iOS13には機械学習を用いた充電最適化機能搭載 バッテリー寿命延長に期待

iPhoneに搭載されているリチウムイオンバッテリーは充電、放電を繰り返すことで次第に充電容量が減少し、また供給できる電圧が低下してしまうことが知られています。iOS13では充電を最適化し、この特性によるバッテリー性能の低下を遅らせる「充電最適化機能」が搭載されると報じられています。

機械学習を利用

リチウムイオンバッテリーは充電、放電の繰り返しで機能が低下するのですが、特に100%充電してしまうことで機能低下が加速することもわかっています。そのため100%充電しないことでバッテリーの寿命を伸ばす方法もあるのですが、そうしてしまうとバッテリー持続時間が確保できないというデメリットも出てきます。

この問題をAppleは機械学習で解決しようと試みています。iOS 13に搭載される充電最適化機能では、100%充電が必要な時、不要な時を機械学習で判別し、充電を最適化するとされます。例えば、毎日就寝時に充電しているユーザーが午後7時頃に充電を開始した場合、100%まで充電せずにバッテリーの劣化を防ぐといった挙動が予想されます。

機械学習がどこまで複雑な制御をするかは不明ですが、時間情報だけでなく、位置情報やカレンダーに登録された予定なども参考にすればさらに最適な充電パターンが完成するでしょう。これによってバッテリー寿命が伸びることが期待できます。

長期の利用で効果

現在、iPhoneの想定使用年数は3年とされています。そのためバッテリーの劣化を含め3年程度は通常の使い方でAppleが想定するパフォーマンスが維持できるように設計されています。しかしここ数年、iPhoneの価格は高騰しており、同じ機種を3年以上使用するユーザーも増えてきました。

長期利用を考えると日々のバッテリー持続時間よりも、バッテリー寿命を優先した充電方法が最適なかもしれません。一方で毎年最新のiPhoneを買い換えるユーザーにとってiOS13の充電最適化機能は不要になるでしょう。そうしたユーザーのために機能をOFFにできるようにもなっています。