「Windows 10 20H1」新プレビュー、クラウドを利用したPCリセットが可能に

Microsoftは米国時間8月29日、「Windows Insider」プログラムに参加している「Fast」リングのテスターに向け、「Windows 10 20H1」のテストビルド「Build 18970」をリリースした。同ビルドには、かねて約束されていた、クラウドを用いてPCをリセットする機能や、タブレットユーザー向けの新たなデスクトップモードなど、複数の新機能が搭載されている。

PCのリセットに関して同社は既に、「Microsoft Surface」ユーザーに対して、ローカル環境での「Windows」の再インストールではなく、ダウンロードという選択肢を提供している。そして同社は20H1において、この新たな回復オプションをすべての「Windows 10」ユーザーに提供しようとしている。この新オプションでは、ユーザーのデバイスに現在インストールされているものと同じエディションの同じバージョン、同じビルドが再インストールされる。ただし、ユーザーによってインストールされていたアプリは削除され、「remove everything」(すべてを削除する)が選択されている場合にはデータも削除される。

Microsoftの同日付けのブログ投稿には、クラウドからのダウンロードというこのオプションは現在のところ、「特定のオプション機能がインストールされている」場合にはうまく動作しないと記されている。これらのオプション機能には、Windows 10向けのRSAT(Remote Server Administration Tools)や、EMS(Enterprise Mobility + Security)、SAC(Special Administration Console)Toolset、IrDA赤外線、プリント管理コンソール、RAS Connection Manager Administration Kit、SNMP、Windows FAXとスキャン、Windows Storage Management、ワイヤレスディスプレイ、SNMP WMIプロバイダーが含まれている。

Build 18970では、2-in-1型のコンバーチブル製品向けに新たなタブレットオプション(ベータ版)が導入されている。このオプションにより、キーボードを切り離したり、タブレットに折りたたんだ場合でもデスクトップ寄りのモードを維持できるようになる。この機能を実現するうえで同社は、タスクバー上のアイコンの間隔を広げたり、ユーザーがテキストフィールドをタップした際にタッチキーボードが自動的に起動されるような調整を加えている。同社のブログ投稿によると、現時点でこれらは、Insiderプログラムの「一部参加者」のみが利用できるという。

またBuild 18970より、米国内のすべての「Fast」リングのテスターは、新しい独立した「Cortana」アプリを利用できるようになった。

今回のビルドには、さまざまな修正やアップデートも含まれている。それらの内容については、同ブログ投稿で解説されている。

さらに、Microsoftは29日付けで「Release Preview」リングのテスターに向け、最新のテストビルド2種に対する累積アップデートもリリースしている。今回リリースされたのは「Build 18362.329」と「Build 18363.329」であり、両アップデートには、LTEまわりの修正や、バグチェックを引き起こすようなさまざまな問題への対処が含まれている。