「年内は厳しいかも」――Ryzen 9 3900Xの枯渇が深刻に

先週、第9世代Core iシリーズに新ラインアップが追加された。6コア6スレッドの「Core i5-9500」で、価格は2万6000円前後(税込み、以下同)。Core i5-9400(2万3000円前後)の1つ上に位置付けられており、クロック数が標準で100MHz高い3.0GHz、ターボブースト最大値は300MHz高い4.4GHzとなる。TDPは65Wで変わらない。

第9世代Core iに新モデル「Core i5-9500」が登場

入荷したTSUKUMO eX.は「ボリュームゾーンのCore i5の層が一段と厚くなったのはいいことですね。Core iシリーズ全体の在庫も一時期より回復していますし、体勢を整えるのに貢献しそうです」と評価していた。

一方で枯渇が深刻になっているのが、第3世代Ryzenの現行最上位となるRyzen 9 3900Xだ。ほとんどのショップで在庫を切らしているのはもちろん、予約を打ち切っているのが現状だ。あるショップは「3900Xの需要が世界的に見込みを大きく上回ったみたいで、年内に再入荷いけるか……というレベルになっています。米国のAmazonで見つけたら買ってもいいんじゃないかというくらい」とこぼす。「一時期のCore i9-9900Kよりもひどい状況」とのコメントも耳にした。

最上位モデルがない状況で、第3世代Ryzenの売れ筋はRyzen 7 3700Xに移行している様子だ。ドスパラ秋葉原本店は「3800Xは『3900Xがないから』という理由で買っていく人が多いですが、3700XはTDP 65Wという武器がありますからね」と話していた。ただ、3800Xと3700Xも街全体では品薄傾向にある。

「Pro IntelliMouse」が登場! ゼンハイザーのヘッドセットも好評

入力デバイスで話題になっていたのは、日本マイクロソフトのUSBマウス「Pro IntelliMouse」だ。往年の大ヒットマウス「IntelliMouse Explorer 3.0」の復刻版は2018年1月に「Classic IntelliMouse」として同社からリリースされているが、今回はその上位版という位置付けになる。シャドウホワイトとシャドウブラックの2色があり、価格は7200円弱だ。

ボディーは従来を踏襲しており、トラッキングセンサーにはゲーミング仕様の「PixArt PAW 3389 Pro-MS」を採用。分解能は最大1万6000dpiで、リフレッシュレートは最大1万2000FPS、トラッキングスピード最大400IPS、最高加速度50Gを実現している。その他、サイドボタンに滑り止めをつけて、ケーブルをメッシュタイプにするなどディテールにも強化がみられる。

パソコンSHOPアークは「超ロングヒットマウスがゲーミングに最適化したという印象ですね。価格もそこまで高くないですし、気になっている人は多そうです」と高く評価していた。

また、ゲーミングデバイスでは、ゼンハイザーのヘッドセット「GSP 670」も目立っている。Bluetooth、またはUSBレシーバーで接続するワイヤレスモデルで、価格は4万1000円弱だ。

「オーディオマニアに人気のあるブランドですが、音質が良いという評判がじわじわとゲーマーにも広まっていて、新たなファンを獲得している印象です。こちらも『高くてもゼンハイザーだから』と売れそうですね」という。

白クーラーで覆ったRTX 2080 SUPER搭載カードがデビュー

7月下旬に登場したGeForce RTX 2080 SUPER搭載グラフィックスカードは、先週もラインアップが続々と追加されている。

複数のショップで目立っていたのは、ASUSTeKの「ROG-STRIX-RTX2080S-A8G-GAMING」だ。オリジナルの3連ファンクーラーを採用したモデルで、価格は11万1000円前後となる。TSUKUMO eX.は「RTX 2080の登場時と同じくらいのお値段ですね。『STRIXだからまぁ』ということで、普通に人気が出そうです」と話していた。

また、ドスパラ秋葉原本店では、白で統一した独自クーラーとバックプレートを採用したPalit製カード「GeForce RTX 2080 SUPER WGRP 8G/WGR 8G」が展示されている。価格はWGRP 8Gが9万9981円で、WGR 8Gが9万6000円だ。両者の主な違いはブースト最高クロックとRTX-OPSで、WGRP 8Gが1860MHz/65T、WGR 8Gが1830MHz/64Tとなる。

同店は「白はイルミネーション的に映えますし、展示に注目されている方も多いです」と反響に喜んでいる様子だった。

5000円のM.2 NVMeケースに1800円のCPUクーラー

先週はアイネックスからの新製品が複数注目されていた。

M.2 SSD用の外付けケースとしては、NVMe対応の「HDE-13」とSATA対応の「HDR-12」が登場している。価格は順に5000円強と2500円強だ。いずれもUSB 3.1(GEN2)に対応し、本体サイズは33(幅)×100(奥行き)×9(厚さ)mmとなる。

テクノハウス東映は「どちらもM.2外付けケースとしては最安クラスです。デザインも無難ですし、UASP(USB Attached SCSI Protocol)にも対応しているということで、順調に売れてくれそうです」と話していた。

また、トップフロー型のLGA115x専用CPUクーラー「CC-06S」も投入されている。リテールクーラーに近いデザインながら、バックプレートで挟んで固定する仕様になっており、価格は1800円前後となる。「バックプレートでしっかりと固定したいという人には良い選択肢になるでしょう」(TSUKUMO eX.)

自作用の小物としては、手元をLEDランプで照らす11in1の伸縮精密ドライバーセット「TL-019」も同時に店頭に並んでいる。価格は1400円弱だ。「パーツ交換などで入り組んだ場所のネジを外すときに、手元ライトのありがたさが実感できるんじゃないかと思います」