タッチパッドを備えた8.9型UMPC「GPD P2 Max」レビュー

ここ数年で増えてきた7インチ~8インチの小型PC。そんな小型PCをいち早くリリースしていた中国GPDの新製品が、8.9インチのGPD P2 Maxです。

クラウドファンディングのIndiegogoで出資を募っていた製品ですが、日本国内でも正規代理店の天空から9月下旬に発売が予定されています。価格は7万8600円から。

一時期は7インチが主流だった小型PCですが、今年に入り8インチオーバーなものが増えてきました。GPD P2Maxは、その中でも8.9インチと最大サイズ。

解像度は2560 x 1600。7インチのGPD Pocket 2が1920 x 1200だったので、若干向上しています。画面スケーリングは200%が推奨されていますが、150%でもギリギリ使える大きさです。

なお、スタイラスのサポートもうたわれていますが、専用スタイラスが用意されているわけではありません。市販のアクティブスタイラスが使える、という意味なのでしょう。

画面の大型化に伴い、当然ながら筐体も全体的に大きくなりました。本体サイズは206 x 149.5 x 5.5〜14.2mm。8.4インチのOneMix 3Sや7インチのOneMix 2Sと比べてもかなり大きくなっています。

インターフェースは左側面にUSB Type-Aと3.5mmジャック。

右側面にUSB Type-A、Type-C、micro HDMI。

200万画素のWebカメラも搭載しているので、Web会議などでも利用できます。

GPD P2 Maxは、エッジ部が薄くなるデザインを採用しているため、裏からだと中央が膨らんだように見えます。なお、左上にあるのは吸気口。排気口はヒンジ部にあります。

そしてこのファン、かなり大きな音を出します。無負荷状態でもうるさいと感じるので、図書館など静かな環境での利用は、控えたほうが良さそうです。

画面に合わせて、キーボード部も拡大。従来のポインティングデバイスの代わりに小さいながらもトラックパッドを備えます。

正直なところ、このサイズのトラックパッドは使い難いのではと、発表当時は否定的だったのですが、意外と使いやすく、試用した範囲では操作ミスなどもありませんでした。

ただ、トラックパッドを配置するため、キーボードが6列から5列に縮小されてしまいました。これにより、多くの記号がFnとの組み合わせになっています。

これで一番影響を受けていると思うのが、音引き(ー)です。Fn+Iの組み合わせになり、入力にひと手間増えてしまうのが残念なところ。なお、チルダ(~)もFn+Yの組み合わせになったためなのか、日本語切替が「Alt + ~(Fn + Y)」では行えませんでした。ブラウザーの拡大縮小も「Ctrl + +/-(Fn + O/U)」で行えず、ほかにもショートカットの制限が発生している可能性はありそうです。

これなら、タッチパッドを廃止してでも6列にしたほうが良かったのではと思えるのですが、英語圏ではさほど問題にならないのかもしれません。

最後に、ベンチマークをとってみました。GPD P2 MaxのCPUは、Core m3-8100Yで、他の小型PCでも良く使われているもの。メモリは16GBでストレージ512GB。

手元にGPD Pocket2がないので、OneMix 2S、OneMix 3Sと比較しましたが、ほぼ同仕様なだけあり、そこまで大きな差はありませんでした。

ただ、ストレージに関しては、全体的にOneMix 3Sよりも高速になっています。ちなみにGPD P2 Maxは M.2 2280のSSDを採用。

画像処理などはやや厳しそうですが、軽めのゲームやテキスト主体の作業なら十分に利用可能です。程よく見やすい大きさのディスプレイがあり、使いやすいタッチパッドを備えたGPD P2 Maxは、ミニPCということを意識せず、気軽に持ち運んで使うにはぴったりかもしれません。

ただし、先に書いた通り、キーボードの配列が特殊なので、そこを受け入れられるかどうかで、評価は大きく変わりそうです。