スマホカメラが10倍になるとここまでデキル! ハイブリッド10倍ズーム対応のOPPO「Reno 10x Zoom」を使い倒す

2018年に日本に参入してから、多種多様なスマートフォンを投入してきたOPPO。そんな同社が満を持して投入する、2019年のフラグシップモデルが「Reno 10x Zoom」だ。Renoは海外では複数バージョン存在するが、日本向けには10倍のハイブリッドズームに対応したモデルReno 10x Zoomを投入する。本機の魅力を、デザイン、カメラ、パフォーマンスの3つに分けて紹介する。

フラットで美しいボディーにノッチなしの6.65型有機ELを搭載

Reno 10x Zoomはハイエンド機らしく、6.65型の大きな有機ELディスプレイを搭載している。特筆すべきは、最近のスマートフォンでは当たり前になりつつあるノッチ(切り欠き)が前面にないこと。ノッチがあるとコンテンツの表示が欠けてしまうため、残念に感じる人も多いだろう。ノッチレスデザインの採用により、映像はより高い没入感で楽しめるし、ゲームも肝心な部分が表示されないといった心配をすることなく楽しめる。

Reno 10x Zoomを手にすると、出っ張りが一切なく、「ツルン」とした心地よさを得られる。レンズを横方向に配置して光の屈折を利用する「ペリスコープ(潜望鏡)構造」を採用したことで、ハイブリッド10倍ズームを実現しながら、カメラの出っ張らない美しいボディーが完成した。さらに、カメラの下にあえて「O-DOT(オー・ドット)」と呼ぶ薄いワンポイントの出っ張りを加えることで、本体を机に上に置いてもレンズが触れない。デザインのアクセントになるとともに、さりげなくレンズを保護する役割も果たしている。

なぜReno 10x Zoomはノッチレスデザインを実現できたのか? これはインカメラが本体上部から自動的にせりだすリフト構造を採用しているためだ。インカメラの起動時には0.8秒で素早くせり出し、利用し終わったら素早く収納される。変わった機構のため「壊れやすいのでは?」と思う人もいるだろうが、心配無用。インカメラが起動したときに本体を落とすと、カメラは自動で収納されてダメージを回避してくれる。カメラをアクティブに使う人も安心だ。

本体カラーは、オーシャングリーンとジェットブラックの2色。オーシャングリーンはマットな質感と、見る角度によって輝きが異なるグラデーションパネルにより上品な仕上げとなっている。

10倍ハイブリッドズームでカメラがさらに楽しく

カメラの特徴は、Reno 10x Zoomの名の通り、10倍までのハイブリッドズーム撮影ができること。スマートフォンのカメラはデジタルズームのみを採用しているものが多く、ズームをすると、どうしても画質が粗くなってしまう。最近では光学ズームに対応したモデルも増えてきたが、2倍程度のものが多い。

しかしReno 10x Zoomのカメラは光学5倍ズームまでが可能で、さらに3つのカメラを組み合わせることで、10倍(超広角の0.6倍~6倍)までは画質劣化を抑えたズームが可能になる。

では、10倍ズームができることで、どんなメリットが生まれるのか? スマホのカメラを使えば、日常のさまざまなものを撮影できるが、使うほど「近づくのが難しい」場所が多いことに気付かされる。

例えば展望台からスマホで眺めを撮ろうとすると、広角レンズで広範囲の写真なら撮れるのだが、目立つ建物に寄った撮影や、絶景として紹介される定番カットは撮れないことが多い。しかし10倍ズームが可能になると、これまでスマホでは撮りづらかった、望遠ズームが必要な絶景や、遠くの被写体にぐっと寄った撮影が可能になる。

しかもReno 10x Zoomなら0.1倍単位のシームレスなズーム撮影が可能だ。3倍や6倍など途中の画角も使って思い通りの構図を試すことができる。スマホで絶景スポットを撮りたい人にとって、10倍ハイブリッドズームは必須の機能といっていい。

「絶景スポットなんて、そんなに行かないよ」という人だって、10倍ズームの恩恵はたくさん得られる。10倍ズームは日常生活でも役に立つのだ。例えば写真を撮らなくても、ズーム機能を双眼鏡代わりに使うことだってできる。デジタルズームなら最大60倍の撮影に対応しているので、遠くて見えない駅の案内や時刻表、道路の向こう側にある電光掲示板なども、いちいち前まで移動しなくてもカメラ機能で確認できる。ズーム機能は、マジックハンドのように遠くの表示を引き寄せて確認できる便利機能でもある。

もちろん、人物や動物など「遠くの被写体をアップで撮りたい」といったときに活躍するのは言うまでもない。動物園に行って動物を撮影したいけど、なかなか近寄れず、微妙な一枚になってしまったという人は多いだろう。お子さんがいる方は、子どものお遊戯会を撮影したいけれど近寄れず、ズームして撮ったものの画質が粗くなってしまったという人も多いだろう。この他、スポーツの試合観戦やコンサート観戦など、目当ての被写体に近寄れないシーンはたくさんある。

そんなときも、Reno 10x Zoomがあれば安心。例えば10数メートル先の人物もアップで撮影できるので、屋外のスポーツ施設で、グラウンド内の目当ての選手を撮影することだってできる。望遠でも顔認識AFが働くのもうれしい。

被写体に合わせて0.1倍ずつズーム設定を変更できるので、被写体との距離に応じて撮影倍率を柔軟に変えられる。一般の撮影でも、料理を撮る際に2倍ズームを使ってやや離れて撮ると、手やスマホの影が料理に映らずスッキリとした撮影を楽しめる。

これまで、「被写体が遠いから……」と撮影を諦めていた人や、「何とかズームして撮ったけど画質がいまいち……」と不満を抱いていた人も、Reno 10x Zoomなら満足できるはず。撮影シーンが広がり、スマホカメラがさらに楽しくなるはずだ。

もちろん、最近のハイエンドスマホでは標準になりつつある被写体認識やポートレート撮影、夜景撮影、超広角撮影といった機能にもしっかり対応している。「ウルトラナイトモード」を使うと、標準広角の4800万画素カメラの1/2型 F1.7のセンサーと光学式手ブレ補正により、夜景をブレなく明るく撮影できる。

背景をぼかすAIポートレート撮影もお手の物だ。肌を美しく、背景を自然にぼかしてくれる。少々複雑な条件でも、人物と背景をしっかり分けて自然にぼかしてくれた。

800万画素の超広角カメラ(16mm、F2.2)を使えば、迫力ある構図や広い風景の撮影、人物と風景を両方大きく入れ込んで撮影できる。

リフト構造のインカメラは1600万画素のものを搭載。AIが人物を美しく撮ってくれるだけでなく、細かい設定も可能だ。フォトライトは周囲の色温度に合わせた発光に対応しており、暗所の照明下でも色被りの少ない自然なセルフィーを撮影できる。

パフォーマンスの高さも申し分なし

ハイエンドスマホとして気になるスペックだが、プロセッサに最新の「Snapdragon 855」を搭載し、メインメモリは8GB、ストレージは256GBとスマホトップクラスの仕様だ。ベンチマークでも最新ハイエンドらしい高いスコアを記録している。

現在のハイエンドで重要なのは高画質3Dグラフィックのゲームの快適な動作だが、Reno 10x Zoomは単に高性能なプロセッサを搭載するだけでなく、ヒートパイプやグラファイトシートなどによる冷却機能を搭載。長時間のゲームプレイも快適に楽しめる。

さらに、ゲーム管理アプリ「ゲームスペース」により、ゲーム中のCPUの動作を最大限に引き上げつつ、ネットワークや本体の通知のオン/オフを切り替えて快適にゲームを楽しめる機能も搭載している。

実際にReno 10x Zoomの性能を最大限に引き出す「競争モード」で、「PUBG MOBILE」を高負荷なHDR表示かつフレームレート「ウルトラ」設定で25分ほどプレイしたが、本体は一部が35度程度にほんのり暖かくなるぐらいで、快適にゲームをプレイできた。

バッテリーは4065mAhとかなり大容量だ。使い方にもよるが、12時間ほど持ち歩いてゲームやカメラ撮影を中心としてかなりヘビーに使っても、約40%残るほどだ。また、付属の急速充電器を使った急速充電「VOOC 3.0」にも対応。残量ゼロから30分で約50%、約80分でフル充電できた。朝にバッテリー残量が少ないことに気付いても、ここまで速く充電できるなら安心だ。

OPPOといえば、いち早くディスプレイ内蔵の指紋センサーを搭載したメーカーだ。Reno 10x Zoomにも搭載されており、R17シリーズと比べて認識速度が28.5%アップ。快適にロック解除しやすくなった。もちろん、顔認証も併用できる。手袋やマスクをしていてもロック解除しやすい。

位置情報はデュアルバンドGPS(L1+L5)に対応。一般的なL1に加え、建物に強いL5信号に対応したことで、ビル街などでより高精度な位置測位が可能になっている。

SIMはnanoSIMのデュアルスロット仕様で、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)にも対応している。片方のSIMスロットはmicroSDと兼用する形。国内だとキャリア+格安SIMで運用してもいいし、海外で国内SIMと現地やレンタルSIMと組み合わせてもよい。

OPPO独自のスマホ向けサービスや、Color OS 6.0の便利な機能も魅力だ。クラウドサービス「OPPO Cloud」は写真などのデータをクラウドにバックアップできる他、機種変更した際のデータ移行も簡単にできる。

特に便利なのが、スワイプアップジェスチャーだ。画面下のソフトキーの代わりに、画面下からのスワイプでホーム画面表示やタスクの切り替え、画面左右からのスワイプで「戻る」操作が可能になる。Reno 10x Zoomは6.65型と画面が大きい分、画面下のソフトキーが操作しづらいだけにこの機能は便利だ。

この他、通知バーなどのアイコンや文字が大きくて見やすくなり、画面消灯時にも時刻などを表示する「スクリーンロック」も搭載している。

高画質カメラと高性能を使いやすいメニューでまとめた、超実用モデル

Reno 10x Zoomを初めて手に取る人の印象に最も残るのは、リフト式のインカメラかもしれない。この独創的なギミックはもちろんインパクトがあるが、「ノッチをなくしたこと」に意義がある。そしてペリスコープカメラを採用することで、10mm以内の厚さをキープしながらカメラの出っ張りもなくし、美しいデザインにも寄与した。このようにReno 10x Zoomは「性能」と「美」を両立させたモデルなのだ。

ノッチなしの大画面になったことで、日々の利用で満足できることはもちろん、10倍ハイブリッドズームによってスマホカメラの楽しみがさらに広がる。Reno 10x Zoomに一度触れれば、デザイン、カメラ、パフォーマンスに満足することは間違いない。“スマホの未来”を手に入れたい人は、ぜひReno 10x Zoomを手に取ってみてほしい。