Ryzen 3000時代に台頭するAORUSブランド

AMDのRyzen 3000シリーズと、X570チップセット搭載マザーボードの売れ行きは発売以来好調を維持しており、パーツを一式購入するユーザーが明らかに増えたと複数のショップで耳にする。そのような中で、ギガバイトから最上位のX570マザーが登場した。

9万5000円のファンレスX570マザー「X570 AORUS XTREME」登場!

E-ATXモデル「X570 AORUS XTREME」で、価格は9万5000円強(税込み、以下同)。16フェーズの電源回路を採用するハイエンド仕様ながら、冷却システム「Thermal Reactive Armor」によって効率的な放熱を実現し、水冷に頼らないファンレス設計としているところがポイントだ。3基のM.2(PCIe 4.0)スロットも全てヒートシンクで覆う作りとなっている。その他、2基のUSB 3.1 Gen2端子や、AQUANTIA製の10GbE LANなども備える。

オリオスペックは「CPUクーラーやケース内のエアフローで排熱できる設計になっていて、しっかり工夫されている印象です」と評価していた。また、別のショップからは「最近好調なAORUSブランドを象徴するマザーになったらいいかも」という声も。

AORUSブランドの存在感が増しているという話は、第3世代Ryzenが登場する前後から複数のショップで耳にするようになっている。

TSUKUMO eX.は「AORUSブランドはPCIe 4.0対応M.2 SSDの投入も早かったですし、Radeon RX 5700 XT/5700カードもコスパの高さが評価されて好調です。最近は自作PC全体でブランドをそろえたい心理が高まっていることもあって、AORUS全体の求心力が上昇しているのを感じますね」と話していた。

なお、Intel系でも注目のAORUSマザーが動き出している。28コア56スレッドのCPU「Xeon W-3175X」が載せられるLGA3647対応のE-ATXモデル「C621 AORUS XTREME」の受注販売がオリオスペックでスタートした。価格は21万4704円で、納期は「1カ月程度をみてほしい」とのこと。

同様のモンスターマザーボードは、2019年3月にASUSTeKから「ROG Dominus Extreme」が登場している。

Ryzen 7 3800Xが店頭に並ぶ――3900Xと3700Xは枯渇気味

Ryzen 3000シリーズの売れ行きは複数のショップが「予想以上の伸び」と語っており、それゆえに人気モデルは入手困難な状況となっている。

特に枯渇しているのは、最上位の「Ryzen 9 3900X」だ。初回入荷後は当面再入荷がないという予想に反して先週半ばに若干数が追加で出回ったが、週末までに払底している。次いで、「Ryzen 7 3700X」の在庫を切らすショップも複数みかけた。

パソコンSHOPアークは「供給自体は思ったよりも順調ですが、それを上回る需要があって結果として品薄になってしまっています。ここまでの人気なら仕方ないかなというところまで来ていますね」とこぼす。

満たしきれない需要に応えるかたちになったのが、一足遅れて7月12日に登場した「Ryzen 7 3800X」だ。予価通り5万1000円前後で出回っており、3900Xと入れ替わるように瞬く間に人気CPUとなった。

しかし、焼け石に水とのコメントもある。某ショップは「3800Xの入荷数もそれなりですが、需要に応えきるほど潤沢ではないです。組み込み向けへの振り分けもありますし、今後も潤沢な在庫というのはなかなか望めないでしょう。とはいえ、一時期のCore iほどの日照りにはならないでしょうけどね」と語っていた。

GeForce RTX 2070/2060 SUPERカードが各社から登場!

グラフィックスカードでは、NVIDIAの新GPU「GeForce RTX 2070/2060 SUPER」を搭載したモデルが各社から登場している。価格はRTX 2070 SUPERが6万6000円前後~7万6000円前後、RTX 2060 SUPERが5万4000円前後~6万5000円前後となる。

いずれもRTX 2070とRTX 2060の上位に位置するGPUで、9日22時に複数のショップで販売が開始された。

爆発的な売れ方ではないものの、各ショップで好感触を得ている様子だ。ドスパラ秋葉原本店は「それぞれ“非SUPER”に比べて最大で20%以上、平均で15%以上性能が上がっているということで、まずまず評価されています。やはり上位のRTX 2070 SUPERカードの方がより目立った売れ方をしていますね」という。

なお、今回のSUPERシリーズで最上位となる「RTX 2080 SUPER」搭載カードは7月23日に売り出される可能性が高いようだ。

M.2 NVMe SSDが2本挿せるPCIe x4アダプターが店頭に並ぶ

ストレージ関連では、ユニークなM.2 SSDアダプターが複数デビューしている。

akasa(アイネックス)からは「Dual M.2 PCIe SSD adapter with RGB LED light and Heatsink(AK-PCCM2P-04)」が6500円前後で登場した。PCIe接続のM.2 NVMe SSDを2本接続できる仕様で、2本目はスロットの反対側に延びるPCIe x4コネクタを上下の空きスロットに挿すことで有効にする。

TSUKUMO eX.は「物理的な形で2本分の帯域をまかなうアダプターですね。空きスロットを有効活用して、SSDを一緒に放熱しつつ光らせるという切り口が斬新です」と評価していた。

ICYDOCK(Cremax)から登場したのは「EZConvert MB705M2P-B」だ。M.2 NVMe SSDを2.5インチU.2ドライブに変換するアダプターで、価格は4300円前後。

入荷したオリオスペックは「30~80mmのM.2 SSDが使えて、装着が工具なしのワンタッチなのもいいですね。放熱性も高くて使いやすいと思います」という。