神戸電子専門学校が導入したのは、薄くて軽いのにパワフルなインテル第9世代コアのMSI製ゲーミングノートPC

スペックが高いことは必須条件 生徒が持ち歩く負担を考え軽量の「GF63」を選択

本特集では2019年からMSIのノートPCを採用した、神戸電子専門学校の経緯や導入後の成果を前編と後編の2回に分けてお届けしている。ワークステーションノート「WE63」の導入事例を紹介した前編に続き、後編では3学科にゲーミングPC「GF63」を導入したゲームソフト分野の担当教員 黒崎翔馬さんにお話を伺った。

ゲームソフト分野では2018年からゲーミングPCを導入したものの、その重さが毎日持ち歩く学生の大きな負担になっていたという。そこで、2019年はスペックだけでなく軽さも求めて「GF63」を導入。学生からは重さに悩む声がほとんど挙がらなくなったそうだ。

質問1:「GF63」の導入前に感じていた課題や導入に至った背景を教えてください。

私は普段は1年生の授業を担当しています。MSIさんとは、ゲームソフト分野にPCを導入する担当者が、当校も出展していた2018年の東京ゲームショウで初めてお会いしました。ちょうど翌年に新入生向けに購入を推奨するPCの選定をしていた時期です。

当校では2018年から新入生が購入するマシンをゲーミングPCに切り替えています。プログラミングやゲーム制作の授業を行なうマシンとしては、スペックが向上して快適に利用できるようになりましたが、同時に本体が重くなったのも悩みでした。2kgを超えるPCだけでなく、周辺機器や教材も詰めて毎日登校してくる学生にとっては大変ですし、事故が起こるリスクも上がります。学生の中にはキャリーケースに入れて引いてくる子もいました。

そこで2019年に導入するPCは、少しでも軽くできればと考えていました。もちろん軽いからといってスペック面で妥協することはできませんが、持ち運ぶ学生の負担も軽減できればと思い、2kgを切るMSIさんの「GF63」を検討する機種に加えたのがきっかけです。

質問2:MSIのノートPCを選んだ決め手を教えてください

当校では導入前に各メーカーからスペックが一番高いマシンを借りて検証をしています。長年検証を担当している教員が独自のベンチマークを用意し、学生が授業では作らないくらいの負荷が高いプログラムを回して、問題なく動くかチェックしました。基準をクリアした候補の中から、価格やサポート面などをトータルで判断して、最終的に導入するマシンを決定します。

今回は重量に課題を感じていたので、軽さも検討材料に加えていました。ただ、まずはスペック面で当校の基準を満たしていないと授業が満足にできないため、導入候補には挙がりません。MSIさんの「GF63」は本体重量が1.86kgと、他のゲーミングPCに比べて頭ひとつ軽いことは仕様を見てわかっていたので、スペックをクリアできるか注目していました。結果として「GF63」は当校が求めるボーダーに問題なく乗ってくれたので、自信を持って2019年度から採用しています。加えて、MSIさんは今回初めて検討したメーカーだったので、試してみたいという思いもありました。

質問3:導入後の成果や手応えはいかがでしょう?

ゲーミングPCとしては1.86kgと非常に軽いため、持ち歩く際の負担は減ったと思います。ゲーミングPCを導入しはじめた昨年は、PCが重いという学生の声もよく聞こえましたが、今年はほとんどありません。また、筐体サイズがひと回りコンパクトになったのもうれしかったです。学生が授業をする机に大きいゲーミングPCを置くと、教材を置くスペースが狭くなってしまうのですが、スペースにも余裕ができました。

スペックは当校の基準をクリアしてくれたので、十分だと思っています。もちろん今の新入生は負荷がかからない基礎的な授業を中心に進めているので、性能をフルに発揮するシーンはほとんどありませんが、本格的にゲームを制作するようになっても快適に使えると思います。

質問4:神戸電子専門学校の今後の展望や目標を教えてください

ゲームソフト分野に来る学生の大半は、ゲームが好きで入学していると思いますが、プレイするのと作るのでは立場が大きく異なります。実際にゲームを制作する過程では多くの壁にぶつかりますが、粘り強く指導をして挫折する子をゼロにするのが最終的な目標です。そのため、PCを触ったこともない学生にいきなり3Dを教えるといった、一足飛びな授業はしていません。まずは2Dから勉強して、その後に3Dを学ぶというステップを踏んで丁寧に教えていくことで、さらに理解が深まると思います。

今はプログラミングをしなくてもゲームができる時代に突入しつつあります。当校に興味を示してくださる企業さんの大半は、全員プログラマーだと思って訪ねてくれますが、「プログラムだけでなくゲームエンジンも使えますよ」といった具合で、生徒には多くの可能性を与えられるようにしたいと思っています。

当校のマシン選定においては、オーバースペックになるくらい性能が高いPCを求めています。もちろんハイスペックが要求されるUnreal Engineなどを使うためでもありますが、学生には制作する側としてさまざまなゲームをしっかりプレイしてほしいからです。今はPCでゲームをすることの方が多くなりました。「みんなが知っているゲームなのに自分は遊んだことがない」という事態にならないよう、どんなゲームでも動かせるPCがほしいと思っています。

今年はMSIさんの「GF63」を導入しましたが、来年はまたゼロから横並びで検証することになります。MSIさんは今年導入して期待以上の結果を出してくれたので、来年もぜひ引き続き導入したいと思えるようなゲーミングPCを用意していただけるとうれしいです。