iPhone「次期iOS」で絶対使いたいオススメ3機能

今秋に配信が予定されている「iOS 13」の、パブリックベータ版がアップルのサイトに公開された。パブリックベータ版は、あくまで開発途中のバージョン、バグの洗い出しや修正、開発の検証などに用いられるものだが、その名のとおり、一般に公開されている。iPhoneの利用者なら誰でも、アップルIDや端末を登録するためのプロファイルをインストールするだけで、正式版に先立ってiOS 13を利用できる。

あくまで開発中のものという位置づけのため、仕事などで重要なデータを扱う場合にはオススメできないが、予備の端末を持っていたり、プライベート用の端末があったりすれば、パブリックベータ版を入れ、iOS 13の機能を先取りしてみてもいいだろう。

インストールしてみると、その新機能の数に驚くはずだ。「ダークモード」や「リマインダー」「マップ」など、目玉となりそうなアップデートは、6月に開催されたWWDC(世界開発者会議)で発表されたが、それ以外にも、新機能は多岐に渡る。

筆者も、このパブリックベータ版を、手元にあるiPhoneにインストールしてみた。ここでは、WWDCの基調講演などでは詳しく紹介されていない、実際に使ってわかったiOS 13のオススメ機能を3つ紹介していきたい。

1.「省データモード」で通信料金を節約

iOS 13には、「省データモード」と呼ばれる、データ通信量を節約する機能が搭載されている。設定は、「設定」アプリの「モバイル通信」にある「通信のオプション」を開き、「省データモード」をオンにするだけでいい。一見したところ、画面には特に変化が出ないため、効果が出ているかどうかが少々わかりづらい。そこで、東洋経済オンラインのトップページを、オンとオフの状態で10回ずつリロードしてみた。

その結果は次のとおり。省データモードがオフのときは、Safariが8.8MBのデータを消費していたのに対し、オンのときは7.2MBと、確かにデータの消費量が少なくなっていた。10回程度では1.6MB程度しか差が出ていないが、2割近いデータ量を削減できたと考えれば、効果は大きい。

積み重なってくれば、よりカットできるデータ量も増えるからだ。Safariに表示されたサイトを見る限り、オンにしても、目立って画質が劣化しているようなこともなかった。

データ量の削減は、主に従量課金でデータ通信料が上がっていく国や地域のための機能とみられるが、日本でも通信事業者大手3社は、段階制の料金プランを相次いで導入している。

ドコモは「ギガライト」、auは「新auピタットプラン」、ソフトバンクは「ミニモンスター」を用意しており、いずれもデータ通信を抑えれば抑えるほど、料金は安くなる。例えば、ドコモのギガライトで本来6GB使っていたところを、省データモードで5GB未満に抑えられれば、それだけで毎月の料金は1000円安くなる計算だ。

また、格安SIMで低容量のデータプランを契約しているユーザーも、データ通信の消費量はなるべく抑えたいはずだ。こうしたプランを選んでいるユーザーは、省データモードをオンにしておいたほうがいいだろう。

同様のデータ量を削減する機能は、グーグルのブラウザアプリ「Chrome」にも搭載されているが、この場合、効果はサイトに限定される。アプリ全体に範囲が及ぶという意味で、省データモードのほうが強力な仕組みといえるだろう。

2.知らない人からの電話をまとめて拒否

iOS 13では、スマートフォンの基本ともいえる電話機能にも、磨きがかかっている。注目したいのは、「不明な発信者を消音」という新機能。これをオンにすると、電話帳に登録していない電話番号からの着信をまとめて拒否することができる。

ちなみに、電話をかけてきた相手には、着信を拒否していることがわからず、電話に出られなかった旨しかアナウンスされない。留守番電話サービスを契約している場合は、自動的にそちらにつながる仕組みで、トラブルになる心配も少ない。

セールスの電話などが直接かかってきて迷惑している人などは、この機能を活用するといいだろう。知らない相手から電話がかかってくる可能性のあるビジネスで使うのは難しいかもしれないが、プライベートでは重宝しそうだ。

着信自体は残るため、電話番号を検索してみて、必要だったら折り返すこともできる。iOS 12までは、拒否したい電話番号を着信拒否設定でリストに登録する必要があり、いったん電話がかかってきてからでないと、着信を拒否することができなかった。電話帳に登録していない電話番号を一括で着信拒否する設定も、用意されていない。

設定は「設定」アプリから「電話」を開き、「不明な発信者を消音」機能をオンにするだけだ。標準ではオフになっているため、必要に応じて設定したい。

なお、こちらはiOS 13からの新機能ではなく、以前から搭載されてきたものだが、iMessageでも同様のことができる。知らない相手からのメッセージの通知をなくしたいときは、「設定」の「メッセージ」で「不明な差出人をフィルタ」をオンにしておくといい。電話の新機能とあわせて活用したい。

3.PC版とモバイル版サイトの切り替えが簡単に

iPhoneにはMacと同じSafariが搭載されているが、アクセスしたサイトによっては、モバイルに最適化されたレイアウトで表示されることがある。スマートフォンが普及した今、むしろモバイル版の表示を採用するサイトのほうが多いほどだ。

ただ、モバイル版のサイトは、PC版より情報が少なくなっているケースもままある。このようなときに便利なのが、「デスクトップ用サイトを表示」の機能だが、iOS 12までは、共有メニューから呼び出し、モバイル用サイトとデスクトップ用サイトを切り替える必要があった。

iOS 13では、この機能が呼び出しやすくなり、サイトごとに、どちらを開くかを設定することも可能になった。サイトに応じて、どちらのレイアウトで表示するかを使い分けることができるというわけだ。

iOS 13のSafariは、画面上部にあるURL入力欄の横に、文字の大きさを指定するボタンが表示される。ここをタップすると、文字サイズの変更ができるほか、不要なデザインを省く「リーダー」や、「デスクトップ用Webサイトを表示」を選ぶことが可能だ。

ここで「デスクトップ用Webサイトを表示」をタップすると、サイトのレイアウトがPCと同じようになる。また、このメニューから、サイトごとに、どちらの表示を優先するかを、選択することもできるようになった。

例えば、「東洋経済オンラインはつねにデスクトップ用の表示で見たい」という場合、URL入力欄の横のボタンをタップし、「Webサイトの設定」を選択。ここで、「デスクトップ用Webサイトを表示」を選択すると、以降、東洋経済オンラインは常時デスクトップ用のレイアウトで表示されるようになる。

元に戻したいときは、同じように「Webサイトの設定」にアクセスして、「デスクトップ用Webサイトを表示」のボタンをオフにするだけでいい。ちなみに、この「Webサイトの設定」では、つねにリーダーをオンにすることもできる。文章の中身に集中したいニュースサイトなどにアクセスするときは、これをオンにしておいてもいいだろう。

サイトごとにどちらの設定にしたかは、「設定」の「Safari」にある「デスクトップ用Webサイトを表示」で確認できる。ここで、一括して設定を変更することも可能だ。

これらの新機能は、秋に配信されるiOS 13に搭載される予定だ。ただし、現状はあくまでパブリックベータ版になるため、設定方法や機能の中身が一部変わる可能性もある。その点には、あからじめご留意いただきたい。