レノボ、「ホンキのThinkPad」を2モデル発売〜1.47kgでNVIDIA Quadro搭載P43sと4K対応でRTX5000も積めるP53

レノボ・ジャパンは、ThinkPadシリーズのモバイルワークステーション「ThinkPad P43s」と「ThinkPad P53」を発表しました。同社のオンラインショップなどで本日より出荷を開始します。

モバイルでも高性能なスペックがほしいというユーザーの声に応えるThinkPadのモバイルワークステーションシリーズ。特徴はスペックを柔軟にカスタマイズできること。一般的なノートパソコンよりも高性能なCPU、GPUが選択でき、大容量メモリを搭載可能。動画編集やWebデザインから、3D制作、CAD、VRデバイス、機械学習、解析といった用途に対応します。

■GPU搭載で重さを抑えた「ThinkPad P43s」

ThinkPad P43sは、14インチディスプレイのモバイルワークステーション。重さを約1.47kgに抑えつつ、GPUとしてNVIDIA Quadro P520を搭載します。

CPUは第8世代インテルCore i7 プロセッサ(Core i7-8665UまたはCore i7-8565U)を搭載。メモリは最大48GB、ストレージは最大2TBを選択できます。3D CADの場合、制作にはやや物足りないスペックですが、デスクトップのメインマシンで制作したデータを表示するような使い方ならば十分活用できる性能です。

ディスプレイはAdobe RGB 100%の色域カバーやDolby Vision対応のHDR表示も対応するWQHD液晶を選択可能。SIMフリーのLTEオプションも用意されます。充電は付属のACアダプターのほか、USB Type-C
端子からのUSB PD充電にも対応。大きさは約329×227×18.9mm、重さは約1.47kgです。

最小構成の場合、価格は19万4000円(税別、以下同)で、CPUはCore i7-8565U(1.80GHz)、メモリは8GB、ストレージは256GB SSD、フルHDディスプレイという構成になります。

■流体解析や機械学習モデル作成もこなす「ThinkPad P53」

ThinkPad P53は、15.6インチで最高峰のスペックを選択可能なモバイルワークステーション。GPUにはNVIDIA Quadro RTX 5000 /RTX 4000/RTX 3000/T2000/T1000の5つの選択肢を持ちます。 CPUは第9世代インテルXeon-E/Core i9-9980H/Core i7-9850H/Core i5-9400から選択可能。メモリは最大128GB、ストレージは最大2TBを選択できます。

ディスプレイは15.6インチ。UHD(4K)解像度でOLED(有機EL)タッチディスプレイ、UHD IPS液晶、フルHD IPS液晶の3種類から選べ、UHD IPS液晶選択時にはオプションとして、キャリブレーション(ディスプレイの個体差補正)を済ませた状態で出荷するサービスが用意されます。

NVIDIA Quadro RTX 5000やメモリ128GBを選択した最大構成なら、これまでデスクトップPCでしか処理できなかった流体解析のような重い演算にも対応可能とされています。ただし重さは約2.45kgあり、USB Type-Cからの給電での動作は非対応となっているため、外出先で利用する場合は電源の確保が重要になりそうです。バッテリー駆動時間は19.8時間とのこと。

ThinkPad P53は最小構成で27万9000円という価格設定。Core i7-9850H プロセッサにNVIDIA Quadro RTX 4000、32GBメモリ(16GB×2)、512GBのSSD、FHD IPS液晶 を選択した場合で58万4000円となっています。

多くの人には縁の無いスペックかもしれませんが、一部のパワーユーザーには確実に重宝するであろう構成が選択できるThinkPadのモバイルワークステーション。働き方改革の必要性が叫ばれるなか、リモートワークの新たな市場を開拓する一台となりそうです。