ワイヤレス充電器の選び方 4つのタイプ別に紹介

ワイヤレス充電にすれば、コードを接続する手間が省ける。代表的な規格である「Qi(チー)」に対応したスマートフォンや周辺機器が普及したことで、こうした恩恵は身近なものになった。一口にワイヤレス充電といっても、対応する充電器はさまざまな種類がある。そこで今回は、Qi対応のワイヤレス充電器をタイプ別に紹介したい。

ワイヤレス充電器を選ぶ際に、出力と形状を考えよう。出力については、最大10Wや最大5Wなどの表記が異なり、数字が大きい方が充電は速い。ただし、機種側の対応状況も異なり、最大10Wとうたう製品でも機種側の仕様がボトルネックになり速度は変わる。実際には「iPhoneなら最大7.5W、Galaxyシリーズなら最大10W、その他の機種では最大5W」のように、機種ごとの制限が明記されている場合も多い。

形状については、平置きタイプやスタンドタイプ、車載ホルダータイプなど、いくつかのパターンが存在する。また、インテリアに組み込むなど、付加価値をウリにした製品もある。以下、具体的な商品例を挙げつつ、それぞれの特徴を紹介するので、利用シーンに応じて最適なものを選んでほしい。※価格は全て税別。

1.使い勝手のよい基本の平置きタイプ

ワイヤレス充電器における最も基本的なタイプは、机に平置きする充電パッド型の製品だ。そもそも、ワイヤレス充電ではパッドとスマートフォンを重ねたときに、充電できる位置が限られている。そのため、どんな大きさのスマートフォンでも、平置きならコイルの位置を合わせられやすく、汎用(はんよう)性が高い。一方で、注意すべきは使用中にスマートフォンが滑ってずれてしまうこと。滑り止めを意識した製品ではないと、使用中に位置がずれて長時間の充電がしづらい場合もある。製品選びの際には注意したい。

基本的には、最大10W出力に対応した製品を選んでおきたい。例えば、「BOOST↑UP ワイヤレス充電パッド」は、Apple製品の周辺機器としてもおなじみの、Belkinのワイヤレス充電器で、iPhoneを最大7.5W、Galaxyを最大9Wで充電できる。Quick Charge 3.0対応のUSB充電器と1.2mのMicro USB充電ケーブルを同封し、周辺機器をそろえる手間もないこともうれしい。

「AUKEY 10Wワイヤレス充電器LC-Q6」も、最大10Wで充電できる平置きタイプのワイヤレス充電器だ。シンプルなデザインが特徴的で、IFデザインアワード2018「Product」分野を受賞している。滑り止めを備えており、充電中のズレも予防できる。

「Anker PowerWave 7.5 Pad」は、iPhoneのワイヤレス充電対応機種を最大7.5W、Samsung製スマートフォンを最大10W、その他のスマートフォンを最大5Wで充電可能。こちらも、パッド部分にゴム素材を使用し、充電中のズレを防げる。

2.スタンドタイプはデスク周りで重宝する

仕事机などにワイヤレス充電器を設置する場合には、スマートフォンを立てかけるようにして使うスタンドタイプがよい。スマートフォンの画面が自然な角度で視界に入るので扱いやすく、顔認証などを採用する機種では、いちいちスマートフォンを持ち上げることなくロックを解除できる。

一方で、コイルの位置を合わせづらいという特徴もあるので、使用するスマートフォンが対応しているのかどうか、購入前に確認する必要がある。また、横向きで動画を再生しながらワイヤレス充電を行いたい場合には、横向き使用もサポートした製品を選びたい。

例えば、先ほど平置きタイプで紹介したBelkinのワイヤレス充電器には、スタンドタイプの製品もある。充電性能や、QC(Quick Charge)対応充電器やケーブルが付属するのは平置き型と同様だが、こちらはスマートフォンを立てかけられる。また、縦向きと横向きの両方に対応するので、デスクでブラウジングや動画鑑賞をしながら充電したい人にもおすすめだ。

同じBelkinでも縦向きのみに対応したワイヤレス充電器もある。価格は安いが、出力は最大5Wとなっている点に注意が必要だ。使用頻度の高い場所には、出力の高い製品をメインで使用した方がよいだろうが、サブとして設置するような用途なら、こちらの方がコストダウンを図れるだろう。

カバンに入れて持ち運んで使用したいという場合には、Artfit Qiワイヤレス充電器のような折りたたみ式も検討したい。充電用コイルがある中央部分を持ち上げて角度を変更でき、平置き、横置き、立ておきの3パターンに対応可能だ。最大出力は10W。

3.自室に設置するなら付加価値にこだわる製品選びもアリ

ワイヤレス充電器は場所を占領するのであまり積極的に利用していないという人もいるだろう。そういう場合には、充電器に付加的な機能が備わっている製品を選んではいかがだろうか。例えば、下の例のように時計としての機能や、バックアップデバイスとしての機能を備える製品もある。

「Gotek Wireless Charger」は、DISCOVERストアで販売されている最大10W出力の多機能ワイヤレス充電器だ。充電パッド面に電子ディスプレイが搭載されており、スマートフォンを設置していないときには、デジタル時刻として使える。アラーム機能も備える。また、ベース部分は「ナイトライト」機能により、寝室での夜間照明としても活躍する。

「iXpand ワイヤレスチャージャー」は、外部メモリで広く知られるサンディスクブランドから発表されたQi対応のワイヤレスチャージャーだ。256GBのストレージを備えており、専用のアプリをインストールしたスマートフォンを設置すると、充電を行いながら、自動で端末内の写真をバックアップしてくれる。スマートフォンごとにバックアップしたデータをパスワードで保護できるので、家族で使用してもプライバシーを保てる。対応機種はiOS11.0以降またはAndroid 5.0以降。

4.車載ホルダーが充電器を兼ねる製品も

ライフスタイルの中心に車があるという人ならば、ワイヤレス充電機能を備えた車載ホルダーは必須アイテムといえる。重視すべきは、取り外しが片手で簡単に行えること。乗り降りの頻度が多くても、ストレスにならなければ使い続けやすい。

例えば、サンワダイレクトで販売されている「ワイヤレス充電マグネットホルダー(200-CAR066)」は、磁力でスマートフォンを固定できる。パッド部分がQi対応のワイヤレス充電器になっており、設置したスマートフォンを最大出力9Wで充電可能。

アームの耐荷重は約220gなので、大抵のスマートフォンは装着できる(iPhone XS Maxが208g)。ただし、大型のスマートフォンに保護ケースを装着した際には注意したい。アームの接地部分には、吸盤があり、レバーの上下で取り付ける仕組み。別売のドリンクホルダー用アタッチメント(200-CAR038)を使えば、ドリンクホルダーに立てかけることもできる。ちなみに、充電パッドのみ取り外して、車外で利用することも可能。

「スマートフォンクレイドル SDA-SC500」は、カロッツェリアブランドが開発した車載ホルダーだ。ホルダーが電動で開閉するので、片手で簡単に装着できる。充電パッドを備え、iPhoneのワイヤレス充電対応機種を最大7.5W、Samsung製スマートフォンを最大10W、その他のスマートフォンを最大5Wで充電できる。他の製品よりもやや高額だが、エアコン吹き出し口に装着できるアタッチメントやQC3.0対応のシガーソケット用USBチャージャー、1.1mのUSB Type-Cケーブルが付属することを考えれば割安だ。