Xbox OneからMicrosoftの音声認識アシスタント「Cortana」が消える

Xboxの最新アップデートなどをいちはやく体験し開発チームにフィードバックできるのが「Xbox Insider Program」で、同プログラムでいちはやく提供するアップデートや新機能を開発する部署がXbox Insiderチームです。このXbox InsiderチームのリーダーであるBrad Rossettiさんが、Xbox Oneのホーム画面に新デザインを採用することと、Microsoft製の音声認識アシスタント「Cortana」などを用いた音声コマンドに大きな変更を加えることを発表しています。

◆新しいホーム画面
Xbox Oneのホーム画面は電源を入れて最初に表示される画面で、ゲームをプレイしたり映像を視聴したりと、Xbox One上で何かしらのアクションを行う際に必ず経由する画面です。Xbox Insiderチームはこのホーム画面を改良することで、より簡単かつシームレスにユーザーがXboxを使えるようにしたいと考え、ホーム画面の改良に着手した模様。ユーザーのフィードバックを基に、より素早くゲームプレイに移行でき、Xbox上で扱えるコンテンツをより前面に押し出したホーム画面に改良したそうです。

Xbox Insiderチームの提案する新しいホーム画面は以下の通り。Xbox Game PassやMicrosoftのライブストリーミングプラットフォームMixer、Xbox Community、Microsoft Storeへのより迅速なアクセスが可能になっています。

この新しいホーム画面を試したい場合はXbox Insider Programに登録する必要があります。また、新しいホーム画面デザインのフィードバックについてはXbox Idea Hubで求めています。フィードバックの内容によっては、新しいデザインのホーム画面が世界中のXbox Oneユーザーにも反映されることとなります。

◆Xbox Oneの音声コマンドが変更
2018年秋頃からXbox Oneは「Xbox Skill for Cortana」およびAlexa対応端末と接続して、音声コマンドで操作することが可能になっていましたが、この音声コマンドについてもアップデートを加える予定であるとしています。

アップデートは、Xbox Oneの音声コマンドを端末上で処理するのではなくクラウド上で処理するように進化するものだとのこと。Rossettiさんは「ヘッドセットを介してCortanaと会話することはできなくなります」と明言しており、海外メディアのThe Vergeは「Microsoftはクラウドベースのアシスタントに移行しつつあり、既に行われていた一部音声コマンドのAlexaとの統合と全く同じことがXbox OneのCortanaでも起きた」としています。

なお、今後もiOS・Android・WindowsのCortanaアプリ、もしくはHarmon KardonのInvoke Speakerを介してXbox One for Cortanaを起動すれば、Xbox Oneの電源をオンにしたり、音量を調整したり、ゲームやアプリを起動したり、スクリーンショットを撮影したりすることが可能とのこと。ただし、MicrosoftはAlexaと統合したクラウドベースの音声コマンドを推奨しており、「今後も段のフィードバックに基づいて音声機能を拡張していく」としています。

Xbox Oneの音声コマンドについては今後のアップデートで徐々に展開され、秋ごろまにはすべてのユーザーが使えるようになる予定です。

The Vergeは「CortanaがXbox Oneから消えていくのを見るのは当然のこと」として、Microsoftがよりビジネスに特化する形でCortanaの将来を設計していると指摘。また、Microsoftは2019年5月10日のWindows 10アップデートで検索からCortanaを切り離し、Cortanaを単体のアプリとしてMicrosoft Storeで配信し始めています。これらを含めて、「XboxからCortanaが削除されることは、消費者向けの音声認識アシスタントの終焉に向けたステップだ」とThe Vergeは記しています。