アップルは9月のイベントで何を発表?--これまでのうわさまとめ

この記事では、9月に発表が見込まれる次期「iPhone」への搭載が予想される新機能をおさらいするほか、AppleがIntelのモデム事業を10億ドルで買収して5Gへの大きな賭けに出たことについて論じる。さらに、次期「MacBook Pro」や「Apple Watch」、Appleの複合現実(MR)ヘッドセットに関する最新のうわさについても解説する。

9月に3機種の新型iPhoneが登場か

次期iPhoneについては、新しいうわさが毎週飛び交っているように思えるが、それらのうわさの内容がすべて同じになってきているような印象を受けるのは、おそらく新型iPhoneの発表が実際に近づいているからだろう。

9to5Macの7月下旬の記事では、新型iPhoneに施されそうなさまざまな変更点(あるいは、変更がなさそうな点)が紹介されている。同記事は、すでに新型iPhoneを実際に見たとされる人の話を基にしており、われわれが新型iPhoneについてすでに耳にしていた内容の多くに沿うものとなっている。さらに、いくつかの新情報も伝えている。

例えば、3種類の新型iPhoneは2018年モデルとよく似た外観になり、画面サイズも同じ(5.8インチ、6.1インチ、6.5インチ)になるとうわさされている。さらに、同じ解像度とスクリーン技術が採用される見通しだ(「iPhone XS」と「iPhone XS Max」の後継機種はOLED、「iPhone XR」の後継機種はLCDスクリーン)。

新型iPhoneは引き続き「TrueDepth」前面カメラを使用する「Face ID」を搭載し、ノッチも同じサイズになる。9to5Macが指摘していた唯一の違いは、Appleが「3D Touch」を廃止する可能性があり、2019年のiPhoneの前面カメラにはスローモーション録画機能が搭載される予定ということだ。これまでうわさされていたように、スクリーン内指紋スキャナーが新型iPhoneに搭載されるかどうかについては、言及していない。

2019年のiPhoneの全機種で、背面には、新しい、角の丸い大きめの正方形の出っ張りがあり、ここにカメラが内蔵されるという。XSとXS Maxの後継機種では、従来の広角カメラと望遠カメラに加えて、新しい超広角センサーが搭載される見込みだ。XRには広角および超広角カメラしか搭載されず、これまでと同様、ソフトウェアを使ってポートレートモード効果を作り出す可能性が高い。

9to5Macの記事によると、新型iPhoneには、「Smart Frame」と呼ばれる新機能も搭載されるという。この機能は新しいレンズを使って、写真のフレーム外の領域を記録する(静止画と動画で利用可能)。その情報は一定期間保管されるので、被写体をフレーム内に収め損なった場合、その画像に戻って、フレームの範囲を広げることができる。

9to5Macの記事は、より大容量のバッテリー、より強力な新型「A13」プロセッサー、「Galaxy S10」スマートフォンのような双方向充電機能についてのうわさにも沿う内容となっている。

「iPhone 11R」とされるモデルでは、2018年のコーラルとブルーに代わる2つの新色として、ライラックとグリーンが用意されるとのうわさもあるが、9to5Macの最新の記事ではこれに言及していない。さらに、新型iPhoneでは、「iPad」のように側面に新しい円形のミュートスイッチが搭載されるほか、従来の「Lightning」ポートも維持される(「USB-C」は採用されない)といわれている。

AppleがIntelのモデム事業を買収

Appleは近い将来、未来のiPhone向け5Gチップを自社で製造するようになるかもしれない。2020年のiPhoneはQualcommの5Gチップを搭載した最初の5G対応iPhoneになるのではないか、とすでにうわさされていることを考えると、なおさらそう思える。

そのように予想するのは、AppleがIntelのスマートフォンモデム事業持ち分の過半数を取得することで合意したと発表したからだ。今回の買収は、約10億ドルと評価されている。この背景には、特許ライセンスをめぐって、AppleがQualcommと2年間の法廷闘争を繰り広げたことがある。両社は複数年のチップ供給契約を結ぶことで合意し、Appleは自社のスマートフォンでQualcommのモデムを使用できることになった。Intelのモデム事業を買収することで、Appleはより多くの特許を取得し、Intelのモデムチームの人材的なサポートを得ることができる。Appleが同様の技術に関して、Qualcommのような企業への依存を終わらせる上で、それらのことはプラスになるだろう。

2019年内に新型MacBook Proが登場か

Appleは先頃、「MacBook」シリーズの新製品を発表したが、2019年中に別の新製品が発表される可能性がなくなったわけではない。台湾のサイトである経済日報によると、Appleは3072×1920ピクセルのLCDディスプレイ(現行の15インチMacBook Proは2880×1800ピクセル)を搭載するハイエンドの16インチノートブックを早ければ10月にも発表する準備を進めているという。

ほかに可能性があるアップデートとしては、より高性能なプロセッサーや、Appleにさまざまな災難をもたらした、問題の多いバタフライスイッチキーボードに取って代わる新しいシザースイッチ機構が含まれる。しかし、これらのアップグレードには、コストも伴う。経済日報の記事によると、新型MacBook Proの価格は3000ドル(約32万円)に達する見通しだという。

同記事は、13インチMacBook Proと「Retina」スクリーン搭載「MacBook Air」のアップデートにも言及している。

新しいスクリーンを搭載するApple Watchが2020年に登場か

新しいスクリーンを搭載するApple Watchが2020年に登場するかもしれない。経済日報の別の記事によると、Appleは2020年のApple Watchで、従来のOLEDディスプレイからmicroLEDディスプレイに切り替える予定だという。microLED技術は、OLEDよりも明るいだけでなく、スクリーンのエネルギー効率も高める。これにより、バッテリー持続時間が長くなる可能性もある。バッテリー持続時間が改善されれば、Appleはようやく睡眠追跡アプリをApple Watchに標準で搭載できるかもしれない。

Appleの最新特許が示唆する新しいハードウェア

Appleは、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)を表示できるヘッドマウントディスプレイとコントローラーを含む複合現実(MR)システムの特許を申請した。

このヘッドセットは複数のセンサーを搭載し、周囲の環境だけでなく、ユーザーの顔の表情も追跡するという。コントローラーは1基以上のプロセッサーを搭載する。

Appleは2018年4月、8Kディスプレイを搭載するARまたはMRのメガネを2020年までに発売すべく取り組んでいると報じられた。しかし、DigiTimesによる最近の報道によると、 このメガネに完成のめどが立っておらず、消費者にとって魅力的な価格帯に収まってもいないため、Appleはこのプロジェクトを中止したという。

今回の特許出願は、Appleがまだこの分野に関心を持っていることを表しているが、実際に製品が実現するには当初の見込みよりも長い時間がかかりそうだ。