X570初のmicroATXマザーが登場! Ryzen 7 3700X以上はやはり枯渇

先週のマザーボード売り場で話題になっていたのは、ASRockから登場した「X570M Pro4」だ。第3世代Ryzenに対応する、AMD X570チップセットを搭載した初のmicroATXサイズとなるモデルで、価格は2万7000円弱(税込み、以下同)となる。同時にATXサイズの「X570 Pro4」も2万3000円弱で出回っている。

Ryzen 7 3700X箱つぶれ並行輸入品も店頭に――第3世代Ryzenの今

入荷したドスパラ秋葉原本店は「Mini-ITXは既にギガバイトから『X570 I AORUS PRO WIFI』が登場していますが、拡張性とコンパクトさのバランスが取れたmicroATXで組みたいという人も少なくありません。選択肢が増えたことは朗報ですね」と喜んでいた。

しかし一方で、第3世代Ryzenマシンを組むのに向かい風が吹いているのも確かだ。DDR4メモリの品薄傾向が強まり、一部のモデルでは既に値上がりが見られるのは既報の通り。

CPUも、人気の中心となっているRyzen 7 3700X以上のモデルについて品薄傾向が続いている。遅れて登場したRyzen 7 3800Xの在庫はいくつかのショップで在庫が確認できたが、現行最上位のRyzen 9 3900Xは枯渇に近い状況だ。

Ryzen 7 3700Xも多くのショップが売り切れとしており、TSUKUMO eX.のように独自に並行輸入品を仕入れて急場をしのぐ例もみられる。箱つぶれが見られるワケあり品となるが、価格は通常のリテール品と変わらない。保証期間は国内正規版より1年短い2年となる。それでも売れている。

同店は「CPUの生産自体は順調らしいんですが、世界中で引き合いがあってどれだけ仕入れられるか見えてこない状況です。それに加えてメモリの問題があるのが心配ですね」とこぼしていた。

順調なRTX 2070 SUPER、上位版RTX 2080 SUPERの深夜販売決定

もう1つ、品薄傾向が目立っているのが先々週に登場したGeForce RTX 2070搭載のグラフィックスカードだ。多くのショップの価格表で売り切れ札が目立っており、「型番指定で買い物するのは厳しめの状況」(パソコンSHOPアーク)といわれている。

とはいえ、第3世代Ryzenと比べると深刻に捉える声はずいぶん少ない印象だ。あるショップは「確かに予想以上に順調に売れていますが、元々入荷を控えめにしていただけなので、仕入れを調整すれば普通に安定するでしょう。『予想よりもちょっと売れているな』というズレが他店も皆同じだったということなのかなと思います」と軽い感じで話していた。

そのちょっとした追い風を強めそうなのが、上位版GPUの「GeForce RTX 2080 SUPER」だ。7月23日22時に販売開始がアナウンスされており、ドスパラ秋葉原本店は当日販売を告知している。同店は「RTX 2070/2060 SUPER登場時から待っている人がいるGPUなので、下位よりも盛り上がるのではないかと思います」という。

水冷ブロック付きRGBメモリがThermaltakeから登場

その他の新製品では、光モノ関連が注目を集めていた。

DDR4メモリは、ThermaltakeからRGBモデル「WaterRam RGB」が登場した。8GB×4枚の「CL-W252-CA00SW-A」と8GB×2枚の「CL-W251-CA00SW-A」があり、価格は順に3万6000円弱と1万8000円前後となる。上部にLED内蔵の水冷ブロックを固定する仕様で、発光パターンは同社の「TT RGB PLUS」の他、マザーボードメーカーやRazerのイルミネーション制御ソフトで調整できる。

パソコンSHOPアークは「光らせる対象としてメモリの存在感も大きくなっていますから、4スロット分のスペースをまとめて光らせられるのは面白いですね」と話していた。

また、CPUクーラーではCRYORIGの全高47mmと背の低いモデル「C7」にRGBモデルが追加された。「C7 RGB」で、価格は6000円前後だ。

NZXT「H500/i」の後継&進化モデルがデビュー

PCケースは、NZXTから1年前に登場したヒットモデル「H500i/H500」の後継が登場している。「H510i」と「H510」で、価格は1万5000円弱と1万円前後。従来モデルと比べ、USB 3.1 Gen2(Type-C)に対応した点が共通の変更点だ。

加えて、フロントにも強化ガラスを採用して12RGBファン「AER RGB 2」2基を搭載した「H510 Elite」も2万円強で売り出している。H510iとH510 Eliteは最新のファンコントローラー「Smart Device v2」を右側面に組み込んでおり、4ピンファンコネクタ3基とLED用コネクタ2基を接続できる仕組みだ。

また、Mini-ITX対応のコンパクトモデル「H210i」「H210」も同時に売り出されている。価格は1万6000円前後と1万2000円弱だ。

入荷したTSUKUMO eX.は「落ち着いたデザインの定番モデルが正常進化した感じですね。iシリーズやH510 Eliteは、従来よりもコントローラーが進化して接続の選択肢が広がったのがポイントです。USB 3.1 Gen2がフロントで使えるのも結構なプラス要素だと思います」と話していた。