen PROに変更したモデルになる。

CPUはRyzen 7/5/3 PROから選択可能。メモリーは最大16GB、ストレージ容量最大1TB SSD(256GBはSATAまたは、NVMeを選択可能)。液晶ディスプレーは13.3型で、フルHD解像度のIPSパネルとHD解像度のTNパネルを選べ、サイズは約 幅312×奥行き217.2×高さ16.9mm、重量は約1.28kgからになっている。

今回触った「ThinkPad X395」は、販売価格が20万7360円だがEクーポンを使うことで、300台限定で半額近い10万9901円(送料込み)で購入できる「ThinkPad X395:パフォーマンス」に近い構成のデモ機。CPUが4コア8スレッドの「Ryzen 5 PRO 3500U」でメモリーは8GB、13.3型フルHD液晶ディスプレーなどを備えるが、SSDだけはNVMeではなくSATA3接続だったので、ストレージの速度に関してはカスタマイズできるSATA3接続のSSDの参考値として考えて欲しい。

ビジネスツールとして人気の“X”シリーズ

13.3型液晶ディスプレーを採用したコンパクトモバイルノートPCの「ThinkPad X395」。ThinkPadの伝統となる良好な打鍵感とトラックポイントの快適な操作性に、会議室などにサッと持って行ける極薄型フォルム、USB Type-C形状採用の電源コネクターなど、筐体やインターフェース周りは不満なしだ。

第2世代AMD Ryzen 5 PROの性能はいかほど?

ここからは、GPUにRadeon Vega 8 Graphicsを内蔵する4コア8スレッドAPUのRyzen 5 PRO 3500Uを搭載した「ThinkPad X395」のパフォーマンスを確認していこう。

第2世代Ryzen PROの性能に不満なし

まずはCPU処理能力を確認できるベンチマーク「CINEBENCH」の「R15」と「R20」の結果からだ。

両バージョンともにスコアは上々で、「R15」ではマルチスレッド642cb、シングルスレッド145cbを記録しており、マルチスレッドのスコアは、同じ4コア8スレッド動作になる第8世代の低電圧版Core i7シリーズのCore i7-8550Uを上回っている。「R20」も同様で、マルチスレッド1405cb、シングルスレッド366cbを記録している。

続いてはシステム全体のパフォーマンスを定番ベンチマークの「PCMark10」で測定していこう。テストは誰でも利用できる無印を実行すると、総合スコアは3729と悪くない数値。各テストのスコアを見ると、日常使いや軽い写真の編集、RAW現像は問題なく快適に作業できるだろう。

システムパフォーマンスに影響するストレージも「CrystalDiskMark」で見ていこう。結果は以下の通りで、SATAの上限値に近いアクセス速度になっている。日常使いには十分といえるが、より快適な操作性や読み書き速度を求めるなら、NVMeタイプにカスタマイズしよう。

ギリギリFF XIVが遊べるレベル

最後は「ThinkPad X395」のゲーミング性能を「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズベンチマーク」で見ていこう。

「3DMark」は「Fire Strike」、「Night Raid」、「Time Spy」を実行。「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズベンチマーク」は、描画「標準品質(ノートPC)」のフルHDとHD解像度で試している。

まずは「3DMark」だが、CPU内蔵GPUとしては優秀で、「Fire Strike」は2335スコア、「Night Raid」8554スコア、「Time Spy」839スコアの結果を出している。なかでも、「Night Raid」は上々で、テスト内のフレームレートは30fpsオーバーを記録している。

「ファイナルファンタジーXIV」のほうは、フルHDでギリギリ。解像度1280×720ドットで採掘などといった戦闘外のプレイが可能といったところだ。FF XIVは比較的、負荷の高いゲームになるので、より軽いブラウザーゲームなどの息抜き系なら快適に遊べると言える。

バッテリー駆動時間もチェック

最後のセッションは「PCMark10」を使ったバッテリー駆動時間のテストだ。

Microsoft Officeでの作業を想定した「APPLICATIONS」でバッテリー消費を計測すると、駆動時間は7時間34分になった。公称時間の約半分だが、Officeアプリを外出先で連続7時間使えれば十分と言えるだろう。なお、計測時の電源プランはデフォルトの「Lenovo インテリジェント電源」のままで行っている。

ThinkPad好きな筆者の欲目も多少あるが、第2世代Ryzen PROを搭載した「ThinkPad X395」は日常使いから、ビジネス、写真編集、息抜きゲームまでを快適に行えると言えるだろう。なかでも、インテル Core i5-8265Uなどを採用している「ThinkPad X390」を考えている人にとっては、同じ筐体で高いCPUとGPUパフォーマンスを備えている「ThinkPad X395」も一考の価値ありだ。